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第2話 森のスライム、友達になる。たった1日だけど。

~七海のゆるっと異世界迷子案内所~

ーーー


朝の柔らかな日差しが森の緑を照らす中、成瀬七海はのんびりと歩いていた。


「今日は特に目的もないし、ゆっくり森散歩でもするか〜」


万能の道具箱を肩にかけ、鳥のさえずりと木漏れ日の中を気ままに進む。


すると、前方にぷるぷる、ぷるぷる……何かが震えている。


「ん? なにこれ……?」


そこには、丸くてぷにぷにした小さなスライムが一匹。まん丸で、透明感のある青色。

表情はまるで「助けて!」と訴えているみたい。


「うわ、かわいいけど、どうしたの?迷子?それともお腹空いてる?」


スライムはぴょんと跳ねた。

もちろん言葉は話せないけど、何だか意思疎通できそうな不思議な気配。


「……よし、私があなたの一時保護者になるわ!」


さっそく万能道具箱を開き、干し肉やパンを取り出してスライムの前に置く。


「食べてみて?え、これスライムも食べるの?」


なんとスライムはぺろりと干し肉を舐め、満足そうにぷるぷると喜んでいる。


「ふふ、気に入ってくれたみたいね」


それから七海は、スライムに名前を付けることにした。


「名前は……ぷるりん!ほら、ぷるぷるしてるから!」


ぷるりんは嬉しそうに七海の足元を跳ね回る。


「かわいいけど、帰り道はどうするの?迷子のままじゃ困るよね」


万能道具箱から地図を取り出し、足跡センサー(非公式)を駆使して、ぷるりんの家を探し始める七海。


途中でスライムの小さな泣き声(?)や跳ねるリズムを頼りに森の奥へとすすむが、どうも方向がわからなくなる。


「うーん、森って迷いやすいね……まあ、チートあるから大丈夫だけど!」


結局、数時間かけてようやくぷるりんの仲間が住む泉のそばにたどり着く。


「おお!仲間たち、ぷるりん!あなた、やっと帰って来れたのね!」


スライムたちは大歓迎。ぷるりんも安心した様子で、七海の手にぺたりとくっついた。


「なんか、これでお別れかぁ……寂しいなあ」


ぷるりんも分かれを惜しんでいるように見えたけど、七海は笑顔で言う。


「また会いに来るからね!それまで元気でね、ぷるりん!」


ぷるりんは最後に大きくぷるぷると跳ねて、泉の中に消えていった。


「うーん、今日もなんだかいいことした気分がする!」


こうして成瀬七海の異世界旅、第二話もほのぼの&ユーモラスに進行中。


「さて、次はどんな出会いが待っているのかな~?」


ーーー


戦わず、救わず、ただ“そばにいる”こと。

それも立派な“ちょっとだけ役に立つ”異世界迷子案内所。

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