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猫の目

作者: keisei1

猫が路上で泥酔している

目は酩酊し 行き場を失った衛星のようだ

これ以上残酷な目には遭わせたくないし 遭いたくもないが

それは避けられないようだ


メッセージは途絶え 言葉が枯れていく路傍で

火だるまになった群衆が嘔吐を繰り返している


真夏の過ぎた楽園で 赤い十字架が

今日も僕らを突き刺し 八つ裂きにしようとしている


猫の目は流浪するばかり 

僕らは光の向こうに手を伸ばし

コップの底に消えた希望を探しあぐねる


焼けつく太陽にも似た希望を


猫の目は斜めに傾き 前を見据える

その先にあるのは延々と続く日常と

コップ一杯の水 その安らぎだけだ


猫の目は酩酊している

猫は酔いしれて ただ裸眼を動かすだけ


渇いた感情は 命を求めて転がり落ち そして砕け散る

猫の目は未来を見据えて 耽溺するばかり


情もなく 慈悲もなく 救いもなく ただ

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