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マウンターへ

わたしの黒い一滴の血は 飼い猫 と祖母の血だった

わたしの血液のなかに一滴の黒い血が紛れ込んでいる。

黒い血は、幼稚園に上がる前に、紛れこんだ。

とわたしは推測している。

一滴の黒い血が紛れこんだ、その現象を覚えている。

一匹の黒猫。祖母、わたしの3生命が、家の2階のわたしの部屋で、いつものように、下校時から夕食の間、ウダウダ会話をしていた。

「章ちゃん、今日の学校は面白かったか?」

「つまんない。風呂屋のせっちゃんが、魚屋のひろきに、悪さされた。悪さは、毎度同じ、変わり映えしない、スカート捲り。わたしがスカートめくりされたら、しゃがみ込まず、その場で、股間にケリを入れるワ。

足蹴り打、男の弱点である急所に打撃を与えないと、つまらん。

わたしの気分をぼろぼろにした罰は、肉体の痛みで補ってもらう。

さらに男って、女の子に急所足蹴りされたら?心も傷付けば、尚、良いと思う。

こんなことを、祖母に伝え、

右手に変な力が入ったとき、たまたま黒猫の頭に右手があたり、素早く右手をかわそうとした黒猫脳爪に、わたしの右手をひっかけられ、右手の項から一筋の赤い血が霞んでいた。

祖母は、わたしが右手にテイッシュを当て、祖母の舌がわたしの右手を舐めた。

黒猫が驚いて狭い急な階段を1階へと駆け降りていった。

その直後、わたしの血管に、黒い一滴の血が紛れ込んだ。


あなたを尊敬します。

妻として、旧家の嫁として、姑として遣え、零細企業の経営者として資金繰りや職人として労使の良好な関係を維持し、産めずとして養子を育てあげた。

しかし、あなたの実母 大正産まれの実母と昭和産まれの姪、黒い一滴の血の主人公に挟まれ自我脳強欲たちに振り回される、

青春時代の正義感と平等性の高いあなたには、ヒビ苦痛の環境にいたあなた。

幸運だったのは、頭の良い控えめな旦那だった。

あなたじゃ、子種を望んだがきぼうは叶わず、嫁ぎ先で実家の実母と姪と兄夫婦の狭間で、若い柔らかな心を痛め続けた。

何も知らない女子高の乙女で居たかったはず。




わたしは一滴の黒い血が、今、身体のどの部位の辺りを流れているか、わかった。

黒い一滴が心臓に戻り、心臓から出て行くまでの時間、わたしは起きていても、金縛りに遭うことがあった。

あの日以来、毎日、金縛は毎日、起こった。

学校でも、通学路でも、場所や状況を選ばなかった。

まわりの友たちは、驚いた。

黒い一滴の血が、右側頭葉に流れると、わたしは変化した。強い劣等感が、わたしを襲い、わたし自身の心と身体を守るため、好戦的モードになった。

特に、同級生の男子には、上から目線で、一から十まで、わたしなりのルールに合わせた振る舞いを強要した。よしおや泰男は、泣き出した。

わたしの言葉は男子の心をエグった。

涙を目にしたわたしは気が引き締まった



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