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青い騎士の正体




ジークがカギをカチャカチャと回しルイの牢屋の扉が開いた。



「こんなとこまでよく来てくれたね!会えて嬉しいよ」

「約束したからな、ちゃんと来たぜ。迎えに」

「ルイ・・・キミは・・・」


そう言うとジークはルイを優しく抱擁した。

それを見ていたリンはキャーと小さく言いながら手で目を隠した。

指の隙間からちゃっかり見ていたが。


「ありがとう、ルイ」

「ジーク」

「何だい?」

「気持ち悪いから離せ」

「ああ、ごめんよ」

「結局お前はどこまで強くなったんだ?」

「・・・どこまでだと思う?」

「お前の事だからな、多分とっくの前に王国兵になってんだろ?」

「ふふん、それだけじゃないんだ。ルイの言う通り僕はここに来て階級試験の段階で王国兵に抜擢された」

「階級試験で王国兵になるって・・・お前試験で何をして見せたんだよ」

「ただ普通に戦っただけさ。そしてすぐに王国兵になれた僕は早く名を挙げようとどんどん任務を完遂していった。気付いたらこのグラードの総責任者に選任されていたよ」

「お前が村を出て2年くらいか?そんな短い期間によくもまあ」


「あ、あの~」


黙っていたリンがようやく口を開ける。


「え~と、ルイさんとジークさんはどういう関係なんですか?」


「自己紹介がまだだったね。申し訳ない!僕の名前はジーク・バースデイイブ。ルイの実家でルイと3年間程一緒に住んでいたんだ」

「そういう事だ。5年前ぐらいにこいつが俺ん家に住み始めたんだよ。よく母さん合わせて3人で稽古したっけな」

「で、3年経ってから僕が村を出たんだ。自分の意志でね。理由は・・・いつか話すよ」

「そうだったんですね。納得しました!約束ってゆうのは?」

「ジークが出ていく直前に俺に約束を持ち掛けたんだよ」

「僕はいつか君より強くなる。だからいつか君が最強のギルドを作る為に旅に出て仲間を探す事になったならその時は・・僕もギルドメンバーに入れて欲しい。ってね。ルイは快くOKしてくれたよ」

「じゃあ本当にギルドに加入してくれるんですね!?」

「ああ!もちろんだ!その為に王国兵になって腕を磨いたようなものだよ。これから宜しく頼むよ!リンちゃん!」

「リンでいいですよ!宜しくお願いします!」

「宜しくリン!」


二人は握手をかわした。

ジークは顔立ちがとても良くいわゆるイケメンだ。おまけに性格も爽やかで女性ウケが良い。


(イケメンさんだ・・・モテるんだろうなぁこの人)


握手をしていたリンは思わずジークの顔を見つめていた。




「やめとけリン」


「え?」


「そいつはゲイだ」













「・・・はい?冗談やめ」


リンは話しながらジークの方へ顔を向き直すとジークが真っ白な歯を全開に見せながらニコッと微笑んだ。


(ひ、否定しない・・・!!!)


リンは手を放しゆっくりと感づかれない様に徐々に後ずさった。


「そろそろここを出ようか」

「でもジークはここの総責任者なんだろ?いきなり飛び出してっていいのか?」

「僕なんかいなくてもどうにでもなるよ。総責任者って言っても毎日溜まった書類にひたすらハンコを押し続ける毎日だったからね。誰かが変わりにやってくれるよきっと」

「雑だな」

「いいんだよ。元々王国騎士なんて全く興味なかったんだから。とりあえず僕の部屋まで行ってルイの荷物を取りに行こうか」


ルイ達は見習い騎士達に悟られない様にジークを先頭にし、ジークの部屋まで向かうのだった。

その後ろに見知らぬ影がついてきている事に気付かないまま。








「ジークさんの武器は棒・・・ですか?」

「間違いではないけど正確には三節棍って言ってね。ほら」


ジークが棍を取り出すと器用に手首を捻ったり振りかざしたりした。

すると1本の棒だった棍が鎖でつながった状態で3つにばらけた。また器用に手首を動かすと1本の棒に戻り先端から鋭利な刃があらわれた。


「こんな感じ。どうかな?」

「凄いです!カッコいいです!」

「でもゲイだぞ」

「失礼だなルイ!」

「・・・でも否定はしない」

「何か言ったかいリン?」

「何でもないです!」

「リン、君は何ができるんだい?」

「私は武器とかそういうのは無くて・・・でも」

「リンは回復魔法が使えるんだ」

「回復魔法!?魔法にそんなものがあるのか!?驚いた・・・。凄いじゃないかリン!今度僕にも使ってくれよ!」

「えへへ、いいですよ!」



そんなこんなで互いの事を教え合いながら足を進め続けた3人であった。

ジークの部屋へ辿り着いたルイは荷物の中身がちゃんとあるかを確認した。


「お金もあるし、ティナから貰った石もちゃんとあるな、よし。OKだ」

「じゃあいよいよグラードを出よう」


要件を終えた3人はジークの部屋を出て、地上へ続くエレベーターに乗り込んだ。

地下10階にいた3人は地上までエレベーターで上がり始めた。



B9階・・・B8階・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・B4階



地下4階を過ぎたあたりでルイとジークが何かを感じとった。


「・・・ジーク、このエレベーターは地上のどこに出る?」

「窓口の前に出る。この気配は・・・外だね。この建物の外だ」

「囲まれてる。まあまあな人数だな。100人くらいか?」

「どこでバレたかな?牢屋の近くにこっそり盗み聞きしてる奴でもいたのかな」

「会話で解決しないのか?」

「多分僕はもう国に対する裏切り者だと思われてる。話なんて一切聞いてもらえないんじゃないかな」

「強行突破か・・・やるしかないな。いけるか?」

「大丈夫だ」

「わ、私も大丈夫です」

「リンはジークの後ろに隠れるんだ。俺はただ斬りまくるからジークはリンを守りながら俺の援護できるか?」

「了解」



チーン。

エレベーターが地上に着いた。

窓口のある部屋には誰もいない。武道場へ案内をしてくれた女性もいなくなっている。

おそらく外へ続く扉を開けたら大人数の見習い騎士が待ち構えているのだろう。

3人は扉の前に立つ。


「開けるぞ?」

「行こう!」

「はい!」




ルイは両手で扉を開いた。





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