前へ目次 次へ 11/86 ★アインの記憶 ――俺は時々、夢を見る。 目の前にある二つの影は、最愛の人と見知らぬ誰か。 血溜まりに沈む彼らの瞳は、既に光を湛(たた)えてはいない。 静寂たる祭壇に響き渡るは、司祭が床を叩く音のみ。 司祭は徐(おもむろ)に二人へ手を伸ばすと、突如詠唱を始める。 二人を包む光の奔流。 その光は残酷で、そして何よりも優しかった。 新たに吹き込まれる、生命の息吹。 それを最後まで見届けた俺は、青瞳(せいどう)に憎悪を宿し、 黒く燃え盛る炎にその身を委ね、自らの意識と別れを告げる――