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(22) 議題なき協議会<4> …名探偵?の失言…

※今回は、少し長くなってしまいました。すいません…

・・・


 ジウは内心、ヒヤヒヤしていた。

 本当は、(アスタロト)は別室になど来ていないのに、嘘をついてしまったから。


     ・・・


 今も、自分の中に<アスタロト>は…いる。

 そんな状態で協議会の進行役など出来るわけがない。

 ジュウソやソウジに代役を頼もうとしたのだが、システム側の管理センターに戻っても二人に会うことはできなかった。調査が難航しているために出払っているようだ。

 しかし、「不正なプレイヤー情報の流出」については、ほぼ、その事実が無いコトが明らかになりつつあり、それなら協議会を中止してはどうかとジウは提案したのだが、何故か運営部は協議会の開催を取り止めるという判断をしなかった。


 自分も会社に対して<アスタロト>の件を話していない。

 秘密を隠している負い目もあって、会社の決定に強く異を唱えることは、ジウにはできなかった。


 そして、何も状況に好転の兆しが見られないまま、協議会の日を迎えてしまった。


 自分が進行役を務めるということは、必然的に<アスタロト>も協議会に参加し、内容を知るということだ。…(アスタロト)も、ここにいれば何の問題もないのだが…


・・・


 (アスタロト)は急いでいた。

 協議会の開催場所である中立大平原が、そんなに遠い場所にあるとは思わなかったのだ。


 何ヶ月もデスシムをプレイしているPCと違い、アスタロトの世界はまだまだ狭い。

 根拠もなく、自分の居場所から近い場所が協議会の会場になると思い込んでいたのだ。

 まぁ。自己中な考え方をしてしまうのは人の常。

 特に通常のRPGならば、レベルが低いうちに起こるイベントは、必ずホームタウンに近い場所…と相場は決まっているのだ。

 しかし、幸か不幸か、全プレイヤーの頂点に君臨するTOP19などというものに選ばれてしまったアスタロトは、既に低レベルとはみなされていないことを忘れていた。


 慈雨は、マボとは違い、他人を別の場所へ転移できるような高等な魔法はまだ習得していない。仮に習得していたとしても、一度も行ったことの無い協議会場まで転移することなどできはしないが。

 しかし、直接に会場まで転移することは無理でも、会場があるという中立大平原のエリア内か、その近くのエリアまででも転移できれば良いのだ。

 だから、(アスタロト)たちはマボに頼んで連れて行ってもらおうとしたのだが、先日、慈雨と言い争って気まずい関係となってしまって以降、マボは姿を消していた。


 「今のロトくんなら、自分を転移することぐらい、できるんじゃないのぉ?」


 イシュタ・ルーが期待に満ちた目で(アスタロト)を見つめるが…仮に出来たとして、その魔法を発動した場合に<アスタロト>がどうなるのかの予想がつかない。


・・・


 <アスタロト>とジウの共存状態を生み出しているのは、(アスタロト)の3重起動された深層心理に3重展開された瞑想魔法だ。

 だから、(アスタロト)が別の魔法を起動するわけにはいかないのだ。

 魔法レベルの低い(アスタロト)にとって、今の状態ですら奇跡的な技であるといわざるを得ないのに、その上に別の魔法を起動するなど、それがどんな軽易な魔法であってもできるわけがない。

 新たに発動しようとした魔法を失敗するだけでなく、今、起動中の3重展開された瞑想魔法もキャンセルされてしまうに違いない。

 それが何を意味するのか。

 その時、<アスタロト>の存在がどうなるのか…それは分からない。


 だから、(アスタロト)は走った。

 「はじまりの町」を出た時は、ランドヴィークルという陸上用の移動重機…後輪が超デカイタイプの3輪バイクのような乗り物…に乗っていた。

 しかし、途中、大きな河を越え、海を渡らなければならないところがあり、仕方なく慈雨の飛行魔法で何とかそこをクリアし、対岸についてからは、自分の脚でひた走った。

 残念ながら慈雨の飛行魔法では、それほど長距離は飛べなかったのだ。


 慈雨とイシュタ・ルーは途中のタウンで、別の移動手段を探してみる…といって別行動することになった。良い乗り物が見つかれば、先行する(アスタロト)を拾って、会場に向かうのだ。

 しかし、それが間に合わない場合もある。

 だから、(アスタロト)は万が一の場合を考えて、必死に走り続けたのだった。


・・・


 その必死に走っている最中。

 (アスタロト)には、ジウの中の<アスタロト>から会場内の情報が送られていた。


 互いが存在するメカニズム?的なものがおおよそ判明して以降、<アスタロト>と(アスタロト)の情報共有力は徐々に強度を増してきている。

 最初は、体の感覚の一部だけだったものが、しだいに互いの感情を読み取れるようになり、今は、既に互いが見聞きした情報を、自分が直接得たモノと同様に認識できるまでになってきている。


