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あまりの息苦しさに目がさめる。

原因は口と鼻が血溜まりの中に突っ込んでいたせいらしい。

口の中が錆の味と粘っこい液体の気持ち悪さに覆われる。

周りに人がいないことを確認し、死体の山から這い出る。

体は血でべとべとで髪の毛がねちゃねちゃとし、不快感が半端ない。


(死んでないだけ、ましか)


口の血を唾液を絡めて無理やり吐き出す。

辺りを見渡せば一面味方の死体だらけで、今までみた中で一番ひどい光景だった。


「完膚なきまでにやられてたとはいえ、凄まじいな」


生きていることに感謝をしつつも、途方にくれる。


(陣営に戻っても跡形もないだろうし……俺の金も残ってるとは思えん。この死体の山から金目のものを貰っていくか)


装備の状態がいい死体を探し始める。

金でできた指輪やネックレスをつけている死体が何体か見つかる。

ちょっとした宝の山のような気がしないでもない。

死体漁りを生業としているやつもいるらしいが、悪くないな、と考えながら死体から貴金属を抜き取る。


(そろそろ、戻るか……足があるといいんだが)


自分達の陣営だった場所までにかなり距離がある、着いたとしてもそこから近くの町まで歩き続けなければならない。

最低でも三日はかかるだろう。


(助かったとはいえ……嫌になるな)


その時、人の声がして慌てて這いつくばり死体のふりをし、耳を澄ませる。

あまり近くではないが好ましい状況ではない。


(足音と声からして三人か?)


体を少し起こし、死体の陰から覗く。


(馬に乗っている女一人にそれを護衛している二人か……護衛をしているのは男女の二人組か)






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