第75話 牛フェスが始まる
~草の香りと、ちょっとしたモーモー爆音~
七海は、丘の上の“モーモー牧場”で、マグ片手にのんびりしていた。
ナビ牛の背中の模様を眺めながら、ぽつり。
「……今日は静かに過ごせそう。牛って、見てるだけで癒されるなぁ」
その瞬間、空がパァァァン!!と光り、地面がズンドコ揺れる。
「ナナミちゃーーーん!!牛フェス、開・催・だよぉぉぉ!!モーモーでバイブス!!」
パリピ女神、爆誕。
肩にはDJモーモー、腰には乳しぼり型スピーカー、そして手には光る干し草マラカス。
「ちょっ……牛は静かに草食べてるんだよ!? やめてぇぇぇ!!」
「NO!!牛は踊る!!草はビート!!牧場はフェス会場だよぉぉぉ!!」
女神が“干し草マラカス”を振ると、牛たちがリズムに合わせてモーモー鳴き始める。
ナビ牛は、背中の模様を光らせながらステップを踏む。
「ナビ牛、ノってるぅ!!この模様、フェスの地図だったんだよぉぉぉ!!」
七海は、道具箱をポン。
“静音フィールド”と“牛用耳栓”を展開し、牛たちの聴覚を守る。
「……世界は救えないけど、牛の鼓膜くらいなら守れるかも」
牧場主のおばあさんは、なぜかノリノリで“乳しぼりターンテーブル”を回している。
「昔はねぇ、こういうのが流行ったのよぉぉぉ!!」
夕方。フェスは無事(?)終了。
牛たちは、踊り疲れて小屋に戻り、ナビ牛は七海のそばにとことこ。
「……なんか、模様がちょっと変わった?次のフェス会場って書いてないよね……?」
七海は、マグを傾けてぽつり。
「牧場って、もっと静かな場所だった気がするんだけど……いや、異世界だし、こういう日もあるか」
空には、モーモー型雲がふわふわ漂っていた。




