第1章2話
諸事情で1日15分ほどしかパソコン開けなかった、壊箱です。
投稿遅れて申し訳ありません。次はもうちょっと早く投稿できるように頑張ります。
部屋を出て、近くにある階段を下りると、そこはどうやら宿屋の入り口のようで、カウンターの向こうに、さっきのおばさんがいた。
「おや?やっと下りてきたのかい」
「ああ。ところで、なんで俺はここの2階で寝てたんだ?」
「10日前にここの入り口の近くで倒れてたんだよ。声かけても起きないし、頭に大きいたんこぶができていたから、とりあえずあの部屋に運んだってわけさ」
「そうだったのか。ありがとう、助かった」
「いいよ、お礼なんて。……ところで、こっちからもいくつか質問いいかい?」
「ああ、いいけど」
「あんたの近くに、このリュック落ちてたんだけど、これあんたのかい?」
そう言うとおばさんは、大きめの、パンパンに膨らんだリュックを取り出して、俺に渡した。しかし俺には見覚えが全くない。というか、俺はあの真っ白な空間にいた時も、何も持っていなかったはずだ。
【そのリュックには 冒険開始時にあなたが所持している 道具等が入っています】
……毎回こんな感じで、ちゃんと説明をしてくれれば、こいつの重要性も理解できるようになると思うんだけどな~。そんな日は来ないとは思うが。
さてと、このリュックの中に入っているものを確認するか。
冒険開始時に所持している道具等と言ってたから、俺は、回復用アイテムやお金、もしかしたら初期装備などが入っているのではないかと予想した。
だけど、このリュック、パンパンに膨らんではいるが、やけに軽い。なんか嫌な予感がする。
あけて中身を確認した結果:大量の綿……底のほうに少し汚れたスニーカーを発見。
俺は今、猛烈に怒りたい。おそらく、大量の綿は嫌がらせなんだろう。目の前のおばさんもびっくりした顔をしている。
しかし、そのことは置いといて、ひとつ気になることがある。この汚れたスニーカー、どっかで見たことがあるような……
「って、俺のスニーカーじゃねえか!?」
「ああ、良かった。やっぱりあんたのだったんだね」
【そうですが なにか?】
なにか?じゃねえよ!!確かに冒険、それ以前に外歩くには必要だけど、俺冒険開始時に靴しか持ってねえのかよ。あ、あと綿があるか。何の役に立つかわからないが。
【その靴はあなたの物なので 今すぐ履いてください 綿は嫌がらせのために用意したので 後はご自由に】
やっぱり嫌がらせだったのか。俺はとりあえず靴を履き、大量の綿に関しては、おばさんに押し付け……あげた。
「綿は何かに使わせてもらうよ。で、次の質問。あんた、見たことのない格好をしているけど、一体何者なんだい?」
【適当に答えてください】
適当って……まあいいか。俺は遠いところから来た旅人と答えた。
ちなみに、俺は自分の部屋にいた時の恰好のまま、今ここにいる。靴を手に入れるまでの恰好は、白のTシャツ、青いジャージ上下、黒の靴下だ。……自分でもダサい恰好だと思っている。だが何が悪い!!
この世界に入ったら、恰好が変わるんじゃないかとも思ったが、靴を履いた以外、全く変わっていなかった。……いいのか?このままで。
「旅人ねぇ……今までにあんたみたいな恰好の人は見たことないんだけど……まさかね」
「?」
「いや、何でもないよ、忘れておくれ」
んー、何か引っかかる言い方だったな。