英雄の力
ミランダにゴブリンの群れの中に入れられてから1日は経ってるはずだがこの数相手だとエリカも苦戦を強いられ、じりじりと体力を減らされていった。
「このままだと俺らがやられる。」
その時エリカがゴブリン達に囲まれ一斉攻撃を受け、エリカは吹き飛ばされてしまった。そして追い討ちかける様にゴブリン達はエリカにとびかかろうとした時
俺はこのままじゃエリカがやられると思い俺は願った。エリカをたすけられる力が欲しいと。
その瞬間あのエリカを初めて助けた時みたいに身体が勝手に動き右手が宙を切った。
右手が宙を切った瞬間、斬撃がゴブリンに飛び一体どころかその直線上にいた10体くらいを一気に倒すことができた。
その攻撃に怯えたゴブリン達は俺から逃げようとしたが、俺は右手をさっきの様に振りゴブリン達を倒すことができた。
俺はあっけにとられていたエリカの元に駆け寄り、
「大丈夫か?」
と声をかけた。
「あれどうやったんですか?」
「山賊を倒した時みたいに身体が勝手に動いて右手が宙を切るのと同時に斬撃が飛んだから俺もあれをどうやってやったかは分かんないんだ。」
「その力も異世界からやって来たものの力なんでしょうか。」
その時、俺たちのそばにいきなりドアが出現しその中からミランダが姿を見せた。
「流石だな。あの魔法を力で習得するとは。」
「なんでいきなり、こんな魔術の群れの中に入れたんですか?」
「そうですよ。こっちは死にそうになったんですよ」
「すまない。君たちの力を見て見たかったんだ。
だが、よくあの魔術を身につけられたな。」
「あの魔法がなんなのか知ってるんですか?」
エリカはあの魔法の正体をすぐ知りたいらしい。
「ああ、分かってる。ちゃんと教えよう。だが、その前にこんなところで立ち話をするより座って話そう。」
そう言ってミランダはドアに入って行った。俺たちもその後に続きドアに入った。
「ドアは閉めてくれ。開けたままだと何ものかが入ってくるかもしれないからな。」
言われた通りにドアを閉め、初め入った客間のソファに座った。
「まだ名を聞いていなかったな。」
「俺の名は伊達顕生。そしてこっちは」
「エリカです。顕生様の奴隷です。」
「じゃあまず、あの魔法の説明だが、あの魔術の名は『エアカッター』風の中位魔法だ。」
「中位魔法⁉︎」
エリカが驚き声を上げた。
「何だ。その中位魔法って?」
「中位魔法っていうのは普通の魔導師が何年もかけてやっとできる様になる威力が結構ある魔法です。」
「その通り。顕生に聞きたいんだが今まで魔法の修行をしたことはあるか?」
「ありません。今まで一回も。」
やはりかと小さくミランダはつぶやき言った。
「でも、君はすぐにあの魔法を習得した。それは君に英雄の力が眠っているからだ。」
「英雄の力?」
「ああ、それはその力を持っているものにしかできない魔法を使うことができたり、普通の魔法を習得する時間を圧倒的に短くすることができるんだ。」
「その力があれば俺は強くなれるんですか?」
「なれる。」
「お願いします。俺を強くしてください。」
「いいだろう。ただし、条件がある敬語はやめてくれ。堅苦しいのは嫌いなんだ。」
「分かったよ。ミランダさん」
「そのさん付けもだ。」
「分かったよ。ミランダ。」
「うむ。じゃあ明日から修行を初めるからもう寝ろ。」
そういい、ミランダは俺たちの寝床を用意してくれた。
そして俺はベッドの上で明日からの特訓を考えていたらうとうとしていつの間にか眠ってしまっていた。