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不死身の魔将

魔将としての本領発揮!!

王は助かるのかっ、こうご期待。

「さあ、俺をもてなしてくれよ王様」


体内の矢を溶かしきり、3m程身体を大きくさせたところで騎士は慌てて弓を構え魔法を発動させた。


すると、何もない空間から小さな魔法陣がいくつも現れ、騎士が弓を引くのと同時に何千と言う矢が雨の様に降ってくる。


「学習しろよ、お前の矢が効かねえのはさっきので分かっただろ」


いくら矢が俺の身体に突き刺さろうと、俺が死ぬことは無い。これでも前世は不死身だのなんだのと言われてたしな。


騎士は自分の矢が効いていないと知るとひどく狼狽し、腰に携帯していた剣を構え飛び掛かって来た。

こちらがスライムであることを忘れているのか、まるで相手の死角に入り込むような動きをする。だが生憎こちらはコアが無ければ目も無い単細胞生物だ、死角などあるわけがない。


「クソッ、一体どこにあるんだっ」


···これだから人間は。


「人の身体の周りをぐるぐると回って探し物か?いくらお前が目を凝らそうとコアは見つからないぞ」


さっきも言った通りコアなんて俺には無い。


俺は小蝿のように動き回る騎士の隙を突いてその身体を丸飲みした。

最初は勢い良く剣を振り回していたが段々と動きが鈍り、次第に首を押さえ、「助けて、助けて」としか言わなくなった。そして最後には痙攣を起こすだけとなり、その鼓動を止めた。


このままこいつと遊んでても良かったが、さすがに国の真ん中で暴れ回って滅ぼすのは骨が折れる。


「火炎魔導隊、放てぇっ!」


雨のような矢の次は、壁の様に迫ってくる業火だった。

全身が何百度かもわからない炎に包まれ、細胞が死滅していく。


炎の隙間から放たれた方を見ると、十数人の男達が一斉に杖を構えてこちらを狙っていて、横にはさっきまで腰を抜かしていたクズ王の姿もある。


あのやろう、余計なことしやがって。

コアの無い俺には確かに炎は有効だ。鉄や木の棒なら問題無いが、炎は正直言ってキツい。


「アーッハッハ。どうじゃ、我が国が誇る火炎魔導隊の炎は」


炎と言う奴は熱い上に固形物では無い。


「たとえ貴様がどんなに強かろうと、個の力は集団の力の前には無力よ」


なにより、ものすごく不味い。


俺は出来るだけ味を感じ無いように、一気に飲み込んだ。


「アーッハッハ、アーッ···あれ?」


全く、火なんて物を生み出した奴は一回滅べばいいと思う。


「···炎を、食った···だと」


···?なんだあいつら、急にざわつきやがって。だがまあ、退散する分にはいいか。


すっかり大きくなり動きにくくなってしまった身体から必要無い分を分離させる。人の姿に似ているが腕が翼になっていたかつての同胞を真似てみた。

余分な分は、1時間後に爆発するようにプログラムして暴れさせる。爆発と言っても、飛び散ったスライムが辺りの壁やら人やらに撒き散らされるだけのしろものだが、混乱を起こすぐらいにはなるだろう。


「なな何をしておるっ、誰か早く奴を倒せっ!」


クズ王は怒鳴るだけで何もしない。そんな主君についてしまった兵達に同情し、主君がいる事を羨んだ。


このどうしようも無い気持ちはもう一生治ることは無いのだと分かってはいるが、抑えようもなく。

俺はありったけの魔法で玉座を吹き飛ばし、城に大穴を空けてやった。


「わっ···わしの玉座があぁぁぁっ!!」

「···丁度良く飛ぶ為の道も出来たし、行くか」


嘆くクズ王は無視して、大空へ飛び立つ。空から見ると人の国も案外大きな物だ。

首都を取り囲む隔壁越えたところで、首にナイフを当てられたような悪寒が身体を貫いた。


俺は反射的に身体を右に反らした。するとさっきまで頭あった場所、左腕の付け根から先が何かに切り取られた。


翼を失い重力によって落ちながら俺が見たのは、人の倍はありそうな大剣が一直線に空を翔る姿だった。


「この世界の人間は、あんなことも出来んのかよ···」

さて、雷は空から落ちても死なないのか心配になってきました。

次回も見てください、ついでにポイントください。

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