いわくつき令嬢は連敗中
<ご挨拶>
8月も下旬に入って、猛暑も一段落してきましたが、皆様、如何お過ごしでしょうか。
暑さに限らず、熊本大地震、千葉集中豪雨、と立て続けに大変な事態が起こり、中~西日本では渇水危機に瀕している地域もあったりして、今年は、なんとも前代未聞なことばかりに見舞われるものだ、と青息吐息が絶えませんね。
被災した皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、陰ながら皆様のご無事を案じ、一日でも早いご復興をお祈り申し上げます。
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当方もまた、連載中の代表作があのような事態になってしまいましたので、本当に心が折れ、一時は、書くのをやめようかと本気で苦しんだ時期がありました。
※その詳細については、
『王太子殿下(攻略対象)は、溺愛がうんざりなので、今度こそ本格ファンタジーを目指します !?』
(https://ncode.syosetu.com/n5153mf/)をご参照ください。
ただ、こちらの短編とは、まったく別のお話ですし、現在、連載停止中ですので、ご覧になるのは、ご興味ある方だけで構いません。
しかしながら、このままでは、きちんと前に進めそうもないので。
初投稿より3ヶ月という節目を迎え、不安な中、重い腰を上げ、新作を書いてみました。
メンタル低迷状態でなんとか捻り出した作品なので、クオリティ的にはどうなんだろう、と心配がつきませんが。
この作品が、ひとときでも皆様の心の愉しみになれば、幸いかと存じます。
「神宮寺夕紀子! 君との婚約は破棄させてもらう!!」
そう、わたくしの婚約者は言いました。
いえ、言われると思いました。また。
もう、これで98連敗中です。
いえ、わたくしは全然構いませんけれど。
貴方のことなんて、そもそも、興味もなかったんですから。
そんな風に「無」の顔のまま、わたくしは帝都の老舗料亭「錦泉園」から帰宅しました。案の定、お父様はカンカンに怒っています。6歳上のお兄様・透眞さんも呆れすぎて、頭を抱えていました。
「もう17歳になるというのに。これだけ縁談を断られる娘がどこにいる? 我が神宮寺家は、ただでさえ、弱小華族の子爵家に過ぎぬというのに。これでは、いよいよ、良き嫁入り先もなくなってしまう……!」
などと、お父様は怒り疲れて、もはや嘆いていますけれど。
「わたくしの所為ではございませんわ。皆さん、お見合いの席では、わたくしの見目や所作を褒め称えて『是非に』と申されるのに。何かの拍子で、いつもお気が変わられるのです」
「何かの拍子? 馬鹿を申すな! いつも、おまえが不吉な事ばかり口にして、後に皆、不幸に見舞われるからであろう!?」
睥睨されるや、わたくしの心は、カチンと凍ったように冷たくなりました。
お父様のおっしゃる通りです。
わたくしには、他の人に「視えないもの」が「視える」。
それを、ふとした拍子に話してしまって、最初は他愛ない冗談だと気にしなかったお相手方が、頓にままならぬ事態に遭遇すると、いつも、わたくしの「言霊の所為だ」と申して、嫌悪されてしまうのです。
けれど、わたくしが見るに、どの殿方も、ほぼほぼ自業自得というか。
「お父様のお小言は、流石のわたくしも耳にタコができましたわ。わたくしも女学校卒業後は、職業婦人になって、独りで身を立てられるようになろうかと考えておりますので。もはや、つまらぬ縁談など捨て置いてくださいまし」
わたくしは「無」の表情のまま、お父様に言い渡しました。
そうして、そのまま、くるりと踵を返しました。
「なっ……!」
「待ちなさい! 夕紀子ッ!!」
愕然と立ちすくむお父様とは裏腹に、お兄様は血相を変えて、わたくしを追ってきます。スタスタと廊下を進んで自室の扉を開ける手前で、ぐい、とお兄様はわたくしの肩をつかみました。わたくしもスッと振り返ります。
「……まさか、おまえ、まだ、あの【鏡の君】とやらに懸想しているのか?」
「……。お兄様には関係ございませんわ」
わたくしは少しうつろな眼差しになりながらも、お兄様を振り切り、お部屋に戻り、パタン、と扉を締め切りました。
西洋風の華やかな調度品が並ぶ、そこは、アール・ヌーヴォーの壁紙やら天蓋付きベッドやらが存在感を示し、まるでお姫様のお部屋のようです。
けれども、差し込む夕日が物悲しく、暗く翳っていました。
わたくしは、おもむろに虚飾めいたドレッサーの椅子に座り、その鏡の中で恨めしそうに見つめる、わたくし自身を眺めていました。
