スナック
聞いた住所だとここかな。うちから近いなー。
ん、スナック みつこ??
えー。間違いなさそう。。スナックって。。
「こんにちわ」
「あら、いらっしゃい。もしかして、しずかちゃんかしら、まー可愛いらしい」
そっちかぁー。しずかですよね。。
ふくよかで着物の似合うお母さんのような優しそうな雰囲気の方。
スナックは、昔からながらのスナックって感じ。
「はい」
「話は秀子から聞いてるわ。合格ね。
ちょうど1人抜けてねー。
わたしはここのママね。石田光子。
秀子も昔ここで働いてて、あの子も昔はヤンチャでねー。」ペチャクチャ。
物凄く話好き。かれこれ一時間。
「じゃあ明日からよろしくね。
ドレスはクローゼットにいっぱいあるから、好きなの着てね。女らしさ磨こうね。よろしくー。」
ドレス。。
スーパーによって帰ると、龍くんも練習から帰ってきたところだった。
「お帰り〜、ちょっと待っててね。晩ごはんの支度するね」
「おう、ありがとう。シャワー浴びてくる」
「はーい」
栄養と怪我しないようバランスのとれた献立を研究してみたのだー。
シャワーからでた龍くんは部屋着のスエット。
晩ごはんもできたところで、いただきます。
「うまい」
いっぱい食べてくれる。よかったー。
「今日ね、豊臣さんから紹介されたアルバイト先行ったら、それがスナックだったの。私、ホステス?キャバ嬢?になるみたい」
「それは、見てみたいねー。より女っぽくなるね。
何事も経験だね」
「えー、その経験役に立つのかなー。
ドレス恥ずかしいよー」
「きっと似合うよ、可愛いしずかなら」
「もー」
「そうだ、あのダンボール開けてごらん」
引越しのダンボールの中に、、
「これって。。」
「中学、高校の制服とか。
しずか着たいかなと思って。高校のは大きいかな」
そっか、一応女子の制服かー。
「そういう趣味では。。ないんだと思うんだけど。」
「着てみな」
「見たい?」
「見たい」
龍くん。みたいなら。
「うん、着替えてくるね」
「どうかなぁ…」
中学生らしい、丸襟のブラウスにリボン、ジャンパースカートにベルト。紺のジャケット。
髪はツインテールにしてみた。
「う、可愛い。まだまだ中学生もいけるね。
近くにおいで。」
マジマジ見てる。目が真剣、男の人って。
ギュっとされた。
「恥ずかしいよ。。」
私の部屋着になった。。