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初キス

トン、トン、トン…

点滴したままぐっすり眠っている織田くん。


「疲労が溜まってたようです。

 ご安心ください。一日休めばお若いですし、大丈夫です。

明日念のため精密検査しますね。今日は泊まりです。しっかり栄養とらないとですね」

「ありがとうございました」


よかった。

不安で豊臣さんにも連絡しちゃったけど、メールしておこっと。


織田くん。

寝顔も綺麗。

そっと大きな手を握りしめ、「よかった〜」


織田くんの顔を見つめ考え込む。。

『無理してたのかなぁ。弱いところ見せないし。

 そうだ、たまには頼ってもらおう。

 そして、栄養のあるものをとってもらおう。

 お勉強だ』


よしよし、頭を撫でる。

「今日は、ハプニングあったけど、ありがとう。

 色々知ることができてよかった。もっと知りたい。

 わたしでよかったら力になるね」


んーんー、いいかなぁー、ズルいよねー。

今ならー。。

ほっぺなら。

ごめんなさい。

「龍くん」

ドキドキ。

「チュ」

しちゃった。。。

初キッス。

ナイショに。


手を握ったまま。おやすみなさい。


翌朝。

「よく寝たー。ん、ここは?

 あれ、しずかさん?」

「お、おはよう」

「大丈夫ですか?」

「どっちがよー。」

一通り、説明。


「ごめんなさい」

「全然。心配したんだからねー。

 朝ご飯食べたら、精密検査だって。

 待ってるね」


精密検査異常無し。

手続き済ませて、帰ることに。


「浴衣で朝帰りになっちゃったね」

「もおー。

 わたしでよかったら、なんでも言ってね。

 織田くんの力になれるか、わからないけど。」

「そんなそんな、お言葉だけで」

「今さら〜、女装させといて」

「女装じゃないです。女性ですよ」

「あー調子狂う〜。私の方が年上なんだから、頼ってね」

「はーい。遠慮なく。お姉さん」

「もー」

「テニーズ行きましょう」


「ご迷惑おかけしました」

「もう退院したの、早かったわね。これからお見舞い行こうと思ってたところだったの」

「ご心配おかけしました。疲れが溜まっていただけで異常なしです。バイトは続けさせて下さい」

「無理しないのよ、絶対」

「はい、ありがとうございます」

「それにしてもあんた達お似合いね」

「えっ」

「さあ、着替えて、浴衣その辺置いておいて。

 また、明日から、よろしくね」

「よろしくお願いします」


「また何かあったらいけないから、LINE交換ね。」

「喜んで」



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