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四十八時限目「老いざる者の敗北、黒い異物の暴虐について」

そろそろ『毎日毎日エロゲばっかやりやがってお前小説書きとしての自覚あんのかよ』って読者様方から怒られそうなので更新します。

案外あっさりしてて短いけど結構濃厚な回……の、つもり。

「ピーター・ハイパー……アルティメット、ギガ、ビィィィィィム!」

「武装解放コード・反射盾リフレクトシールド、入力――展開エクスペンション

「なっ、何ぃ!?

 どうして無理なん――ぐあああああっ!」


 やあ読者諸君、お久しぶり。

 本作『常木先生は変態の癖に有能で妙にいい人なので何か面倒です』の主人公、後天性夢魔系猫獣人僕っ娘爆乳女教師の常木譲だ(……我ながら属性盛り過ぎて無駄に長くて何かもうわけのわからないことになってていっそ気持ち悪いな)。

 最近は更新が滞り過ぎていてすまないね。蠱毒のアホも色々大変なんだ。

 まあ大体自分の撒いた種に養分吸われてギイギイ言ってるだけであってほんとバカタレの極みというべき惨状なんだが……どうでもいいことをダラダラ話すのもどうかと思うしさっさと話を進めるとしよう。


 さて、あれから単身ヘルズスパイラルに乗り込んだ僕は、ピーター・ドリスコール操る巨大ロボットと空中戦を繰り広げていた。

 空中戦と言ったってそんなに大したものじゃない。いやこれは本当に。

 そりゃ確かに、バカでかい誘導弾ミサイルや変な色の光線ビームが飛び交い派手な爆発なんかが起こったりもしているから、傍目から見る分には壮絶な戦いに見えるだろう。

 だが実際の所、飛び交う誘導弾や光線はほぼ全て奴が撃ったものだし、派手に爆発しているのも奴の艦艇ロボだった。


「要するにね、自滅してるんだよあいつ。真正面から撃った弾を跳ね返したら、何を血迷ったか真正面から受けに行っちゃ派手に吹っ飛んでんだもん。わけわかんないよねぇ」


 まあ、予想していたより遙かに期待外れ、拍子抜けと言えばそうだが、こちらが安全であるに越したことはない。尚も攻撃を放ち、反射されるそれを受けどんどんボロボロになっていく艦艇ロボ。

 中のドリスコールはああだこうだと何やら喚き散らしているようだったが、わざわざ耳を傾けるまでもないような事しか言っていないだろうからどうでもいい。


「何かしら変な動きを見せて来たら、その都度状況に合わせて対処するだけだ。

 と言って、そもそもあの状態であと何分持つかという問題が出てくるわけだが――」

『――ぁぁぁああああああぁぁぁぁ――』

「ん? ああー……」

 悲鳴を耳にし思わず目をやれば、破壊された艦艇ロボが空中で崩壊していく様子が目に入る。

 あれでは恐らく中身ドリスコールもまず助からないだろう。


「……言ってる間に終わってしまった……まあ下手に手間がかからないのはいいんだが、然しその……何と言うか……ホークス君から仇討ちの権利を奪ってしまったのは失敗だったな」

彼女がその程度の事で不平不満を言う様なタイプでないことは勿論理解している。だがどうにも罪悪感のようなものを抱いてしまうのが人情というものだろう。


(とは言え、これで敵の戦力を大幅に削ぐことができた筈だ。あとは地上のサポートに回ればいいかな……)

 この時僕は、まさかこの後あんなことが起こるなんて夢にも思っちゃいなかった。




(勘弁してくれ)

 私、ジェニファー・ホークスの心中を一言で表すなら、恐らくほぼその一言に尽きただろう。


 何故なら――



「VrrrrrrrrrrraaaaaaaaAAAAAAAAHHH!!

 GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!