 だから、本来、会場に到着していない(アスタロト)は、知ることのできないハズの特設会議室内で繰り広げられている様々な出来事を、知ってしまっているのだ。


 左端とフーが、ジウに向ける殺意も。

 ブブの誕生日も。…そして、何故か首だけ状態だということも。

 巨大すぎて室内に入れないマックスのことも。

 自分と同等か、それ以上に結界防御モードを使いこなすメフィスのことも。

 ベリアルの人柄も。それにより呼び出されたジュピテルとユノのことも。

 意味不明なクリエイターの乱入も。

 ジウが疑われ、ジュピテルとユノも疑われ、そして自分にも疑いの目が及んだことも。


 不器用な(アスタロト)には、それらを知らない振りをして協議会に参加することなどできないだろう。だから、ジウは別室にアスタロトが控えていると嘘をついた。

 もし、ボロが出ても、別室で特設会議室をモニターで見ていたことにすれば良いから。


・・・

・・・


 そして。


 「…はぁはぁはぁ…す、すいません!…きょ、協議会の場所って、ここで良かったですか?…ち、ち、遅刻して…はぁはぁはぁ…ご、ゴメンなさい!」


 (アスタロト)は扉を開けた。

 自分が、今、どんな表情をしているのか…を、すっかり忘れて…


 全員の視線が(アスタロト)に注がれる。

 皆、不思議そうな顔をして、汗まみれの(アスタロト)を見ている。

 そりゃそうだ。だって、アスタロトは別室にいる…とジウから聞かされていたのだから。

 別室から全速力で走ったとして…汗まみれになるだろうか?…ふつう?


 「どんだけ…遠い別室にいたんだ?…お前」


 もはや、ツッコミ体質があることが間違いないであろう…ヴィアが呟く。

 どちらかというと(アスタロト)の第一声は、今初めて、この会場に到着したかのように聞こえるのだが、ジウがそんな嘘をつく理由が思い浮かばず、誰もその部分にはツッコミを入れられなかった。


 「…別室?…あぁ、そう。別室。…ちょ、超…遠い別室で難儀しました。いくら俺が、恥ずかしがり屋だからって、システム側も気を使いすぎだよねぇ?…はははは」


・・・


 意味不明の(アスタロト)の誤魔化しだが、協議会が始まって以来、驚くような展開が何度も起こっているため、もうその程度のことでは誰も追求しない。


 それよりも…


 それよりも、TOP19たちの視線を釘付けにして離さないのは、(アスタロト)の表情だった。


 【全ての謎は解けた!…という自信に満ちあふれた表情】


 彼の顔に貼り付いているのは、誰が見てもそのように感じる表情だ。


 謎………全ての謎…。


 そう。確かに【謎】だらけなのだ。

 いったい「不審なPC」とは誰なのか?不可能なハズの転移の手段は?

 システム側しか知らないハズの情報をどうして知っていたのか?

 何故、ジウと同じ外見をしていたのか?

 そして…「不審なPC」の目的は…いったい、何なのか?


 でも、この特設会議室に、今辿り着いたばかりの(アスタロト)が、何故、皆が【謎】に頭を悩ましていることを知っているのか?

 奇妙ではあるが、解けたというなら是非その答えを聴こうじゃないかと、皆が注目する。


・・・


 「ほほう~。流石は、数々の驚くべき提案をシステム側にもたらしたアスタロト君だねぇ~。錚々たるTOP19の皆さんが頭を悩ます【謎】を、今、会場に現れたばかりで、もう全て解決できるということなんだね?…素晴らしいねぇ、君は。相変わらず…」


 大人しくしていたハズのクリエイターが再びはしゃぎ出す。


 「さぁ。さぁ。聴かせてくれたまえ。君のその名推理を?…ほら早く!」

 「へっ?………き、聴かせるって何を…?」


 実際のところ…(アスタロト)には、自分が皆からどういう目で見られているのか分かっていない。

 遅刻は確定しているものの、少しでも早く到着しようと、必死にこの会場まで走ってきたのだ。

 ジウの中にいる<アスタロト>から、特設会議室内での出来事の映像や会話については情報として送られてきていた。

 だから、出来事…については理解しているが、その場で一緒にその一部始終を体験したワケではない(アスタロト)には、その場に居続けたTOP19たちの心の動きまでは理解できていない。

 だから、自分が会場内に息を切らせて飛び込んだ時に、全員が「不審なPC」の【謎】について頭を悩ませていたということを、理解できているわけではないのだ。


 自分に向けられた疑いの目が、マコトとシンジュ、そしてネフィリムや鬼丸、さらにはヴィアの言葉によって解消した。…それで、ほっと胸を撫で下ろしていたところなのだ。


・・・


 謎って何?…今、どういう話になってるわけ?

