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幕開け
僕は気付いたら、自室のベッドの上に居た。
まるで先ほどまでの事が夢だと確信させるように…。
夜が明けて小鳥の声がはっきりと聞こえる。
日差しがカーテンの隙間から差し込み、今が朝だと知らせてくれる。
『鏡也起きなさい、もう朝ごはんできてるわよ!!』
ドアの向こう側から声がする。
ああ、もうそんな時間か…。
『はーい、今行くよ!!』
そう答え、着ていた服を脱ぐ。
…!?
いつ僕はジャージに着替えたんだ!?
やはり、昨日のことが記憶にない。
りこと別れて、雪が降り意識が無くなった。
そして夢??を見て、今に至る…。
その夢を見ていた間の現実の記憶が綺麗に抜け落ちてる。
しかし、ジャージを着て、ベッドで寝ていたということは僕は普段通りに過ごしていたのであろう。
そんな考えが浮かんだが、追求するのは止めにする。
考えても分からないことは、考えない主義だ。
そんなことよりもさっさと制服に着替えて朝ごはんを食べよう。
遅刻したくはないからね…。