[4a-22] FILE:調査報告 『シエル=テイラ亡国』幹部に関して
○アラスター・ダリル・ジェラルド
老境にある男性の姿をしたグール。『国軍元帥』を名乗る。
軍対軍の戦闘において指揮を執る。大量の通話符を用いて前線指揮官と連絡を取り、戦場全体の状況を把握する作戦を採る。
ケーニス帝国軍を参考に、兵站や福祉など軍内部の各種制度を整備したのも彼であるとされる。
※旧シエル=テイラのジェラルド公爵当人と目される。
生前にも将として軍功あり、また政治巧者として名を馳せた。
○ウダノスケ
カタナを使うグールの剣士。
現状、重要な戦闘においてはかならず姿を見せ際立った活躍をしている。
魔法は特に使えない様子だが、それでも熟練の冒険者複数を相手取って互角以上に渡り合う達人。練技として『爆発する斬撃』を用いるとの情報あり。
『シエル=テイラ亡国』内部においても名が知られ、“怨獄の薔薇姫”の切り札と目されているが、その割に何故か大して敬われていない。
○リエラミレス
女ダークエルフ。
かつてゲーゼンフォール大森林のエルフ部族“岩壁に這う白蛇”にて戦士の部隊を指揮する地位にあった。
部族の宗教的指導者層たる巫女としての修行も積んだ過去があり、そのため戦士たちから一目置かれる立場だった。
能力的な問題で巫女になる道を断念した(長老会議の選定結果)とのことで、魔法力は相応のものでしかないと思われるが、戦闘における自然魔法の活用は熟練の技巧を見せる。
現在は『シエル=テイラ亡国』に仕えるダークエルフたちの代表者として“怨獄の薔薇姫”の傍近く仕えている。
※ケーニス帝国大将軍『星環』ことグレンミレスの長女。
ただしグレンミレスは100年以上前に部族を出奔しておりその後の交流は皆無とされる。
○魔女?
参謀格と言える魔女が一人ないし二人、“怨獄の薔薇姫”に仕えているとの情報あり。
人前に姿を見せることは極めて稀で、妖艶な美女であったとも溌剌とした少女のようであったとも言われる。
当初(テイラ=ルアーレ攻略時)は数に任せたアンデッドの軍団を率いていた“怨獄の薔薇姫”が、その後どこからか高度な軍事技術を手に入れていることは確かであり、技術と理論に通じた邪悪な専門家を麾下としたためではないかと疑われる。
○ミアランゼ
ゲーゼンフォール大森林の汚染を為した者として噂に上る名前のみ確認。
現実には『シエル=テイラ亡国』軍が組織的に地脈汚染術式を使っていることは帝国青軍によって確認されており、何らかの誇張か事実無根の政治宣伝による『作られた英雄』ではないかとも考えられる。
“怨獄の薔薇姫”の信頼も厚いとされるが姿は確認されていない。
ただし、魅了の邪眼を持つ女吸血鬼であるとの情報もあり、これが事実であれば最大限の警戒を要する。
ウィル君は多分これ読んでないです