 (アスタロト)としては、そういうつもりで聴いたのだが…


 「おぉ。スマン、スマン。私としたことが慌ててしまったよ。そりゃぁそうだ。【謎】が多すぎて、何から聴かせるか…さすがのアスタロト君も迷うだろうな。そうだな、では、私が質問するから、それについて順番に君の推理を聴かせてれたまえ」


 わざとなのか…それとも本当に勘違いしているのか、クリエイターは(アスタロト)が、数多ある謎のうち、どの部分から謎解きしようか迷っているのだと判断したらしい。


 「では、そうだな。マズ…『不審なPC』の正体…を聴くべきなんだろうが、それは、もったいないから最後の楽しみに取っておこう。その目的についても、後半にしようかな…となると、最初に聴くのは…そうだ!…『不審なPC』が、うちのジウと同じ見た目だったカラクリについて…君はどう推理する?…んん?」

 「え?…あぁ…あの偽者君のこと?…あっと…アイツ、後で気づいたんだけど…どうやら、本物のジウよりも少し身長が高いみたいなんだよね?」

 「おぉ…。やはり、君もそれに気づいたのだね?…流石は、アスタロト君だ」


 実際には、(アスタロト)ではなく、マボが気づいたのを教えてもらっただけなのだが…ここで、正直にソレを言ってもややこしくなるだけだ。

 しかし、ベリアルとユノを除く面々は、それに気づくことができなかったワケで、クリエイターの言葉は、自分たちへの皮肉のように聞こえてしまう。

 舌打ちするヴィア。「けっ…」とは白虎。他の者たちも若干、居心地悪そうだ。


・・・


 「…幻影魔法で姿を変える…っていうのは、魔法のレベルが高かったら可能なのかもしれないんだけど…うちのマボさんに言わせると、その場合、よりレベルが上位の相手には、気配だとか魔法の余波とかを察知されて気づかれちゃう…らしいから…」


 魔法の得意らしいユノが、「うんうん、そのとおりだ」…と大きく頷いている。


 「もったいぶらずに、早く教えてくれたまえ。アスタロト君。そんな見るからに【全ての謎は解けた!…という自信に満ちあふれた表情】をしていながら、考えあぐねているような、もったいぶった台詞を言うのは、結構、意地悪なんだな。君は」

 「え?…え?…いや。あ。そうか………。いや。この顔は…そういうコトじゃなく…」


 (アスタロト)は内心で焦った。

 自分でも迷ったのだ。どっちの方がマシなのかと。

 何のコトかというと、<アスタロト>を生み出している3重展開した瞑想魔法。その副作用として現れてしまった…【無表情】のコトだ。

 慈雨との束の間の逃避行。そこから町庁舎へ戻るに当たって、(アスタロト)は自分の【無表情】が慈雨だけでなく、イシュタ・ルーやマボを心配させてしまっている原因であることに思い至る。そして、それを放置しておけず、ある解決策を思い付いたのだ。

 表情とは深層意識が生み出すものだ。だから、表層意識で無理に表情を作っても、ぎこちない不気味なモノにしかならなかった。でも、もし今、深層意識に新たな仕事をさせようとすれば、<アスタロト>の存在を消失させてしまうかもしれないし………。

 考え抜いた(アスタロト)は閃いた。そうだ。自分には、瞑想魔法以上に以前から得意としている技術があるじゃないか!…と。


・・・


 (アスタロト)が誰にも負けないと誇れる技。それは、もちろんエフェクターだ。

 エフェクターの応用力の大きさは、先日のマボとの領土争奪戦でも証明済みだ。

 物理攻撃への効果の付与だけでなく、魔法に対しても効果があった。

 それなら、自分の体の通常の状態に対しても、何らかの効果を付与できるのではないだろうか?

 そう考えて、(アスタロト)は幾つかのエフェクターを組み合わせ、自分の顔の部分に作用させてみた。でも、動きの大きな物理攻撃や防御魔法とは違って、微妙な変化である表情というものは、そんな簡単に思ったような効果を付与できるものではない。


 最初は、超凶悪な顔になってしまい、怯える慈雨を宥め賺すのに苦労した。

 しかし、微調整をしながら頑張っているうちに、途中からは…何というか、福笑いのようなコトになってしまい、逆に危うく慈雨を笑い死なせるところだった。

 涙目になりながら呼吸困難になりかけた慈雨に、ポカポカと背中を叩かれながらも、微調整を続け、何とか「自然な表情」と言える程度の完成度を発揮できたのが、今、使用中の顔用エフェクターだ。


 試作品のため、記憶しておくことができる表情の種類は1種類のみ。

 そして、その記憶させた表情こそが、3日前に慈雨と共に町庁舎へと戻った時の表情…【全ての謎は解けた!…という自信に満ちあふれた表情】なのだ。


 あの時点では、慈雨とジウ、そして偽者のジウについて、その全ての謎を本気で解明できたつもりになっていた(アスタロト)。

 だから、町庁舎へ戻るにあたり、その心理を上手く表せていたこの表情を選んだのだ。


・・・


 (無表情を選択した方が…マシだったかな?)


