異世界のお医者さん
転生して異世界にやってきた
さすが異世界、見るもの聞くもの めずらしい
ふと思い立ち、さっそく自分のステータスを開く
よかった、大気に異常な成分はないようだ、体に異常は出ていない
ステータスとは自分の体や心の情報が見える、神様の加護である
体の状態、異常個所、疲労度、不足栄養分、はては訓練推進箇所、
心の状態、感情の状態、学習して覚えた知識、得意なこと、能力の伸び率予測
自分のことは知覚できなくてもたいがい教えてもらえる
だから自分のことはよくわかる
自分で気づいていなくても、誰かのことを意識しているとか
そこまで教えてくれるのはどうかと思うが
だけど他人のことはわからない
もしもアクセス権限をもらえれば、許可してもらえるところまでは見ることはできるけど、
情報が丸裸にされるから、だれしも自分のことはオープンにしないのが普通
のはずなんだけど、おや、この世界の住人たちのステータスが見える?
みんななんてオープンな人たちなんだろう
違う、話を聞けば誰もがみんな自分のステータスが見られないようだ
見ることができるのは自分だけなのか
でも自分の状態が何もわからないのは不便なんじゃないだろうか
そうだ、だったら自分が代わりに見てあげたらいいのでは?
そうすれば怪我や病気で困っている人の手助けができるかもしれない
怪我や病気やアレルギーの状態や原因を、見て教えることができれば、
医者として異世界でも収入を得て暮らしていけるかもしれない
そうだ、そうだ、そうしよう
こうして自分は診断医として異世界で生きていく決意を固めた
後にすぐに的確にわかる診断医として世界的に有名となる、
遠い異世界から こっちの世界に 転生してきた男 のおはなしでした
「異世界のお医者さん ~転生して異世界にやってきた、ここは地球というらしい~」
おしまい