そして、ガタリ、と開けた引き出しの中には、我が神宮寺家に代々伝わる、螺鈿蒔絵の手鏡が――。
これは、わたくしの亡きお母様の形見です。
わたくしのお母様・真奈瀬は、優しくて綺麗な夫人でしたが、大変お体が弱く、わたくしが3歳の頃に病で亡くなりました。
そうして、7歳になった時、わたくしは小学校の学友から【合わせ鏡】の噂を聞いたのです。
丑三ツ刻に、2枚の鏡を向かい合わせると、その中に、死んだ人間の姿が映る、――と。幼かったわたくしは、亡き母が恋しいあまりに、「もう1度、お母様に会いたい」と。その秘術を試してしまったのです。
けれど、お母様は現れませんでした。
けれど、代わりに、その鏡の向こう側に、とても可愛らしい稚児結い水干姿の男の子が映っていました。
その子は、おそらく、わたくしと同じ年頃でした。
わたくしと目が合うなり、彼はニッコリ微笑みました。
途端に、わたくしは、小さな胸がキュンとなって、ドキドキと熱浮かされたようになってしまったのです。
しかして、やがて、その子は、フッと消えてしまいました。
装束からして、わたくし達と同じ時代の人ではありません。
きっと、この大正の世より900年くらいは昔の人でしょう。
その後、わたくしは、「合わせ鏡」では、死者の霊だけでなく、未来や過去が視えることもある、と耳にしました。また、西洋の言い伝えでは、「未来の伴侶が視える」とも――。
いつしか、わたくしは、亡きお母様ではなく、その【鏡の君】に逢いたくて、たびたび、合わせ鏡を試すようになりました。
すると、わたくしの願い通り、やはり、また彼は現れて、わたくしにニッコリ微笑んでくれるのです。
しかしながら、彼は鏡の中の人なので、お互い言葉を交わすことは出来ません。
けれども、不思議なことに、わたくしが成長するのと同じように、鏡の中の彼も成長していて。12歳になった時には、稚児結い水干姿が烏帽子狩衣姿へと変わっていました。17歳の現在では、直衣を着ていることもあります。
果たして、このように、呪術めいたことを繰り返していたからでしょうか。
いつの間にか、わたくしは、「視えないものが視える」体質になっていました。
その具体的な現象といえば――。
或る時、如何にも壮健そうな若者とすれ違うと、不意に、その背に酷く蒼白く痩せ細ったご老人がのしかかる様子が視えて。後日、その負わされていた若者の方が亡くなっていたり。
どんよりした影が垂れ込める家を見かけたかと思えば、後日、その家で凄惨な強盗殺人事件が起こっていたり。
一瞬だけ、赤いギヤマンを通して覗いたように見えた家などは、後日、大火事で焼失していたこともあります。
そして、わたくしのこれまでの縁談相手なども例にも漏れず――。
先日、わたくしに婚約破棄を申し渡してきた伯爵家の三男、浅山恒夫さんには、或る時、体中にたくさんの子供の黒い手形と、彼岸花のような赤い痕が視えることがありました。
ゆえに、わたくしも、つい、ポロッとそのことを恒夫さんに話してしまったのです。ただ、その時は、恒夫さんもわたくしの事情を知らず、「夕紀子さんは面白い女性だなァ」と一笑にふして、ひたすら、わたくしの外見にデレデレしていました。
その後、恒夫さんの誘いで逢瀬をしていると、突然、気の触れた若い女性が現れて、わたくし達に出刃包丁で斬りかかってきたのです。
そうはいっても、わたくしは、合気道と薙刀の心得があったので、あわやというところで、難なく、その女性をいなしました。一方、軟弱な恒夫さんは、わたくしを盾に逃げようとして、道路の側溝に落ちて、片足を骨折するという大怪我を負ったのですが――。
その女性は、すぐに駆けつけた警官隊に逮捕されました。
のちの調べで、女性は、元は女郎で、「身重になってしまったので、子を堕胎させられた。それでも、仕事に戻るのに触りがあって、結局、お店を解雇された」――と。
生きる糧を失った女性は、かなり恒夫さんに入れ込んでいたので、流された子の責任を恒夫さんに問うて、どうやら、結婚を迫ったようです。
しかし、結局は断られてしまい、その怒りの矛先が恒夫さんの婚約者である、わたくしへと向かうことに。そして、彼女は、腹いせに、恒夫さんの目の前で、婚約者を殺そうとしたのだそうです。
そのうえ、恒夫さんは、わたくしに逢うと、いつも熱心に「愛している」と言っていた割に、裏では、花街で散々に遊び呆けていた、ということが判明しました。
併せて、それで、多くの小さな命が憐れにも消される羽目になった、とも――。