 (アスタロト)は内心で後悔したが、無表情だったなら、もっとあからさまに不審がられただろう。もう、とにかく適当にクリエイターに話を合わせて乗り切るしかない。そう割り切ることにした。


 「そ、それじゃぁ…そろそろ、見た目についての謎解きをしようかなぁ~?」


 無理矢理にクリエイターの調子に合わせたため、(アスタロト)の声が裏返る。


 顔の表情ばかりか、声の調子も【全ての謎は解けた!…という自信に満ちあふれた声色】だから、事情を知らない…しかもアスタロトに好意を抱いていないTOP19からすれば…【意味不明な程に自信に満ちあふれた…いけ好かない奴】に見えることだろう。


 おおむね、アスタロトよりランキング上位の者は「自分たちを全く怖れることのない」傲慢な者だと評価し、アスタロトより下位のプレイヤーは、アスタロトの意味不明の自信に満ちあふれた様子を強さから来るものだと評価した。

 中でも、アスタロトから高額のウォレットをもらっているカミたちは、「自分たちより強くて、お金持ちで、自信に満ちあふれた…スゴい人」だと誤解し…尊敬してしまう。

 ジーパンとヴィアは、そんな表情や声音の如何によらず、憎々しげな視線を送る。


 そして、その視線の中で、顔を引き攣らせることも「できず」に、(アスタロト)は、取りあえず適当に、今、思いついた謎解きを披露する。


・・・


 「そ、そもそも、ジウに見た目がソックリなPCがいたんじゃないかな?」


 え?…そんなコト?

 余りにも捻りのなさ過ぎる(アスタロト)の推理に、多くのTOP19たちが肩透かしを喰らったような顔をする。

 しかし、確かに…それなら身長の違いがあっても不思議はない。


 だが、悪意をもった「不審なPC」が偶々、ジウと同じ見た目だ…などという都合のいいことが、果たしてあるのだろうか?

 いや、待て。逆に、ジウと同じ見た目だったから…悪さをしようと思いついたという可能性もあるのではないか?

 聴けば非常に単純なカラクリにも思えるが、今までその可能性に気づくこともできなかったTOP19たちは、ザワザワと近くの者同士で議論を交わし合う。


 「なるほど。確かに、双子の兄弟のように似ているPCがいれば…、魔法を使っているわけではないから…見破られる…ということは有り得ない。別に、そもそも、ソックリに化けようとしているワケでもないから、身長の違いも…あるだろう…」


 青龍の重低音の声が響く。彼の重みのある納得の声に、他のTOP19たちも今の答えが、それほど的外れでないことを理解した。

 その時、突然、ブブが素っ頓狂な声を上げる。


 「あ!!!…わかりました。誰に似ているのか!!」


・・・


 壁から生やした首をぎゅいんぎゅいんと…揺らし、嬉しそうにするブブ。

 しかし…。


 「フライ・ブブ・ベルゼ。静かにしていなさい。今は…アスタロトさんの名推理を、皆さん、聴きたがっているのですよ」


 ベラベラとしゃべり出しかねない調子のブブを、ベリアルが穏やかな…それでいて有無を言わさぬ調子でたしなめる。

 ブブの言葉には多少、興味を引く内容が含まれているものの、確かにブブに発言を許せば、また意味不明のことを延々と演説されかねない。

 そんな面倒なコトになる前に、すかさずブブの発言を制してくれたベリアルに、皆は内心で感謝しつつ、ほっとした顔をしている。


 ほぼ全員から「めっ!」…と睨まれて、ブブは視線を泳がせ…黙り込んだ。


 ジウは、今の一連のやり取りに何か引っかかるものを感じたが…それが何なのか、明確に認識することはできなかった。


 「ふむふむふむ…むふふふふふ。いやぁ…。楽しいねぇ。それじゃ、次の【謎】の解説を頼むよ。アスタロト君。次は~…そうだな。それでは次は『不可能なハズの転移を、どのような手を使って行ったのか?』…これについての推理を頼むよ」


 クリエイターが満足そうな、嬉しそうな声で(アスタロト)の推理のその先を促す。


・・・


 そんな難しいこと、分かるわけないじゃん!!


