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ヴェロが広場についた頃にはすでに大勢の傭兵が集まっていた。
何人かの傭兵団の隊長が全員が集まっているか点呼をとって、正規兵に伝えている。
一人のヴェロは近くの兵士に自分で伝える。
「傭兵ヴェロ、着きました」
「……ああ、成果をあげろよ」
いつもの返事を貰って持ち場につく。
基本的に傭兵が任されるのは最前列だ、前に傭兵を置きその後ろに正規の兵士達が控える。
傭兵達がいざ、始まった時に逃げないように後ろに配置しているなど言われているがヴェロから言わせて貰えば、自国を守る奴が先陣をきれよと思う。
(ま、こっちとしても逃げない訳じゃないから、正しい選択だな)
風向きが悪くなればすぐに撤退するのが傭兵だ、それを情けない卑怯と罵るのは御門違いだ、こっちからしたら命あっての物種だ、それに雇い主の国が勝っても少しの報奨金と共にさよならされるだけだ。
(だったら、死なない程度に頑張ったほうがマシだ)
他の部隊が作戦やらを話合ったりしているなか、静かにいつものように目を閉じる、考えごとをするときの癖だ。
(今日の分の給料に幾ばくかの当たり首が欲しい所だな)
手持ちの残りを思い出しながら、勘定する。
金は好きだ、多ければ多いほどいいし、使うのも好きだ。
だから、早く戦が始まらないかと思う、今日一日を生き残って給金を貰い酒を飲むか女を買って抱く。
だから戦が早く始まって欲しいというのは嘘かもしれない。
何かが足りないのだ、昔から何かが足りないのを感じている。
いつもそうだ高い酒を呑んでもいい女を抱いても何かが足りない、満たされない。
けど、戦場で剣を振っている時だけはそれを忘れていられる。
だからこそ、はやく始まって欲しい。
(死なない程度に頑張るからさ)
そう思った瞬間に開戦の号令が鳴り響き、大声があがる。
その瞬間に口角が上がり目が見開く、その相貌はまさしく獣の様であった。