だからこそ、元々は、わたくしの方からお断りするつもりで、老舗料亭「錦泉園」へ、恒夫さんをお呼び立てしたのに。
恥をかきたくない恒夫さんは、先手を打って、わたくしが「とんでもない悪女で、酷い目に遭わされた」と言いふらし、挙句、あちらからの婚約破棄という顛末に至りました。
このため、我が子爵家の評判まで失墜することになってしまいました。
(最初から胡散臭い殿方だと思っていたけれど。どうして、わたくしに言いよる男性は、ことごとく、ろくでもない御方ばかりなのかしら)
わたくしは、なんだか己が情けなくなってしまって、ドレッサーの鏡に映る自分へ向けて、深い溜息をつきました。
-◇-◇-◇-
数日後――。
「喜べ、夕紀子! 新しい縁談相手が決まったぞ」
お父様は、性懲りもなく、わたくしにお見合い写真を持ってきます。
わたくしもうんざりしながら、ぱらりと写真台紙を開きました。
わたくしの新しいお見合い相手は、坪井豪太さんといって、お年齢は17、高等学校の学生さんのようです。
容姿は、恒夫さんより整っていますし、わたくしと同じ年頃ですが、あまり清廉さはないように見えます。それどころか、もはや華族令息ではなく、ただの羽振りの良い呉服商の跡取り息子でした。
しかして、わたくしは、さして、身分にこだわりがある方ではなかったのですが。
今回ばかりは、我が神宮寺家との資産や格などと比較すると、一部の華族がたには、「金に目がくらんで、爵位を餌に令嬢を売った」ように見える相手であるのが、どうにも気が進みませんでした。
それでも、お見合いの日はやってきます。
わたくしは、当家の送迎車に乗り、侍女のタツとお見合い場所へと向かいました。お父様は、お仕事の関係で後から合流するとのことでした。
そうして、憂鬱な気分を抱えたまま、自動車に揺られていると、曲がり角を過ぎたところで、小さい路地へ。
やがて、路面は煉瓦舗装から砂利道へと変わり、ブロロと大音声のエンジン音にも負けぬほど、車輪もゴトゴトと大きな音を立て始めました。
「……こんな道を通るの?」
わたくしは運転手に尋ねました。
「申し訳ございません。お嬢様。いつもの道は、現在、舗装工事中で。だいぶ迂回しなければ、お時間に間に合いそうもなくて」
「そういえば、いつもより早い時間に出ていたわね」
わたくしは、正直、行きたくない気持ちもありましたから、普段、見慣れない経路の景色が次々目に入ってくると、少し新鮮でした。
すると、都会の割には鄙びた、古くからの下町のような通りにやって来て、一際こんもりした緑が見えて来ました。その緑の近くに赤い鳥居も見えます。
しかも、鳥居は1つではありませんでした。その奥に、やや小さめの鳥居が5つほど続いています。
「彩迦稲荷大明神……?」
どうやらお稲荷さんを祀っている神社のようです。
大鳥居の左右には、真紅の腹掛けを掛けた雌雄の狛狐が据えられ、その狐像はそれぞれ鍵と宝珠とを咥えていました。
都市部の人知れぬ小神社らしく、こぢんまりとした敷地ながら、歴史ある御社と社務所、手水舎が建っています。
けれども、一番、目を惹いたのは、なんといっても、連鳥居の近くにある、樹齢300年はありそうな大楠のご神木でした。
「ちょっと止めてちょうだい」
わたくしは運転手に声を掛け、自動車を付近の空き地のような場所に停車してもらいました。お約束の時間も気になりましたが、とりあえず、こちらの神社へお参りして、この憂える思いを払拭したかったのです。
「すぐに戻るわ」
そう運転手に告げ、わたくしは侍女のタツと一緒に、お参りのため、神社の鳥居をくぐりました。
そこは、どうにも地元の人々しか来ない神社らしく、思いのほか、わたくし達以外の参拝者はいませんでした。
それどころか、社務所の中にも人の気配はありません。
小さな神社の場合、常駐の神職がおらず、近隣の大きな神社の宮司さんなり地元の人なりが、代わりに管理を受け持つところもありますから、このお稲荷さんもそうした神社の1つだったのかもしれません。
(願わくば、この終わりない悪しき縁が断ち切れますように)
今のわたくしには、99回目のお見合いが目前に迫っていましたから、本当なら、こうした悪縁切りの上、新たなる良縁を望むべきだったのですが。
それでも、わたくしの脳裏には、あの【鏡の君】がよぎり、むしろ、此度のお見合い相手など無きに等しかったのです。
御社での祈願を終えた、わたくしとタツが、踵を返して神社を出ようとしたところ、
「お待ちなさい、お嬢さん」
と、矢庭に、社務所から、伸びやかで艶のある殿方の声が響いてきました。
(あら? あの社務所……神職さんがいらっしゃったの??)