 (アスタロト)の内心の本音はこうだ。

 だけれど、これだけの錚々たるメンバーであるTOP19たちの期待に溢れた視線を浴びせかけられては、今更、後には引けない。

 こんな時、少しお調子者な性格の(アスタロト)は、素直に「分かりません」とは言えず、期待に応えなければいけないと…思いつきを口にしてしまう癖があるのだ。



 「ま、魔法が無理なら…ちょ、超能力なんじゃないかな?」



 一堂、唖然。

 そりゃ、そうだ。デスシムのマニュアルをどれだけ検索しても「超能力」などという項目は出てこないのだから。

 誰もがマニュアルを隅から隅まで熟知しているワケではもちろん無いが、「超能力」などという便利な技があるなら見落とすハズがない。


 コイツ…何言っちゃってんの?…的な空気が特設会議室内に広がる。

 (アスタロト)の表情が必要以上に自信満々の…イっちゃってる表情に見えるだけに、余計にデタラメを言っているような印象になってしまうのだ。

 だいたい、MMORPGの世界において、魔法と超能力の違いをどう定義するというのか?…デスシムにおける魔法の概念は広く、超能力との区別などできるとは思えない。


・・・


 「…もしもし?…私の耳がおかしかったのかな?…今、超能力…とか…聞こえたような気もするが。それとも、もしかして…アスタロト君は、このデスシムのマニュアルを閲覧したことが無いのかな?」


 さすがのクリエイターも、この発言にはガッカリしたような様子を見せた。


 「き、君は馬鹿か?…馬鹿なのか?…め、瞑想魔法のしょ、初歩ぐらい…ま、学んでいるハズだろう?…学んだハズだな?…ならば、瞑想魔法が…超能力と区別がつかないぐらいに無限の可能性を秘めていることを…君でも、理解できるだろう?」


 何故かユノが覆面の下から覗く顔を、真っ赤に染めて怒り出す。彼女はかなり高度な魔法も使いこなすようだが、何か瞑想魔法に特別な思い入れでもあるのだろうか?

 そのあまりの剣幕に「あぅあぅ…」と意味不明の呻きを上げながら、それでも(アスタロト)は、自分の思いつきのアイデアにしがみつく。


 「あぅぅ…わ、分かってるよ。瞑想魔法は、凄いよ。で、でも、その瞑想魔法でも、『不審なPC』がやったような転移は無理だって、みんな思ってるんでしょ?」

 「あぁ。そうだ。瞑想魔法を含め、デスシムの魔法では、強くイメージできない場所への転移はできない。そういう仕様だからな。こんなことは常識だぞ?」

 「な、なら。その魔法仕様を超えることを実現する技が、もしあったとしたら?…それって、超能力…って言えないかな?」


 もう、(アスタロト)の主張は、言葉の遊びにしか聞こえない。皆、呆れている。


・・・


 ほぼ全員からの冷たい視線を受けて、(アスタロト)の頭にカーっと血がのぼる。

 だって、自分たちでは【謎】を解けやしないくせに、人のアイデアを否定するばっかりで…そんなの…そんなの卑怯じゃないか!!…と頭にきたからだ。


 「だってさ、瞑想魔法だって儀式魔法だって万能じゃないでしょ?…俺はまだ使えないけど、うちのマボさんがそう言ってたもん。魔法である以上、必ずMPを消費するし、元気がなくなれば効果も小さくなるし、集中力にも左右されるし…えっと、えっと…それから…あ、確か、どれだけ達人になっても発動までに時間が必要だって…」


 魔法が万能でないことと、超能力が存在することの間には、何の因果関係もない。

 だから(アスタロト)の必死の主張は、正直なところ誰の胸にも響くところは無い。

 だが、諦めの悪いコトがアイデンティティの一つに数えられる(アスタロト)は、ここで、偶然ではあるが核心を突くような鋭い指摘をする。


 「…だ、だけど…。あ。あぁぁぁぁあああ。そうだ、そうだよ。みんなも思ってるハズだよ。ジウたちシステム側の担当者が良くやるアレ。アレってさ、どう考えても『忽然と』っていう表現しか出来ないような、前触れも時間の経過も感じさせない転移じゃんか!…あれって、魔法なの?…ねぇ?…魔法?どうなの?」


 念のため注釈を入れるが、(アスタロト)は<アスタロト>では無い。

 だから、ジウと共に偽者探しの巡回を回ったという記憶を持っていない。…というか、2人がTOP19たちを調査しに回っている段階で、(アスタロト)を(アスタロト)たらしめている深層意識は、まだ生まれていなかったのだ。


