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はじまり

私は脱サラした。

両親は反対していたが、もう限界だった。


時間はないけど金だけは十分にあった私はなにもかも捨てて移住することにした。

ひとりで一からやり直したい、その一心で星外移住を決めた。









私は目を開けた。

ぼぉっと布団のなかで微睡んで数分後、スマートフォンのアラームがなる。

設定したアラームの数分前にいつも目が覚めてしまう。

これは長い会社員生活の中で身についてしまった悪しき習慣だ。悪いことではないかもしれないが、会社員時代を思い出させる、私にとっては悪の習慣である。


毎朝6時30分に起床する、支度をして7時に家をでる。8時30分に出社すべき会社はもうなくてもずっと家にこもっているのも勿体ない。


移住して約一ヶ月が経とうとしていた。


貯金だけはあったので、しばらくは困らないだろうが新しい仕事を見つけなくては。

不安はつきない、だけど以前よりずっと健全な精神状態だった。

パリッパリの高いスーツは全て故郷に捨ててきた。安いズボンとシャツ、モコモコのダウンを着て私は家を出る。

眩しい青空と柔らかな朝日に意味もなく涙がでそうになった。


青空ってこんな綺麗だっけ、冬の朝の空気ってこんなにツンと冷たくて美味しいものだったっけ?

そんな当たり前のことをずっと知らずにいた。


すぅっと息を吸うと冷たい空気が入り込んできて肺がいたい。でも難なく息が吸える、吐ける、思う存分。


「さぁ、今日も頑張ろう。」


独り言は真っ白な息とともに吐き出されて自然と口角が上がった。


私は今、地球を離れて青鏡星に移住している。不安はあるが、後悔は微塵もない。


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