今まで、まったく気がつかなかったので、わたくしは、心底、驚きました。
とはいえ、無性に心惹かれる美声だったので、わたくしとタツは、帰るのをやめて、知らず知らず、社務所の方へ歩いていきました。
「ずいぶんとご熱心にご祈願なされていましたね」
社務所にいたのは、すらりと背の高い若い男性で、白衣に紫袴といった、祭事がない時の神職さんの装いでした。
おそらく20歳前後くらいでしょうか。
けれども、不思議なことに、その神職さんは、白銀髪に琥珀の瞳という、およそ日本人らしくない容姿です。そのうえ、恐ろしく美しいお顔立ちをしていました。
普通の少女なら、この麗しい御方に、きっと、うっとり見惚れたことでしょう。
けれど、「視えすぎる」わたくしには、それが、とてつもなく異様な姿に見えて、ほんの少し、ゾッとしてしまったのです。
「あの……?」
「貴女のように澄んだ御心の持ち主なら、きっと、いずれ良いことがありますよ」
「はあ」
「ゆえに、貴女には、この御守りを差し上げます」
「え」
白銀髪の神職さんは、スッと、金糸の梅結びに翡翠の珠と金の稲穂飾りが一連なりになった根付を差し出してきました。根付には、鼈甲の根付板も付いています。
根付板の裏側には、【神紋】と【彩迦稲荷大明神】という文字が彫られていました。
「こちらを帯に挿すなりして、日頃から身に着けておられると良い」
「あ。はあ。ありがとうございます。では、こちらの初穂料は……?」
わたくしが慌ててタツに財布を出すよう目配せすると、白銀髪の神職さんは、クスと面白おかしそうに口端を吊り上げました。
「いえ。こちらは私からの労いのようなもので。どうぞ、お気にせず、お納めください」
「ねぎらい……??」
わたくしは首を傾げました。
それほどまでに、祈願するわたくしは余裕のない様子に見えたのか、――と。
かえって、恥ずかしくなってしまったのです。
ともあれ、
「そ、そこまでおっしゃるなら、遠慮なく――」
と、ひとまず、勧められるままに根付を賜りました。
ここで断ると、ますます強がっている風に映ると考えたからです。
そうして、わたくしは、タツに御守りを託そうとしたのですが、タツは、
「せっかくですから、このまま、お着けになって、お見合いに出られたら?」
と、にこやかに助言してきたのです。
かたや、ふと目が合った白銀髪の神職さんも、それらしく微笑まれたので、わたくしは、仕方なく、帯に鼈甲の根付板を挿しました。
ですが、根付は、御守りといえど、さながら美しい宝飾品として、キラキラと、帯に映えていました。
ほどなく、わたくしとタツが社務所を離れると、地元の氏子らしき、腰が曲がったお婆さんが1人、ひょこひょこと、杖をつきながら、鳥居の方からやってきました。行き交う道すがら、「こんにちは」と挨拶を交わしたところ、お婆さんは、「おや。まあまあ……」と目を丸くします。
「お嬢さんは運が良いねえ。御先様にお会いなすったなんて」
「ミサキ……??」
「その帯飾り。御先様に手ずから賜ったんだろう? あの御方は、ほんに気まぐれな御方だから。なかなか私ら人間の前にお姿を現してくださらないんだよ」
お婆さんは、ふぉっふぉっと笑います。
そこで、わたくしがハッとして、社務所を振り返ると、あの白銀髪の神職さんどころか、社務所そのものが忽然と消えていたのです。
「ウソ……!?」
わたくしは唖然としました。
タツも目を白黒させて困惑しています。
(では、あの神職さんは、おキツネ様だったということ……??)
わたくしは戸惑いが隠せませんでした。
けれども、人間ならざるモノから授与された御守りを、きゅっと握り締めると、わたくしの手は、温石に触れた時のように、ぽうっと熱くなりました。
そうして、心なしかフツフツと、胸の中に小さな勇気が湧いてきたような気がしたのです。
-◇-◇-◇-
自動車に戻ったわたくし達は、速やかにお見合い場所へと向けて、再出発しました。
お見合い場所は、銀座にある西洋風ホテル欧華楼です。
しかし、残りの経路は存外空いていて、寄り道をした割には時間がかからず、むしろ、お相手方より早く着いたぐらいでした。
双方の御家の顔ぶれと仲人がたが揃うと、いよいよ、お見合いの始まりです。
酉田屋の跡取り息子だという、坪井豪太さんは、写真の通り、なかなかの美男子ではありましたが、実際に話してみると、根っから粗暴なのが隠し切れないほどのぎこちない口調で、その視線も、子爵令嬢であるわたくしを値踏みしているようでした。
それに、お料理を運んでくる給仕に付き従って補助役をする女給をちらちら見ていて、美女が配膳するといやらしくニヤニヤ笑い、老女が配膳すると明らかに不機嫌そうになっていたのです。
おそらく、彼は、恒夫さんに負けず劣らずの好色家で、その品性に問題があるようでした。
(ああ……。また、ハズレのようね……)
そこで、わたくしは、「無」の顔のまま、スンと、していたのですけれども、我が神宮寺家から「行き遅れ」を出したくないお父様は、当事者であるわたくしよりも躍起になって、お相手に売り込んでいるようでした。