・・・


 だから、ジウたちの転移が魔法ではなく、仮想対実時間レートの局所的な引き上げと、システム側のPCにだけ認められた転移コマンドによるものだと(アスタロト)は知らないのだ。


 だから、この突然の発言に慌てたのはジウだった。


 <<あ、アスタロトさん!…ひ、酷いじゃないですか、あれほどナイショにして下さいとお願いしたのに…>>


 思念を通じて、今も体を共有している<アスタロト>に抗議の意思を叩きつける。


 『まままま…待ってよ。誤解だよ。俺、アッチのアイツにだって、そのコトは伝えてないよ…勝手に情報が共有されないように気をつけてたんだから…』

 <<本当ですか?…>>

 『ほ、本当だよ。再ログインのコトも、左端やフーさんとの一件も含めて、絶対に秘密にしなきゃって思ってるから、気をつけてるんだよ。でも、こ、こんなことなら…逆に、ちゃんと説明して、口止めしといた方が良かったかもしれないね…』

 <<・・・>>

 『…本当だよ?』

 <<分かりました…信じましょう。アナタには色々な意味で、何度も救われている私です。今更、アスタロトさんを疑うなんていうのは…不誠実な気がしますしね>>


 ジウは納得したが、システム側の秘密に注目が集まってしまったコトは取り消せない。


・・・


 「…ふむ。言わんとすることは分かるが、あれはシステム側の担当だからこその技…だとは思わんのかね?…まさか、やはり君は、あの『不審なPC』はシステム側の担当者であると言いたいのかな?」

 「そんなコト、言ってないよ。でも、確か聴いたよ?…システム側のPCも、俺たち一般のPCも、その肉体を構成するための描画エンジンは同じだって…」


 マボとの領土争奪戦の終盤のことだ。

 超高熱の劫火【七芒攻炎壁しちぼうこうえんへき】に、あわやその生命まで燃え尽されんとした状態から、まるで炎の繭を破って新たな生を得たかのように復活してきたアスタロトに、ジウは不審を抱き、局所的に仮想対実時間レートを引き上げたうえで、刹那の世界にアスタロトを閉じ込めて観察しようとした。

 しかし、何とアスタロトの加速された知覚の世界にしっかり対応できてしまい、ジウを驚かせた。その時に、ジウは話の流れの上の必要から「システム側のPCも一般PCと同じ描画エンジンにより構成されている」という事実を話して聞かせたことがある。

 (アスタロト)は、それを思い出して持論を展開したのだ。


 「ってことは、その方法を知らない…ってだけで、俺たち一般のPCにだって、システム側の担当者と同じコトが出来る可能性はあるってことでしょ?…あ、そうだよ。確か、オッサン。アンタは俺に『天使にならないか?』って…誘ったコトあったじゃん?…うん。あったよね。…ってことは…俺たちにも可能性があるってコトだよね?」

 「!…あ、(アスタロト)さん!…そ、その話は…ちょっと!!!」


 ジウが慌てて立ち上がって(アスタロト)を制する。


・・・


 (アスタロト)がムキになって口走ってしまった話の後段の部分は、領土争奪戦後に隔離サーバに幽閉された時の話だ。シムネット全体を一時的にダウンさせた一連の事件に繋がる場面での話なので、当然に秘匿すべき事項であるのだ。

 しかも、「天使」というキーワードは、TOP19を含めた一般PCに聞かせて良いようなものではない。

 さらに、今の話は、暗にアスタロトとシステム側が、他のTOP19が知らないような秘密を共有していると暴露しているようなものだ。


 「ジウ…お前は、愚か者だな…」


 とても残念そうな、忌々しそうな声でクリエイターが呟く。

 そして、ジウも内心で自分の大失態を悟った。

 確かに、ベラベラ話されては困る話だった。しかし、事情を知らない者からすれば、今程度の内容ならばまだまだ意味不明で、いくらでも誤魔化しの利くレベルだったのに…。

 それを当のシステム側の担当者であるジウが、必死の形相で、しかも立ち上がってまでして制止してしまった。


 しかも、依然として(アスタロト)の表情は、意味不明なまでに自身満々だ。


 ちょっと想像してみて欲しい。

 目の前の【全ての謎は解けた!…という自信に満ちあふれた表情】をした人物から、やはり自信に満ちあふれた声で力説されたら、どんな突拍子もない話でも「ひょっとしたら、本当かも!?」…と思ってしまうのではないだろうか。


・・・


 ということで、TOP19たちの大半は、今の一連のやり取りを聴いて厳しい表情となった。


 「…おい。どういうことだ?…そんな仕様?…なのか…何なのか知らねぇが…俺たちは、そんなコト聴かされてねぇぞ!?」

 「僕もだ。そりゃ、確かに…システム側の担当者たちの現れ方は、いつも忽然で…気に入らないとは思っていたさ。でも、それはシステム側のPCだけの仕様だって思っていたから…大人しく受け入れていたんだ。なのに…」


 ヴィアが座席から立ち上がって、声を荒げる。それに続き相棒のジーパンもゆっくりと席を立ちながらジウを睨みつける。

 それをキッカケに、特設会場内には次々と困惑の声があがる。

 …ということで、どれが誰の発言かは想像にお任せするとして、その時の混乱ぶりを会話から一気にお伝えしよう!


