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訓練基地グラードに潜入




「マスター、お世話になったな」

「お世話になりました」

「頑張ってね。応援しているよ」


ルイとリンは出発前に酒場へ立ち寄っていた。


「グラードへは結局馬車で行くのかい?」

「いや、予想以上にお金が集まったから馬でも買おうかなって」

「馬を買うなんて相当稼いだね」

「あぁ、それは・・・」


ルイがリンの方を向くと、えっへんとリンが胸をはっていた。


「リンちゃんが?」

「そうなんだ。俺の3倍近く稼いできたよ」

「それは凄いな。馬を買うんならすぐに着きそうだね。3日ぐらいかな?」

「何もなければそれぐらいか。当分ここへは戻ってこないと思う、やっぱり強い奴探すんなら色んなとこ調べまわった方が効率良いしな」

「そうだね」

「じゃあそろそろ行くよ」


ルイとリンがミルクを飲み終わり席を立ちあがる。


「ちょっと良いかいルイ君?」

「ん?」

「君の両親はどうしてるんだい?」

「?何でまた急に?」

「いやただの興味本位だよ」

「なんだそれ。二人とも何してるか分からない。俺が家出ると同時に母さんも仕事があるからって家出てったから。親父は・・・言わないといけないかな?」

「いや十分だ。ありがとう。またファイトネスによる事があったら顔をだしてくれ」

「ああ!また!」

「マスターさん、行ってきます!」

「いってらっっしゃい」



マスターはグラスをふきながら二人を見送った。

そしてルイが初めて酒場に訪れた時のように10人の男女が写った写真を見上げていた。


「そうか・・・相変わらず君は忙しいなメアリ。でも、生きててよかった」





カランカラン


酒場のドアが開く。






「!これは驚いた」

「・・・」

「つい先ほど君の子が出て行ったよ。君に顔がそっくりだね」

「・・・」

「私も彼の旅を応援している」

「・・・」



マスターは酒場を朝早くから臨時休業とし、来客者と久しぶりの再会に夜遅くまで会話を弾ませるのだった。





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酒場でマスターと別れを告げてから3日たった。

ルイは後ろにリンを乗せながら今も馬を走らせている。

出発してからの3日はあっという間で、ルイは出発前にファイトネスで購入した地図を片手にひたすら馬を走らせていた。

出発した日のリンは後ろから目をつむってルイの服をギュッと掴んでいた。初めての乗馬に最初は恐怖を感じたものの風の気持ちよさで徐々にその恐怖も薄れていき、1時間もたつとまわりの光景に感動できる程に落ち着きを取り戻すのだった。

食事は馬に括りつけられた非常食を利用しルイが料理を振舞っていた。

ルイは料理がとても得意だ。

リンはルイの作る料理に毎度驚いていた。。今度料理の仕方を教えて欲しいとリンは懇願していた。

その他は道中特に問題は無かった。魔物に出会っても馬のスピードについてこれるようなスピードの魔物に出会う事は無かったし、天気も常に晴天で野宿するのに困る事も無かった。






「リン!見えてきた!多分あれが訓練基地グラードだ」

「おっきいですね!」

「確かに。普通の町一個分ぐらいの大きさはあるな」

「楽しみです」

「リン、ここからは気を引き締めて行動した方が良いぞ」

「何でですか?」

「何たって王国兵を鍛え上げる為の訓練基地だ。おそらくかたい雰囲気に満ちたような場所だと思う。ポイ捨てなんてしたら首をはねられるレベルじゃないだろうか」

「こ、怖いです」

「しかも王国兵志願じゃない奴なんておそらく中にさえ入れてもらえないだろう」

「え!?どうするんですか!!?」

「うん。来る途中に色々考えはしたんだけどね」




ルイは馬のスピードを徐々に下げゆっくり静止させた。

グラードの入り口となる大きな門は後300m程だろうか。

二人は馬と一緒に近くの岩陰へと隠れた。




「ルイさんの知り合いに話をつけれればどうにかなるんじゃないんですか?」

「グラードの中にはかなりの王国兵志願の人がいると思う。ざっと100万人か、それい以上だと俺は踏んでる。その中からそいつを見つけなきゃいけないんだ」

「え!?そんな人数がこの広さに入るとは思えないんですけど」

「グラードには地下施設があるんだ。確か地下10階が一番最下層だったかな」

「ふ、深いですね」

「あと知ってるのは強い奴程下の階へと行く事ができるって事ぐらいだ。俺の知り合いがどの階まで行ってるのかは知らないが、恐らく一番下だと思うんだ」

「・・・強いんですね」

「強いっていうか・・・まあ会ってみれば分かると思う」

「そういえば」

「ん?」

「王国兵志願のその知り合いの方はルイさんのギルドに加入してくれるんでしょうか?」

「ああ、その点は絶対に大丈夫だ」

「?理由は聞きませんが大丈夫なら安心です」

「で、その最下層に行く方法なんだが」


そう言うとルイはリンの耳元へコソコソと話し始めた。


「え!そ、そんな事して大丈夫なんですか!?」

「分からん」

「は、破天荒ですね」

「うん、俺こう見えてなかなかの破天荒なんだ」






リンはルイの案を承諾した。

そして二人は馬を岩に括りつけておき、門の方へと歩み寄っていくのだった。










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