幕開け2
『ねえ、母さん』
『なんだい、鏡也??』
『昨日僕って、何してた…??』
『何って…いきなり何変なこと言い出すの??』
そりゃそうだ。
自分の息子がいきなり、昨日自分は何してたってかって言うんだから。
『いや…寝ぼけてて、変なこと言っちゃったね』
『…全く、変なこと言い出すんじゃないわよ!!昨日も一昨日もずっと普通に過ごしていたじゃないかい。それよりも早くご飯食べなさい!!』
『…はは、そうだよね。うん。いただきます!!』
どうやら僕は普段と変わらない生活をしていたらしい。
そうだよな。
たまたま記憶が飛んでいただけだと思う。
そう楽観視すると、目の前にあるトーストを猛スピードでたいらげた。
コーヒーを一気に飲み、急いで洗面所に向かう。
身支度を済ましたところで玄関のチャイムがなる。
『はーい』と言いながら、母親が玄関に向かう。
『鏡也!!りこちゃんが来たわよ!!』
『はーい。今行くよ!!』
僕は急いで玄関に向かう。
いつもの光景。
幼馴染のりこが僕を迎えに来る。
慌てて僕は玄関に向かう。
母親は『全く、いつもいつも迎えに来てもらってごめんなさいね…』なんてりこに謝る。
『いつものことだから気にしないでよおばさん!!』なんて返事をするりこ。
『ごめん、ごめん。さあ行こうか!!』そう平謝りしながら学校へ向かう僕達。
そう、それがいつもの光景だ。
しかし今日は普段とは違う。
『あれ…??』
そう、玄関にたどり着いた瞬間に僕は意識を失ってしまったからだ…。