 「えっと…どういうこと?」

 「カミちゃんは、難しいこと苦手なんだから考えない方がいいよ?」

 「何よ、ミコト!!喧嘩売ってんの!?」

 「だ、大丈夫よ、カミちゃん!!…わ、私も、全然、良く分かんないから!!」

 「す、スー?…そ、俺はそれ、全然、大丈夫じゃないと思うんだけど?」

 「けっ!…うるせぇぞ、お前ぇら。理解できねぇなら黙ってろ!!」

 「な、何よ、いつもスーにばっかり怒って!意地悪!…アナタは理解できてるの?」

 「けっ………だから俺は黙ってただろうがよ………」


・・・


 「2人とも秩序の守護者を目指す『四神演義』の一員でなのであるから、そのような無益な言い争いは止めるべきであると我が輩は思うのである」

 「お兄様は…どう思われますか?」

 「う…うむ。悪党であるならば成敗せねばなるまいが…私には彼が、それほどの悪党には見えぬのだが………ぬぬぬ」

 「お兄様。悪き方かどうかは先入観なき冷徹な目で見極めなければなりません」

 「そ、そうだな。す、すまぬ」

 「わはははははは。面白い。我が鉄拳の試し甲斐が増えたというものよ。かの町の領主の強さは承知しておったつもりだが、我が輩の想像を超えておったか!!」

 「…騙す…良くない。1人だけ不正に力を手に入れる…狡い、思う。もし、俺様を無能呼ばわりするなら…長さで2倍、表面積で4倍、体積では8倍も優秀な俺様がただではおかない!!…最悪…シナス!」

 「まてまてまて、アレは我が鉄拳の獲物だ。御主が強いのは承知だが、まず、我が鉄拳を楽しませてくれぬかな。がはははは」

 「あ~らら。僕、面白いコト、大ぁ~ぃ好きぃだけど…さすがに、これは面白くなりすぎでしょ?…だってさ、考えてご覧よ~。ねぇ~。今、アスタロトさんが言ったの…んで、それをジウさんがある意味、真実だ…って保証しちゃったワケだけどさぁ…。これって、話題の『不審なPC』なんかより、よっぽど大問題でしょ?…ねぇ、玄武さん」

 「うむ。我が輩も全くもって、完全に、一ミリの違いもなく、寸分違わず、全面的に同意であるよ。メフィス殿。もし、それが真実であるならば、この世界の秩序を乱すものとして我がギルド一同、看過できぬものであるな」

 「………玄武よ。まだ、全てが明かとなったわけではない。早計な判断はよせ」

 「あらら~怒られちゃったね、玄武さん。でも僕もルール違反は嫌いなんだよね~」


・・・


 特設会議室の外にいるマックスを除く…ランキング9位以下の者たちが、ある者は暗い疑念を抱き、ある者は混乱し、また、ある者は冷静に状況を斟酌しようとし…そして、またある者は状況を面白がり…と、様々な思いを抱いて、ざわめいている。


 しかし、ランキングの上位。第8位のレイから上の強者たちは、未だ言葉を発していないことにお気づきだろうか?


 (アスタロト)の右隣に位置するレイとヴィーは、相変わらず何を考えているのか、2人で互いの体に触れ合いながら、時々、チラチラと(アスタロト)の方へと熱のこもった視線を向けている。


 (アスタロト)の左隣に座るのは、ベリアルと席を交換しているユノ。顔を覆ったマスクによって、その表情は見えないが…口元は真っ直ぐに引き結ばれたままで、おそらくは硬い表情で固まっていることが窺える。


 そのユノにしか興味のなかったハズのジュピテルは、しかし、デスシムの最古参プレイヤーの1人である自分ですら知らぬ世界を、新参者の(アスタロト)が知っているという事実が許せないようで、深々と背もたれに埋もれていた体を、今は前のめりに倒して(アスタロト)を覗き込んでいる。苛立たしげに、指を何度も大机に打ち付けながら。


 壁から首だけを生やした妙な状態のブブは、話を良く聞いていなかったとみえて、状況が良く理解できておらず、突然に騒然となった下位TOP19たちの方をキョロキョロと見回している。


