死
昔から本を読むことが好きで、今回初めて書きました。超超超短編です。
これは死を脅えていたある女の子の話です。その子は死ぬ事が怖くて毎日怯えていました。そんなある日、その子が公園のベンチに腰掛けている時、男が来てこういいました。「そんなに死が怖いのかい?」女の子は男を不審がりつつも、「当たり前でしょ。怖いに決まってる。」と答えました。男は「いいかい、お嬢ちゃん、よく聞きな。君はいつでも死ねるんだ。例えばな、そこにいる野球少年。彼はバットをもっているだろう。彼がその気になれば人は死ぬ。」そういうと女の子は怖くなり、公園を飛び出しました。そのまま商店街を歩きます。男も着いてきてこう言いました。「そこに停まっているタクシーがあるだろう。もし、運転手がその気になれば人は死ぬ。」女の子は怯えきって家に帰ろうとしました。そこで男は「君のお母さんは料理をするかい?」と尋ねました。「ええ、するわ。」と早口で答えた女の子を見て男はこう続けました「そうか。なら包丁を使うだろう。お母さんがその気になればどうだ?人は死ぬね。つまり、人が死なないのは、その気になる人が居ないからだよ。分かったかいお嬢ちゃん。」女の子はそこまで聞くと男を車道へ押し飛ばしました。驚いた男はふらついて転んでしまいました。そこに車がやって来て男は轢き殺されました。「ほんとだ。」女の子はふふっと笑い自らの首を絞め始めました。
読んでいただきありがとうございます。