表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喪失者の道中  作者: 法相
三章=交戦=
30/49

幕間

「ハァ……ハァ……ク、ソがぁ……!」

 倉庫から逃げ出し、森の中で近くにある木を全力で殴る。

 今の俺は装甲兵器も何ももたない脆弱な一般人に成り下がった。生きていられるのはあの男、八神朗人が俺の生死確認をしないままお姫様のところに向かったおかげだ。つまり、俺はその程度にしか見られていなかったということだ。

 悔しさがこみ上げる。異端者を逃し、あまつさえしとめきれなかったという現実に。

 最後の最後で、油断した。なぜ俺はあのとき八神朗人に質問をした? それがなければもしかしたら足をこのようにされることもなく、装甲兵器も破壊されることはなかったかもしれない。

「大島……すまん……」

 腕にある大島の頭を抱きしめ、俺はうめく。

 結局、あいつをしとめきれなかった以上は大島の死は無駄になったということである。それがたまらなく悔しくて、情けなくて、思わず叫んだ。

 ちくしょう。ちくしょう。

 異端者を野放しにすることなどあってはならないのに、そのために隊長も殺したというのに。

「絶対に、八神朗人を殺す……」

 最強の悪魔憑き。

 アイツを殺せれば全てがうまくいくはずだ。

「そうと決まれば、あいつらと合流しなければな」

 逃げ出したとはいえ、俺の部下だ。あれで心を折られていなければいいが……そこはどうにかするとしよう。目先の問題はどうやって任務の失敗を報告するかだ。それ相応の理由も用意しなければならないな。

 待っていろ八神朗人。貴様は……俺がコロス。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