・・・


 そして…ベリアル。

 そして…左端。


 彼ら二人は、互いに視線を合わせて、難しい顔をして黙っている。

 左端の開かれた目蓋の下の目は、白目と黒目の色合いが反転したような不気味な目であり、しかも瞳孔の部分は血のように赤く淀んでる。

 他のTOP19たちは(アスタロト)の方に気をとられていて、左端の異様な目に気づいていないが、その強烈な圧力を持つ左端の視線を真っ直ぐに受け止めたまま、ベリアルはいつもより若干ぎこちない微笑を浮かべたまま、沈黙を守っていた。


 左端に行動の指針を委ねていると思われるフーは、ベリアルと視線を交わしたまま沈黙する左端の様子を見守りながら、落ち着きがなく視線を揺らしている。


 一通り、皆の反応を窺っていたのだろうか。

 ざわつきが一旦、収まりかけたタイミングを計っていたかのように、クリエイターが再び、先ほどと全く同じ言葉を発する。



 「ジウ…………………お前は、愚か者だな…………」



 先ほどよりも何倍も、深い間をとった、心からの…嘲り。

 何故だろうか?…先ほどまでとは、全く別人のような言葉の重みを感じさせる。


・・・


 その声のトーンの変化に、全員が言葉を止めて、声の聞こえてくる天井を振り仰ぐ。

 誰の胸にも…「ただごとではない」…という思いが浮かぶような、そんな力を持ったクリエイターの呟き。


 「…なるほどな。おかしいとは思っていたのだよ。我々の仕掛けた致命となるハズの困難を…幾度も乗り越え、絶対に抜け出ることの出来ないハズの幽閉用隔離サーバからも廃人となることもなく生還してくるなど…サインイン後1か月にも満たないプレイヤーが…いや。最古参のプレイヤーであっても…できるワケがないのだ。それを…」

 「………我々?」


 ジウの思考が、驚きの余り、一瞬、完全に停止する。

 今、クリエイターは何を言った?…いや。彼は、クリエイター?…なのか…本当に?


 「TOP19の諸君。…くだらない茶番に付き合わせてしまって、誠に申し訳なかったな。だが、安心してくれたまえ。もう安心だ。この意義高いデスシム世界の存続を脅かすけしからん奸賊かんぞくを、たった今、私が責任を持って成敗する!」

 「あ…あぁぁああ、アナタは!?…いけない!…アスタロトさん!…逃げて!!」

 「もう遅い。逃がさぬ。理不尽な処罰と処遇に甘んじている、我が派閥に連なる精鋭たちの恨みを晴らさせて貰おう。もう、幽閉だの隔離だのというまどろっこしいコトはしない。CEOや生意気な彼奴あやつが何を言おうと後の祭りとなるよう、この場で…いますぐ…【死】を与えてやる!!…シッ!」


 部屋の天井の中央。クリエイター?…の気合いの声とともに、そこが突然、輝き…


・・・


 その場の誰の知覚速度をも超えた刹那の煌めきが、室内の空気を斜めに切り裂く。


 それは、ユノの知るどのようような攻撃魔法とも違っていた。

 魔法発動まえにあるはずの空間の揺らめきもなく、発動から効果を生むまでのタイムラグもなかった。しかも、ジウが言っていたではないか。「今日、この特設会議室内では、一切の戦闘行為が無効化されます。…システム的に」…と。それが、無効…どころか、その無効化する暇さえ与えずに発動から全ての効果を発揮しきって完了したのだ。

 だから、もう、それが魔法などではないことは間違いなかった。

 それは、強いて表現するならば…超能力?…いや。…だから、このデスシムには超能力なんていう仕様はないんだってば。…ということは、つまり………???


 何人が、そんな呑気なことを考えていただろうか。

 絶対に避けることが不可能な、危険きわまりない攻撃を目にしたというのに。

 だが、それぐらい刹那の出来事であり、従って皆の理解は…全く追いついていなかったのだから仕方ない。

 とにかく、誰にも、どうすることも出来なかった。

 絶対に出ないハズだった…犠牲者が出てしまったというのに。


 デスシムにおける【死】は、【死】への経過は…不必要なまでにリアルだ。

 肉が焼け、体を裂き、しかしその傷口は焼かれ、血が飛び散ることすらなく…

 青ざめ…唇をガクガクと震わせて呆然とする(アスタロト)………の目の前で、何故か、いつの間に向かい側の席から飛び出してきていた…ラップが、二つに体を引き裂かれて崩れ落ちて…いった。


・・・

次回、「VSクリエイター(仮称)」へ続く…

さらに、さらに

怒濤の急展開が続く?…えっと…予定ですが…未定ですので、そうならなかったらゴメンなさい。

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