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第二章 g


閃助が昼食を摂り、午後の授業を受けている最中、城内が慌ただしくなっていた。

黒く輝く外殻を纏う翼、凶悪を形にしたような足先は龍その物、肉を削ぎ切り裂く為の形をした両手、何よりもすべてを見通すかのような眼光の青い瞳を備えた龍と言わざる負えない顔。

かつて獅子王と死闘を繰り広げた唯一無二の雄、四代目光龍、ジーク・ブルーム。

「久しいな獅子王」

腕を組み立つ姿はほかに追随を許さない強者としての風格を持ち、思わず膝を突きそうになるほど。

しかし、獅子王は気さくに歩みよる。

「どうした、珍しいじゃないか光龍、三年ぶりか」

「なに、そろそろ俺の娘も良い年頃だ、少しばかりどこかに身を寄せて落ち着かせようかと思ってな」

不敵に微笑む光龍、獅子王は呆れた表情をしていた。

「相変わらずお前は子煩悩だな」

「そう言う貴様も養子をとったらしいな」

バツの悪そうな顔で目を背ける獅子王。

「うむ……、耳が早いな」

「はっはっはっ、相も変わらずだな、俺は貴様のそういう所が好きなのだ」

笑いながら獅子王を肘で小突く光龍にへそを曲げたような顔の獅子王。

「お前くらいだ、私をからかおうなんて者は」

「で、その養子は何処へ?」

「ああ、閃助なら今学院だ」

組んでいた腕を解き顎を撫でる光龍。

「ほぅ、奇遇だな、俺の娘もちょうど学院に向かっている頃だろう」

「うむ、ならば共に戻ってくるかもしれんな、よし、ならば今夜は豪華な食事にするとしよう」

獅子王がそう言うと何処からともなく側近が現れ、光龍も賛成する。

「おお、いいな。ならば貴様がこの間狩ったと言うウォールドラゴンの首のつけ根の肉は残っていないか?」

ニヤリと獅子王は笑い、光龍の背を叩く。

「そう言うと思ってまだ残しておるよ、文字通り山ほど残っておるぞ」

光龍は青い瞳を輝かせて腕を組む。

「おお、そうかそうか、それは楽しみだ」

二人は歩き出し、談話室へと向かって行く。

「色々と土産話もあるぞ、あれは去年の中頃だったか」

楽しそうに話す光龍に獅子王は耳を傾け、数少ない対等に渡り合える友との時間を楽しんでいた。


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