表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の恋、いつか叶うのかな?  作者: 吹き抜ける風からの思い出
6/6

新しい身分証と、秘密の写真

皆さん、こんにちは。サイロムです!

正直に白状すると、最近BLアニメの『ギヴン(Given)』にどっぷりハマっています。良すぎて泣きそうになるくらい。親友のニチャーにも勧めて一緒に見ているほどです。あまりに熱中しすぎて、「いつか結婚するならアニメの聖地で前撮りをしたいな」なんて妄想しちゃっています。ロマンチックですよね……。おっと、話が逸れました。本題に入ります。

皆さんもご存知の通り、僕の家は学校からすごく遠いです。タイの公共交通機関(Songthaew:ソンテウ。トラックの荷台を改造した乗り合いバス)は……お察しの通り、日本ほど便利ではありません。だから、僕はバイク通学を決めたんです! 帰り時間を気にしなくていいし、最高に便利。でも、その「やんちゃ」な選択には代償が伴いました。

ある雨の日、双子の兄・チョンが校外学習に行くので、僕も急いで家を出ました。不運なことに、バイクで転倒してしまったんです! 足に少し擦り傷ができた程度で、ヘルメットを被っていたので大きな怪我はありませんでしたが、大問題が発生。ポケットに入れていた身分証明書(ID Card:タイでは12歳から常時携帯が義務付けられているカード)がバキバキに壊れてしまったんです。不思議なことに、学生服のズボンは無傷だったんですけどね。

結局、親にバレてこっぴどく叱られ、新しいカードを作りに行くことになりました。目の下のクマが気になったので、母さんのファンデーション(Foundation:化粧下地)をこっそり塗ってみたのですが、顔だけ白浮きしてまるで幽霊(笑)。慌てて拭き取りましたが、汚れがシャツの襟についてしまい、どうしても隠したくて一番上のボタンまで留めて行くことにしました。「ウィンに、こんな不細工な姿を見られたくないもんね」なんて思いながら。(まさか彼がこんなところにいるはずないのに)

手続きのために市役所の出張所(ショッピングモール内にある窓口)へ行き、開くのを待っていると……。

後ろから聞き覚えのある声がしました(もう、心臓が跳ね上がりましたよ)。

「あれ、サイロム? 何してるの?」

ウィンです!(また!? 偶然すぎませんか? もしかしてストーカー? 警察呼んで!笑)

「あ、カードを作り直しに……」と答える僕(ファンデを落としておいて本当に良かった!)。

「ウィンこそ、どうして僕の地元の街にいるの?」と聞くと、

「お前と同じだよ、同じことしに来たんだ」と、相変わらず憎たらしい返事が返ってきました。

待ち時間の間、僕は緊張して一列空けて座ろうとしたのに、彼はわざわざ隣についてきました。すると突然、スマホを僕に向けてシャッターを切ったんです!

「ちょっと! やめてよ、ブサイクに写っちゃう!」(幸い、瞬時にキメ顔を作る反射神経があったので助かりました笑)。

「いいじゃん、撮らせてよ」と彼は笑いながら、SNSか何かのアプリに投稿していました。

彼は僕の古いカードの写真を見ようとしましたが、恥ずかしくて写真の部分を隠し、壊れた部分だけ見せました。

「隠すなよ、見せてよ」「嫌だよ、顔がヤバいもん。ウィンこそ、どうして更新に来たの?」

「期限が切れたんだよ」

(実はその時期、ウィンの誕生日に近かったんです。本人を前にしてお祝いを言う勇気はなくて、後でメッセージを送りました。直接なんて恥ずかしくて言えません!)

僕もウィンのカードを見せてもらいました。そこには幼い頃の可愛い彼が写っていました。

「……可愛いね」と思わず本音が漏れると、彼は少し照れたように「あ、あぁ……」と答えてくれました。

先に呼ばれたウィンは、撮影が終わるとさっさと帰ってしまいました(一緒に待っててくれると思ったのに!)。でも、僕の方も新しいカードの写真は満足のいく仕上がりでした。

その後、モール内を探しましたが彼はいなくて、ソンテウを待っている時に彼から「どこにいるの?」とチャットが来ました。もう帰るところだと伝えましたが……正直、すごく残念でした。せっかく二人で……いや、何でもありません!

月曜日。学校で新しいカードをウィンに自慢しようとしたら、彼は「忘れてきた」と言って見せてくれませんでした(絶対嘘だ!)。僕だけ見せて損した気分です。

でも2日後、ニチャーがニヤニヤしながら僕に話しかけてきました。

「二人でどこ行ってたの? 隅に置けないねぇ」

そう言って彼女が見せてくれたのは、ウィンが隠し撮りしたあの僕の写真でした。写りは……結構良かったです(キメ顔してましたからね)。僕はニチャーに人差し指を口に当てて「内緒だよ」と合図を送りました。

[ あとがき ]

偶然か、必然か。ウィンと過ごす時間はいつも、予想外のドキドキでいっぱいです。

たとえ、それがただのカードの更新だったとしても。

僕たちの秘密がまた一つ増えた、そんな特別な一日でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