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リン、頑張ります



「ふぁあああ~」

「ん~・・・」


ルイとリンの目が覚めた。二人とも上半身を起こし、目をこする。

朝の陽ざしが森を明るく照らす。

二人が起きた頃には太陽はしっかり上まで昇っていた。


「おはよ、リン」

「ん~・・おはよ~」

「(・・・ん?)良く寝たな」

「うん・・・まだ眠たい」

「(おお?これは)早く起きないとコチョコチョしちゃうぞ~」

「やだよ~・・・コチョコチョしないでよ~」


リンはまだ半分目を閉じたままで完全に寝ぼけている。


「(か、可愛いぞ・・ちょっと遊ぶか)ほらリン、蝶々が飛んでるぞ~」

「ちょうちょどこ~?ふわふわ~」

「(何だこの愛らしい小動物は!)妖精達も一緒に踊ってるぞ~」

「妖精さ~ん、お元気ですか~?」


リンは上の方をむいて左右に揺れている。


「(はい天使。でもそろそろ・・・)そろそろホントに起きないとダメだぞ~」

「う~ん・・・」


リンはなかなかシャキッとしない。


「(こうなったら)リン、ハミガキの時間だぞ~。はいこれハブラシ。(さすがにこれは気付くだろう)」


ルイは自分の人差し指を立てリンの顔に近づけた。


「ハミガキ~」


リンは何の疑いもなくルイの指をパクッとくわえてしまった。


「ん~~ん~~~」

「ちょっ!リン!流石にそれはマズイ!!」

「ふぁい?」



リンは指を加えたままルイを数秒見つめる。

そしてみるみる内に顔が下の方から徐々に真っ赤になっていき





「・・・。・・・・・・・!!!!ひやああああああ!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」

「はっはっは!リン寝ぼけすぎ!」

「何で私ルイさんの指を口に!?妖精さんとハミガキしてたはず・・・」

「どこにも妖精さんいないから!現実に早く帰ってきなさい」

「・・・ぜ、全部夢だったんですね(私なんてことしちゃったんだろ・・・!もうお嫁にいけない・・)、あああああ!指汚しちゃってごめんなさい」


リンの身体から薄緑の光が溢れ出す。


「回復魔法!?何やってんの!いいからいいから!大丈夫だから!」


ルイはリンの両手を掴んで魔法を静止させる。


「うぅ~本当にごめんなさい」

「全然いいから。ほらそろそろ行こう」

「はい」


ようやく出発する事ができそうだ。

出発する前にルイが前衛、リンが後衛としっかり配置分担を決めた。

互いに役割を守って行動をする事でスムーズに魔物を倒していき、そのまま順調に森を突破していった。



「私いなくてもルイさん全然余裕ですね」

「そんな事も無いかもよ?油断すると危ないっていうし。もし俺が傷負ったときはちゃんと治療してな?」

「もちろんです」


それから1時間程で森を完全に抜ける事ができた。


「お疲れさん!」

「お疲れ様です。やっぱり普段運動とかしてない分応えますね」

「旅してりゃすぐ慣れるさ。さてどうやって都市まで戻ろうか」

「ルイさん、私歩いて行きたいです」

「本気か?かなり距離あるよ?」

「はやく旅に慣れたいんです。今のままだとすぐに足を引っ張ることになりそうで」

「そんなの気にしなくていいんだけど」

「お願いします」

「・・・分かった!よーし気合い入れてくか!日が落ちる前にファイトネス到着を目指そう」

「頑張ります!」


二人は徒歩でファイトネスに戻る事になった。

帰る途中は得に魔物と出会う事もなく、ひたすら体力との闘いになった。

休憩をはさみながら帰ってはいたもののやはりリンの体力が底をつき始めてきた。

それに気付いたルイはひょいっと背中にリンを背負った。


「ナイスファイトだリン」

「ごめんなさい・・・」

「違う違う、別に迷惑とか思ってないから。こういう時は、ありがとう、だ」

「・・・ありがとうございます!」

「いいえ」



体力の有り余っていたルイはそこから物凄いスピードで走りぬき、あっという間にファイトネスへ戻る事ができた。

空はまだ明るい。



「着いたぞリン。ここが闘技都市ファイトネスだ」

「わあ!ここが都市!おっきい!」

「そっか、はじめて見るもんな」

「はい!・・・ルイさん!」

「ん?」

「私・・・ワクワクします!」

「そっか!俺がこれから色んなとこに連れてってやるよ」

「よろしくお願いします!」

「よし、ひとまず俺が昨日まで使ってた宿まで行こう。次どうするか考えるのは明日からだ」

「はい!」





宿へ入った二人は部屋割りで揉め始めたが、ルイの押しに負けたリンはルイと同じ部屋で寝る事になった。



(男の人と同じ部屋で寝るなんて良いのかな?・・・もしかして夜中にルイさんに襲われたりとかするんじゃ・・・って何考えてるんだろ私!)




疲れていた二人はリンが考えてたような事など何も起きず、すぐ寝てしまうのだった。




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