無双乱舞
「おお~」
「完全にやる気満々だね」
「これどうにかなるんですか?数が・・・」
外の扉を開けてみると、ルイの予測した通り100人くらいの見習い兵士がズラッと剣を取り出し構えていた。
その中の一人が前へと出てきた。
「ジーク・バースデイイブと試験管へ暴力を振るった男とその連れの3人だな?貴様らの行為は王国へ逆らう行為だと判断した。よって処罰を受けてもらう」
「おいおい。さっきまでここの一番偉い人だった奴にその対応はねぇんじゃねえの?」
「いいんだルイ、僕が悪いんだから。でもだからといって引き下がらない。ここは通させてもらう」
ジークは棍を取り出して構えた。ルイも剣を取り出す。リンはジークの後ろに隠れた。
「そうか。残念だ。・・・皆の者かかれえぇぇぇ!!!!」
兵士達が一斉にルイ達の方へ駆け出した。
ルイは剣に炎を宿した。
「んじゃ俺突っ込んでくるからジークはここでリン守っててな」
「分かった」
「ルイさん!」
「ん!?」
「頑張ってください!!」
「・・・ああ!」
ルイが走り出した。
兵士達との間合いを詰めていくとギリギリの所でルイは大きくジャンプし、兵士達のど真ん中に回転切りしながら着地した。
そして周囲360°囲まれた状態になった。
「かかってきな」
兵士達はルイのその自信に少々戸惑いながらも行くしかないと覚悟を決め、またも一斉に襲い掛かった。
ルイは華麗な剣さばきで兵士の剣を受け流しながらもしっかり斬りつけていく。
「なんだこいつ!やべー!」
「一回も剣が当たらないぞ!」
「後ろに目でもついてやがんのか!?」
「ついてねー・・よ!」
未だにルイには傷一つついていない。
(やっぱり見習いだけあって弱いな・・・!)
ルイは簡単に100人倒せるだろうと安心をし始めていた。
あっという間に30人程切り倒した頃に、ルイには適わないと判断した兵士達がジーク達の方に向かい始めていた。
「覚悟!」
「かつての上司でも手加減しません!」
「こっちにも来た。リン、下がっててね」
ジークは棍の先端から刃を出し、頭の上で凄い勢いで回し始めた。
それにビビる兵士達だが、止まる訳にもいかず一斉に襲い掛かる。
ジークは襲い掛かる兵士達を棍を巧みに振り回し人間の弱点となる位置にうまい事当てながら戦闘不能にしていく。
たまに棍を3つに分解し短剣両手持ちの様な形にし、戦闘態勢を変えながら戦っていた。
(ジークさんもルイさんに劣らないぐらい強い!)
リンは迷惑にならないようにしっかり隠れていた。
その間もルイは兵士達の集団の中で無双していた。
数はもう既に40人程になったが、何故かそこから人数が減りにくくなっている事にルイが気付き始めた。
(鎧が固い奴がいる・・・あの赤色の鎧を身に着けてる奴らか。特注品か?)
残っている兵士達に防御力の高い兵士がいると気付いたルイは一度剣にまとった炎を消した。
そして別の魔法を剣へ宿した。
「エンチャント、ライトニングソード」
剣に雷が纏い始めた。
「こいつは鎧を通して電気が身体に伝わる。まあ全身麻痺する程度にしか電気流してないけど。だからって甘くみない方がいい」
またリンが兵士達を切り始めた。
赤色の鎧を着ていた兵士達も泡を吹きながら倒れこみ始める。
余った赤色の鎧の兵士がジークの方へ向かい始めた。
「ジーク!その赤い奴ら固いぞ!」
「分かった!ありがとう!・・・ならちょっと力入れていくとしようか」
赤色の兵士達がジークに襲い掛かると同時にジークの棍へ込める力がさっきと変わった。
さっきまでの普通の兵士はその場に倒れこんでいるが、赤色の兵士は10m程離れた所まで吹っ飛ばされている。
ジークが攻撃を当てる旅にドゴッと音が響いていた。
(ジークの野郎更にパワー上げたか?)
かつてのジークではない事が分かりルイは少しほくそ笑んだ。
気付けば兵士は後10人程だ。
「ジーク!最後は一緒にいくぞ!」
「その言葉を待っていたよ!」
ジークは兵士達の方へ走りだした。
村にいた頃から共闘する場面が多かった二人は久々に一緒に戦える事に嬉しさを感じながら戦うのだった。
「ラスト一人だね」
「そ、そんな馬鹿な・・・!100人いたんだぞ!」
「相手が悪かったんだよ」
「こっちは毎日訓練してるってゆうのに・・・!」
「知らんそんなことは」
「く、くそおおおおお!!!!」
「「せーの!!」」
ルイとジークは同時に武器を振りかざした。
100人切り達成の瞬間であった。
「ルイさーん、ジークさーん!」
リンがトコトコと走ってきた。
「お疲れ様です!流石です!」
「ああ」
「ありがとう!でもこのままのんびりはしてられないね」
「早いとこズラかろう。追手がくる前に」
「はい!」
ルイ達は走り出し、すぐさま門の外へと出た。
「き、貴様らは王国兵志願の!?ぐはっ!」
「すまんね」
入り口にいた見張り兵をルイは腹を殴り気絶させた。
「あっちに馬がある!」
「よし!それで行こう!」
「え?でも馬二人しか乗れないんじゃ・・・」
「え・・・」
「ジーク・・・走れ!」
「う、嘘と言ってくれーーーーーーーー!」
すぐ様馬に飛び乗ったルイはリンを引っ張り上げ馬を走らせた。
その後ろをジークが全力疾走で追いかけていく。
「なんて日だあああーーーーー!!!!!!」
こうして3人はグラードから無事脱出するのであった。




