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女の力


リンside




ファイトネスの闘技場の近くにはとても大きなフードコートがある。

ここは闘技場で試合をした者が体力をつける為に、または観光客の食べ歩きスポットとしても人気のある場所として利用されている。

闘技場観戦の観光客もいるが、美味しい食べ物巡りとしてこの都市に訪れる者も多いのだ。

そんなフードコートの端の店で小さい声で売りっこをしている少女がいる。


「ぃ、いらっしゃいませ~。・・・と、当店自慢のキノコ餃子はいかがですか~・・・(はぅ~・・誰も来ない~助けてルイさん・・・)」


リンが涙を流しながら売りっこをしていた。




-----遡ること1時間前-----





「マスターさん」

「リンちゃん、昨日ぶりだね」


マスターが大人の余裕のある微笑みで返した。

リンはまたあの酒場に顔を出していた。


「相談があるんです」

「何だい?」

「売りっこのバイトをしたいんですけど、どこに行けば良いですか?」

「売りっこ?・・・ああ昨日のはそういう事だったのか。ルイ君はどこに?」

「ルイさんは多分魔物狩りに行ったんだと思います、宿に帰ってこなかったので。だから相談相手が居なくてココに来ました」

「なるほど、売りっこねぇ・・・。あそこなんてどうだろうか、人通りもそこまで多くないし恥ずかしがり屋のリンちゃんに多分ピッタリだ」

「どこですか!?」




リンはマスターから聞いた道をたよりにその店へと訪れた。


(ここかあ・・・)


店には大きく「メラメラ香辛こうしん」と看板があった。


「(よし、頑張るぞ!)あ、あの~!?」


リンは勇気を振り絞って店内へと入った。


-----1時間後-----




「ぃ、いらっしゃいませ~・・・(まさか売りっこじゃなくて看板娘やらされるなんて・・・)」


この状況である。




「もっとお腹から声をだすネ!!!」


中から50過ぎぐらいのおばさんが出てきた。メラメラ香辛の店長だ。


「は、はい!ぃ、いらっしゃいませ~」

「・・・こりゃダメネ」


店長がやれやれといったポーズをとる。


「こうなったら女の力、使うヨ!」

「え?」

「こっちクル!!」

「え!は、はい!」


リンは店長に店の奥へと連れて行かれた。


数分後・・・


「よし、これでいくネ!お似合いネ!!」

「な、なんですかこれー!」


リンははるか遠くの別大陸の民族衣装であるドレスに着替えさせられていた。


「チャイナドレスって言うネ!」

「ド、ドレスは良いんですけど、この頭のは!?」


リンの頭にはピョコンと猫耳がついていた。


「これは恥ずかしいです!」

「似合うネ!商売繁盛ネ!いくネ!!語尾にニャアを忘れるなヨ!」

「い、いやー!入れてください店長さん!」


強引に店の外へと追いやられたリンは、大量の涙を流しながら店のドアを叩いている。


(ひえ~・・どうしよう)


リンがふと後ろをゆっくりと振り返ってみると・・・

数十人の大きな男達から注目を浴びていた。


(す、凄い人の数・・・もうこうなったら腹をくくるしかない・・・!これぐらい乗り切れなくてこれからどうするんだ!頑張れ私!)


リンは両手を耳の横にあてた。






「ぃ、いらっしゃいませ・・・にゃぁ」






・・・場がシーンと静まり返る。

リンの顔は真っ赤っかだ。



(や、やっちゃった~~~~・・・)



しかし数秒後物凄い勢いで男達が駆け寄ってきた。


「か、可愛い!!」

「やべー!!!!萌えーーーーー!!!!」

「天使だ天使様のご降臨だーーー!!!」


「にゃ、にゃあ?」


数十分後にはファイトネス全域に噂が広まり、それを聞いた男達で店の客が溢れかえってしまったのは言うまでもない。




(わ、私、役立ってる!?これならいけそう!!)





リンside END




----------------------------------------------------------------------------------


・・・一週間後





夜の宿にルイとリンは久しぶりに再会した。


「・・・よおリン」

「・・・こんばんわルイさん」


互いが互いの様子を伺いながら会話をする。


「お金・・・稼げたのか?」

「まあ・・・そこそこです」

「そうか・・・だが、申し訳ない」


ルイがどでかい袋をテーブルの上へドーン!と置いた。

中には大量の硬貨が入っている。


「・・・!」

「はっはー!今回は俺の勝ちだーー!すまないなーー!これは流石に勝負にならなかったか!」


ルイは勝ちを確信し大きく甲高く笑う。

だがリンは


「・・・ふふ」

「はっはっは・・・ん?」

「・・ふふふ」

「・・んん?」

「ふふふふふ!ルイさん後ろを振り返ってください!!」

「・・・え?」



ルイが後ろを振り返るとリンの3倍程の大きさの袋が置いてあった。


「ま、まさか!?」

「そのまさかです!私の勝ちですルイさん!!」

「う、嘘だぁーーー!どうやってそんなに稼いだんだ!!?」


リンは手を腰の後ろに組んで座っているルイの耳元で、


「女の力です」


と囁いた。


「バ、バカな・・・」

「ルイさん!約束守って貰いますからね!」

「くっ・・・何だ!俺は何をすれば良い!?」

「・・・また今度にします!」

「ひ、卑怯な!・・・しばらくはリンの奴隷だ・・・」

「ふふふ!嬉しいです!」




こうしてルイとリンは大量のお金を手に入れるのだった。


明日、二人はファイトネスを出発する。







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