 gyyyyyYYYYYYyyygrrrraaaaAAAA!!」


 世にも恐ろしい濁音の塊を吐き散らす、どす黒い"怪物"。

 次々と"破壊"されていく、ネバーランド配下の化け物たち。

 即ちそれは、黒と黒の繰り広げる壮絶な"激闘"。

 否、最早それは既に"戦闘"ですらないように見えた。

 ならば何か? 答えは一つ。


 虐殺、だ。


「そう。虐殺。虐殺なのだ。それ以外に言い表しようがない」

 独白で済ませるつもりが思わず直接口に出てしまった……が、最早それすらどうでもいい。

「まあ、厳密な定義としては違うのかもしれない。

 しれない、が、見た所の印象は取り敢えず虐殺だ。

 ならもう虐殺と言っていい筈だ。そうだろう、内田?」

『あー、はい。ええ、まあその、そうですね。

 僕もね、確かにそう思いますよ。あれは虐殺です、間違いなく。

 しかもですよジェニファーさん、あの怪物って……』

「ああ、そうとも。間違いない。


 あれこそは……否、"彼"こそは――清木場創太郎先生その人に他ならん。

 それは紛れもなく揺らぎようもない唯一無二の事実だ。

 まあ、何故あんなことになってしまったのだか、その詳細はまるでわからんがな……」


 ただ『詳細はわからない』というだけで、経緯を説明することならできる。


 事の発端は少し前。

 その時の私は、清木場先生や内田たちと力を合わせ無限に湧き続ける黒い化け物どもと戦い続けていた。


 高い気温と湿度……

 照り付ける日差し……

 熱を帯び光を反射する地面……

 絶えず襲い来る化け物ども……


 上がり続ける体温、吹き出る汗が水分と塩分を奪い、日差しや土埃に瞼を開くのも嫌になる。

 屋外で身体を動かし続けるには余りにも不適切な環境だった。

 まして無限に湧き続ける正体不明の化け物を相手に長時間安定した状態で戦い続けるなどということが、どうしてできるだろう。

 無論、日陰で休憩を取ったり、水分や塩分を補給するといったことができればさほど過酷でもなかっただろう。

 だが無数の敵が迫り来る中、そんな余裕などありはしない。



 その時、私達は――少なくとも私は――確実に追い詰められつつあった。

 一歩間違えば倒れた隙に敵襲を受け死んでいただろう。

 もし敵襲がなくとも熱中症で死ぬ可能性だって十分にあった。

 そうならずに済んだのは、ひとえに内田たちが影で支えてくれたからこそだ。

 無論他にも要因はあるが、結果的に考えて最も大きかったのは彼女たちの支えに他ならない。


(そう。私はそれで助かったんだ。だが他のお二人――特に私と同じような状態で孤軍奮闘せざるを得なかった清木場先生は、恐らく相当追い詰められておられたに違いないのだ)


 そして、それを実証するかのようにその瞬間は訪れた。


 戦いで疲弊した清木場先生が突如黒い触手か粘体のようなものに覆われたかと思うと、彼は世にも恐ろしい黒い怪物に変貌していたのである。

 変貌した彼の姿は殆ど原型をとどめておらず、二足歩行をする爬虫類のような輪郭だけが辛うじて見て取れる程度であった。

 それ以外は何も、彼を思い起こさせる部位など見当たらない。

 どこもかしこも、到底この世に実在するとは思い難く、然し絵空事とも言い切れない妙な現実味のある何らかの器官で構成されていた。


 外見がそんなだからだろう、声や挙動といった内面も清木場先生とはかけ離れていた。

 とは言えすぐにそう確信したわけではない。寧ろ最初の内は『外見はああでも中身は元の彼のままで、あの風貌も彼の変身能力の一環なのではないか』などと思いもした。


(――というよりは、そうであってほしいと"願った")


 だが当然乍らそれは単なる希望的観測に過ぎず、彼は中身までも全くの別物と化していた。

 狂ったような声、最早生き物の声とも思えぬ雑音ノイズを響かせ、手当たり次第に破壊活動を繰り返す。

 ただ一応、闇雲に暴れ回っているというわけではないというのがせめてもの救いだった。


 怪物と化した彼が狙う標的はただ一種、件の黒い化け物ども。

 彼を成す全ては、連中を補足・攻撃・破壊するという行為のみを目的として動き続ける。

 ある程度の余波が周囲に及びこそすれ、無関係なものを必要以上に巻き込むなどということは決してない。


(――ならば、ならばと、ふと思う。

 あのような変わり果てた姿であろうとも、先生はまだ正気を保っておられるのではないかと、

 そんなことを思ってしまう)

 だが結局それは単なる希望的観測、状況の楽観視に過ぎないだろう。

 暴走の余波がこちらに及ぶのも時間の問題だ。何とかこの場から逃げ出さねば、などと思った刹那。


『――ぁぁぁああああああぁぁぁぁ――』

(あの声……まさか)


 響く爆音。崩壊していくドリスコールの起動兵器。

 即ち、上空での戦いを常木先生が制していたのだった。

 そして時を同じくして、黒い化け物どもは動きを止め、消滅していく。

 どういった絡繰りなのかは分からなかったが、ともあれこれで危機は去ったかと私は安堵した。

 だがその実、危機は未だ去っておらず……


(勘弁してくれ……)




(さて、そんなわけで地上へ降り立ってみたわけだが……)

 僕、常木譲はピーター・ドリスコールとの戦いを制し、地上へ戻ってきた。

 見れば件の黒い化け物どもはすっかり消え失せていた。

(地上を任せた清木場君とホークス君が上手くやってくれたか、或いはドリスコールの艦艇が潰れたことと関係があるのか……まあどちらにせよ事態が収束したのはいいことだ。


 そう、いいこと……の、筈なんだが)


 見ればどうにも、問題はまだ残っているらしかった。



「おいおい……何だってんだよ、あれは」


 眼前で注視すべきものは主に二つ。

 その内で近寄りやすいのは、絶望しきった表情で呆然と立ち尽くすホークス君だろう。

 というわけで彼女に歩み寄り事情を聴くことにする。


「やあホークス君」

「はっ、常木先生っ。ご無事でしたか」

「ああ、まあね。ドリスコールは口ばかり達者なだけの道化だったから。

 そっちはどうだい? というか創太郎君はどこに? あとあそこのアレは一体何だ?」

「はい、その、何というか……例の怪物と戦っている最中、清木場先生が突然あの姿になってしまいまして……それでつい先ほどまで例の怪物相手に大暴れしていた所です」

「なるほど。今は怪物が姿を消したので大人しくなっている、というわけか……」

 ああ、なんてことだ。まさかあの化け物が創太郎君だなんて。

(俄かには信じ難いが……昔から何かとミステリアスな男だったし、僕の知らない側面があったって不思議じゃない、か……)

 改めて彼を見る。巨体が闇と混沌に飲み込まれたような姿は正直見るに堪えなくて、すぐにでも何とかしたい衝動に駆られてしまう。

 きっと彼は苦しんでいる。僕が救ってやらなければ。

 同じ大学で学んでいた、あの時のように。


「……時に、ホークス君」

「はい、何でしょう?」

「ちょっとこれから僕、身体張るから、何かしらあった時はまあ、頼むよ?」

「はっ、え? ええ、わかりました」


 だから僕は、行動を起こすことにした。

次回。常木譲、身体を張る(意味深)の巻……エロゲプレイで錬成された蠱毒のスケベソウルが暴発する!




……お前がやってるのそこまでスケベ重視のエロゲでもないだろって?

まあ、そうなんだけどさ……

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