それというのも、縁談連敗中のわたくしには、元より「神宮寺夕紀子は不吉な女だ」という心無い噂がなきにしもあらずだったのが、この間の元女郎の刃傷沙汰と、伯爵令息の恒夫さんによる悪評流布により、完全に「神宮寺夕紀子は呪われている」というものにすり替わって、一人歩きしてしまっていたのです。
ゆえに、どの華族令息もわたくしと「縁を持ちたくない」と考えるようになり、そちら方面からの縁談がぱったり途絶えたからでした。
けれども、この如何にも成金らしい呉服商の親子は、そんな悪い噂よりも、華族の御家と姻戚になりたいというのが明白で、やはり乗り気のようでした。
もしかしたら、「呪われようが、呪われまいが、この滅多にない御縁を手に入れさえすれば、後はどうとでもなる」と、我が子爵家から得られるものを根こそぎ吸い尽くさんとする胆力に溢れていただけなのかもしれません。
こうして、わたくし、神宮寺夕紀子の99回目の縁談は、トントン拍子に進みました。まだ会って初日であるのに、双方の親同士で、早速、結納に関わる話をし始めたので、わたくしは、内心、ウンザリしてしまいました。
とはいえ、どちらの御家にも、それぞれのお付き合い先がありますから、その調整も兼ねて、結婚は、少なくとも3ヶ月以上先のことになるだろう、という決着とあいなりました。
そうして、この日のお見合いは、無事、お開きとなったのですけれど。
仲人がたも退席して、普通なら、「この後は、どうぞ、お若いご両人で」となるところ、酉田屋親子は、折しも、ホテルの電話を介して、かの店の大番頭から、何やら大変な知らせを受け取ったらしく、挨拶も早々に、急いで、連れ立って帰っていきました。
(わたくしは、豪太さんと2人きりになどなりたくなかったので、好都合でしたが)
また、我がお父様も、仕事がまだ残っていたらしく、「もう帰らないといけない」と焦っていました。
しかしながら、このホテルには、敷地内に英国式庭園が設けられていて、此度のお見合いでは、婚約者同士の交流のために、小1時間程、庭園の一部を貸し切っていたらしいのです。そこで、お父様は、「せっかくだから、おまえ1人だけでもご観覧させていただきなさい」とおっしゃいました。
既に、お相手は帰っていますし、お代はお支払い済ですから、このまま、取消しても何ら問題なかったのですが、「この日のために準備してくれたホテルの皆さんに申し訳ない」というのが、お父様のお考えだったようです。
そうして、わたくしもまた、気分転換がしたい心持ちでしたので、英国式庭園を拝見させていただくことにしました。
煩わしい殿方の相手をすることもなく、侍女のタツとのんびり2人で、種々の花咲き乱れる庭園を観るのは、わたくしの心を穏やかにしました。
すると――。
「やあ、これは」
不意に、見知らぬ男性の声がしました。
振り返ると、そこには、カンカン帽に三つ揃いを身に着けた長身の男性が1人いました。その男性は、濡羽色の髪が美しかったのですが、色付眼鏡を掛けていたので、あまり日本人らしくありませんでした。
また、そのために表情が伺い知れぬので、やや胡乱な様子にも見えます。
「なんとも素晴らしい妖精に巡り逢ったものだ」
「Fairy? それは、つまり、わたくしは物怪のようだ、と?」
わたくしが少しムッとした顔で見上げると、サングラスの男性は面食らったように言葉を失っていました。けれど、まもなく、プッと失笑し、
「これは失敬。確かに、日本では、Fairyは美醜を問わず、その呼称になりますね。けれど、私が申し上げたかったのは、かような場所に、なんと天女でも舞い降りたか、と。麗しい貴女を称賛したつもりでした」
と、わたくしに詫びるように、ちょっと頭を下げました。
その御方は、此度のお見合いで貸し切った区域より外側におられたので、事情を知らず、たまたま散策していたホテル客のようでした。
「貴女のような麗しい御方が、どうして、お1人で?」
「え」
「いえ。ホテルの方に、その区域ではお見合いをしているので、あまり近寄らぬようにご忠告されていて。けれど、今、貴女、お付きの方とお2人だけですよね? お相手の御方は??」
「左様なこと、通りすがりの貴男にご説明するいわれもございませんが」
「なるほど。それは確かに」
サングラスの男性は悪びれることなく頷きます。
わたくしは、またまた、ムッとしました。
「むしろ、わたくしの方がお尋ねしたいですわ。事前にご忠告を受けておいでながら、貴男は、どうして、こちらへ?」
「なに。私とて、お邪魔するつもりはなかったのです。ですが、不運にも、風で帽子がこちらに飛ばされてしまって」
言われ、男性のカンカン帽を見遣ると、鍔のあたりに、微かに土を被って擦れたような痕がありました。
(……。帽子を拾うだけなら、思わず足を踏み入れてしまっても仕方ないかもしれないわ)
「では。もう用事は済まされましたのね」
「いえ。まだ、済んではいません」
サングラスの男性はずいっとこちらに歩み寄ってきました。
「私は、貴女がお1人でいらっしゃる理由をまだ伺っていない。もし、やむにやまれぬ事情で寂しくしてらっしゃるなら。束の間だけでも、この私を、麗しい貴女の愚痴聞き役に」
「ですから! 見ず知らずの貴男にお話しすることなど――」
カッとムキになって、わたくしが反論しようとしたところ、男性は、スッとサングラスを外しました。
(……ッ!?)
わたくしは目を剥きました。
なぜなら、目の前の男性は、あれほど、わたくしが恋焦がれた【鏡の君】に瓜二つだったからです。
わたくしは、ゴクリと息を呑んで、額に脂汗を浮かべながら、後ずさりしました。
(……まさか。そんなはずないわ。だって、【鏡の君】は、きっと、平安時代の公達だもの)
それに、よくよく目を凝らすと、ソックリさんは、現在17歳のわたくしよりも、10歳くらい年上の殿方に見えました。この御方が本当に【鏡の君】であるなら、わたくしと同い歳でなくば、辻褄が合いません。
そのうえ、彼の瞳は、なぜか赤瑪瑙のように血赤の如き輝きを持っていました。
男性も怪訝なわたくし達の眼差しに気がつきます。
「……奇妙でしょう? 私の瞳は、生まれつき、この色で。動物でも、白色個体という黒き色素を持たぬ個体なら、こうした目の色で生まれることもあるそうなのですが。私の場合、この通り、髪色は普通で。幼き頃は、周囲から大変白い目で見られました」
「生まれつき!? そんなこと……っ」
「しかして、どうにか、私は異国へ渡ることが出来て。ひとまず、そこで、がむしゃらに働き、それなりに社会的地位も手に入れました。あちらでは、異なる容姿でも、人並み以上の実績があれば、認められるようなところもあるので。少なくとも、私の知己は、私を差別しません。ゆえに、第三者のそうした視線も、多少なりとは受け流せるようになりました」
「はあ……」
わたくしの知る限り、外国でも赤い眼の人間など滅多にいないと思うのですが。
ただ、人種が異なるということで、この御方も、同じ日本で暮らすよりは、幾らか割り切れるところがあったのかもしれません。
しかしながら、依然、わたくしの警戒が解けないので、彼は悲しそうに微笑みました。
「改めまして。九鬼庚興と申します。現在は、横浜に蘇芳屋という店を構えていて、貿易など手広く営んでおります」
「は、はあ……? わたくしは、子爵・神宮司廣宗の娘、夕紀子と申します」
「なるほど。夕紀子さんか。素晴らしいお名前だ。貴女によく似合っている」
「お褒めいただき、ありがとうございます」
「それはそうとして。先のお話――。むしろ、知らぬ相手だからこそ。打ち明けられることもあるのではないですか?」
その言葉に、わたくしも「あっ」となりました。
そして、ちら、と侍女のタツの反応を伺いました。
タツは【鏡の君】の御顔を見たことがありませんが、幼い頃より、わたくしから何度も聞かされているので、今のわたくしの気色を見て、察するものがあったようです。
タツは、くす、と苦笑しました。
「では、お嬢様。あちらに東屋がございましたので、九鬼様とそちらへおいでなさっては?」
「え」
「お話をされるなら、喉もお渇きになりましょう。このタツが、ホテルのレストランへ参って、何か、お茶とお菓子をご用意いただくよう、手配してまいります」
そう告げ、タツは「では」と慇懃に礼をして、わたくし達から離れてゆきました。
おなごから殿方に声を掛けるなど、わたくしも、幾らか気が引けましたが、
「ど、どうぞ……九鬼様」
と、九鬼さんをお招きします。
「Thank you very much!(=どうもありがとう!)」
九鬼さんはニッコリ微笑みました。
しかして、サッと、わたくしの目の前でカンカン帽を脱いで、胸の前に置き、一瞬、ゾクリとする視線を絡ませた後、改めて、わたくしに軽く会釈されました。
「庚興、――と」
「は?」
わたくしはきょとんとしました。
けれど、面を上げた九鬼さんは、少し切なげな顔をしていました。
「九鬼ではなく、庚興とお呼びください。異国では、友人同士は、姓でなく下の名前で呼び合うものです」
「友人と申されましても。わたくし達、本日、初めてお会いしましたし」
「ええ。ですが。かようにお誘いくださるということは、私は貴女の友として相応しき男だと。お認めくださったのでしょう?」
「それは」
「それに私が呼びたいのです。貴女を。夕紀子さん、――と」
真摯な赤い眼光はまぶしくて、わたくしはドキリとしました。
「で、では。み、ミツオキさん」
「はい。何ですか? 夕紀子さん」
庚興さんは嬉しそうに目を細めます。
「わたくし、別に、お見合い相手にお断わりされた訳ではございません。むしろ、トントン拍子に進んでいて――。おそらく、年内には、結婚することになるのではないかしら? ただ、本日は、あちらに、何やら、急なお仕事の都合が入られたようで。それで、お父様が、『ホテルの方に申し訳ないから、おまえだけでもお庭を観せてもらいなさい』――と」
「……。そうですか」
一転、庚興さんの表情に冷ややかなものが走ります。
そうかと思うと、ぐいと、庚興さんは、わたくしの細い肩を抱き寄せました。
「アッ――」
「蜂です」
「え?」
言われ、目で促された方を見ると、スズメバチが1匹、ブブブンと、アカシアの木間を飛んでいきました。
「Sorry.(=失敬)貴女も華族令嬢ならご存知でしょう? 西洋では、男性が女性をescort(=護衛扶助)するのが作法です。奥ゆかしい大和撫子には、かような振る舞いは、軽薄に感じられるかもしれませんが。そこは、しばし、ご辛抱を」
「わ、わかりました……」
しかして、庚興さんは、わたくしと腕を組みました。
ゆえに、この慣れない状況に緊張しつつも、わたくしは、子爵令嬢として、ぴんと背を伸ばしました。こんなわたくしとて、令嬢として夜会に出ることはあったので、気恥ずかしい思いはあっても、「そういうものだ」と理解するだけの頭はあったのです。
そこで、わたくしは、それ以上、庚興さんを拒否することなく、彼に品良くエスコートされるまま、2人で東屋まで歩いていきました。
-◇-◇-◇-
東屋に辿り着くや、わたくし達は、向かい合ってベンチに座り、様々のお話を致しました。
わたくしは、幼い頃に亡き母を恋うて【合わせ鏡】をしたこと、以来、霊視能力のようなものを授かって、苦労したことなどを打ち明け、それにより、98回も婚約破棄されていることを語りました。
されど、庚興さんは、決して、わたくしを軽んじることなく、真剣にお話を聞いてくださいました。
それどころか、時に、少年のように無邪気に微笑んで、わたくしの話に合わせてくださいます。そのような屈託ない表情をされると、ますます、庚興さんが【鏡の君】に見えてきて、わたくしは、ドキドキと胸が高鳴ってしまいました。
けれど、【鏡の君】ソックリな庚興さんに、【鏡の君】のことをお話しすることだけは、出来ませんでした。
それは、流石に恥ずかしいというか、基地外だと思われるのではないかしら? と、気になったからでした。下手をすると、初めて下心なく優しくしてくれた殿方に、「それらしき作り話をして秋波を送っている」と誤解されるのでは、と心配になったのです。
果たして、庚興さんは、わたくしの目をじっと見て、おもむろに申されました。
「かようなこと、突然に申し上げるのはどうか、と思ったのですが」
「……はい?」
「私達、以前、どこかでお逢いしたことはございませんでしょうか?」
「え」
「いえ。『どこかで』というのは不適切かもしれませんね。正確には、私には、幼き頃より、決まって見る【夢】というのがあって」
「ゆ、夢……??」
わたくしはドキンと胸が鳴り、ゴクリと息を呑みました。
庚興さんは、小さく頷き、ほんのり目の端を赤らめながら言いました。
「夢の中の【私】は、いつも底の見えない古井戸の中を覗いていて。その水面の向こうには、必ずといって良いほど、同じ女の子が現れるのです。ただ、奇妙なことに、夢の中の【私】は、なぜか古風な髷を結い、古来からの伝統衣装を身につけている。おそらく、きっと、ソコは、この大正の世ではない」
「……!」
「なれど、不思議なのは、その女の子の方は、どう見ても、現在、我々が生きる世と同じ装いをしているのです」
「ア……」
「そうして、彼女もまた、夢の中の【私】と同じように歳を重ねている。だが、共に育ったのは17歳まで。夢の始まりは、私が7歳の頃でしたが、17歳を越えて以降はまったく変わらなくなってしまった。【現実の私】は歳をとり続けているのに、夢の中でだけは、【私】も【あの娘】もずっと17歳のまま――完全に時が止まってしまっているのです」
わたくしは鳥肌を覚えました。
そうして、庚興さんは、ガタリと席を立つと、スッとわたくしの前に立ちます。
そのまま、熱心な面差しで、わたくしの顎をクイと持ち上げました。
「――貴女ですか?」
「え」
「そう。古井戸の向こう側に映る、あの少女。17歳のあのお姿は、今まさに花の盛りである貴女。神宮寺夕紀子さん。貴女の御顔に生き写しだ」
「アアアッ……!!」
感極まったわたくしは、ワッと、とうとう泣いてしまいました。
庚興さんも目を見開きます。
「夕紀子さん!?」
「そうです! きっと、わたくしです!! わたくしも、ずっとずっと、貴男とお逢いしていた。ただ、わたくしの方は、夢でなく――」
「夢で、ない……??」
訝しげに眉根を寄せる庚興さんに、わたくしは、泣きじゃくりながら告白しました。
「そう。わたくしは、夢でなく、現実に視ていたんです。【合わせ鏡】で。おそらく、平安の世に在った、過去生の貴男を!」
「合わせ鏡――!!」
庚興さんは驚愕しながらも心得られたようでした。
なぜなら、【合わせ鏡】が映す世界の先には、終焉が無い。
さらには、丑三ツ刻におこなうソレでは、「過去」と「未来」が通じ合う、という――。
とはいえ、わたくしも庚興さんも、この大正の世で生きているのに、なぜ、直接本人同士でなく、「現在」と「過去」という姿で出逢い、これほど時空のねじれが生じてしまったのか――。
原因は、まったく不明でしたが、きっと、ひとえに【合わせ鏡】などという、尋常でない特殊な方法をおこなったからに違いありませんでした。
ほどなく、庚興さんは、わたくしの両手を優しく取り、そっと静かに立ち上がらせてくれました。
わたくし達は、両手を繋いだまま、じっとりと湧き上がる慕情に駆られ、見つめ合います。
「夕紀子さん」
「庚興さん」
おそるおそる、熱っぽく互いの名を呼び合いました。
「ずっと、貴女を捜していました」
「はい。わたくしも」
「私は、貴女の声を聴き、貴女に触れ、その温もりを確かめたかった」
「わたくしだって。心底、貴男にお逢いしたくてたまらなかった」
「貴女は、夢でも幻でもない」
「はい。現実ですとも。そして、貴男も」
わたくし達は、ぎゅうっと固く抱き締め合いました。
したたかな抱擁に胸の鼓動がトクトク逸って、火照らずにはいられない。燃え滾る温もりが、双方の心身にじんわり伝わります。
「愛しています。夕紀子さん!」
「ああっ……庚興さん!!」
「ずっとずっと……、貴女だけを」
「わたくしも。貴男、ただお一人を……」
うっとりして、わたくし達は声が揃いました。
「I can’t live without you anymore. (=もう貴女なしでは生きていけない)」
「心よりお慕いしておりました」
そうして、2人、涙して、アカシアの葉擦れの音がサワサワ風にこだまする中、どちらからともなく、ゆるゆると口吻が触れ合いました。
そのまま、頬を紅潮させて、わたくし達は、しっとり唇を重ねると、その熱帯びた吐息を交わし、何度も、その存在を確かめ合いました。
「My Twin-Flame(=私の魂の片割れ)」
熱く、深く、こころゆくまで。
共にそこに在るのを、かけがえのない真実にするために。
身も心も蕩かして、その何百年分もの想いを唯一無二の証として――。
<執筆後記>
短編といいつつ、15,000文字ほどの作品になってしまい、申し訳ありません。
当初の予定では、7,000~10,000文字に抑えたかったのですが。
それどころか、実のところ、こちらの短編は、プロモーション用というか。
これより先に短編として書いていた作品が思いのほか長くなってしまい、読みやすさの観点から、中編連載とした方が良いとの判断にいたり、同作品に登場するキャラで短編をもう1本書いてみよう、というのが、この作品の始まりでした。
☆ちなみに、その先行執筆作品につきましては、こちらをご覧ください。
『モブ女学生は落ちぶれヨーコ様を助けたい』
(https://ncode.syosetu.com/n3042mq/)
※この中編連載では、主人公が別キャラに替わっています。ただ、夕紀子ほか、この短編に登場したキャラも出てきます。時系列的には、この短編の後日譚にあたり、10~15話くらいでの完結を見込んでいます。
(こちらでは、夕紀子はカメオ出演レベルのチョイ役です)
しかし、こちらも予想以上に設定が濃くなってしまって。
もしかしたら、これの続きをまた書くことになるかもしれません。
それが、また短編形式になるのか、中編連載に組み込むことになるかは、全然未定ですが……。
(中編連載が一旦完結した後、仮に、そちらで夕紀子まわりの掘り下げを書くことになった場合は、そちらのエピソードも含め、連載第2部スタートとなって、夕紀子もレギュラー出演に昇格すると思います)
そのような訳で――。
もし、この作品が、皆様のお気に召されましたら、何か、ご反応、ご感想いただけますと本当に嬉しいです。それは書き手として、大変励みになりますし、ありがたいことです。
メンタルどん底状態では、まったく何も浮かばないというか、書こうとしても筆が止まって、頭が真っ白になってしまう。そういう経験をしましたので。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
26/08/21(金) 戸埜前 遥宇(拝)
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<追記> ---26/08/27(木) あとがき更新
どうやら、ご好評いただいているようで、皆さん、ありがとうございます!
そのような訳で、この続編にあたる短編『ヤンデレハイカラ紳士は、いわくつき令嬢を愛でたくて仕方がない』を26/08/25(火)に投稿しております。
もし、まだ未読の方、続きが気になる方は、是非ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。
☆短編『ヤンデレハイカラ紳士は、いわくつき令嬢を愛でたくて仕方がない』
〔https://ncode.syosetu.com/n6593mq/〕
※ 今作はユキコ視点でしたが、続編はミツオキ視点です。




