さあ、旅に出ようか ~異世界召喚されたけど2~
「危ない!」
荒野を取り囲む森をひたすら東へ向かう途中、声がして振り向いたら、熊型魔獣をやたら軽装で両手にナイフを握った少女が倒したところだった。
ほう、二撃か。そんな武器と華奢な身体で、熊より大きな魔獣を倒せるとかさすがファンタジーだ。やっぱり身体強化系の魔法やスキルがあるのかね。
あるならぜひ使ってみたい。いや、あっても俺には宝の持ち腐れか。
「おおーっ」
パチパチと拍手したところ、少女がこちらをいぶかるような、何だこいつと侮蔑するような顔で、眉をひそめた。
「ちょっとあんた、なんでこんなところを、武器も防具も持たずに歩いてるわけ!? しかもその車輪のついた大荷物は何?」
「やっと生きてる人に会えた。このままこっちに向かえば、町か村に着くよな?」
はーっ、良かった、良かった。幸い召喚できる物に制限はなく、既に食べた物をもう一度召喚する事ができるようなので──何故なのかは考えない事にした──餓死する事はないだろうが、それでも限られた物しか召喚できないのは辛かった。
会話する相手がいないとか、一人きりとかいうのには慣れている。独り言を呟く癖はないが、毎朝ラジオ体操の掛け声は出していたので、喉や発声も問題ないはずだ。
この世界、実はもう人なんか生きてないんじゃね?と思い始めたところだったので、地獄に仏とまでは言わないが、それに近い心境である。
しかも、現地人と会話ができる。これは自動翻訳とやらだろうか。わからないが、いきなり言語の壁に阻まれなくて良かった。
英語は読むのは辞書が翻訳サイトの力を借りて、誤字や専門用語がなければギリギリなんとか、話せなんて言われるのは地獄に落ちろと言われるのと変わらないレベルである。英語以外の言語は察してくれ。日本人は日本語の読み書きできれば問題ないよな、と思いたい。
ゲームで使用言語の違いでイミフ展開とか、即ネットで解説サイト探す口だった。もちろんゲームは、発売後三ヶ月以上経っておおよその評価が出てから、もしくは廉価版が出てから買うタイプだ。ゲームに効率要求するなという正論は勘弁してくれ。
ゲームに限らず、やらずに済む苦労は極力したくない。できれば就職もバイトもしたくない。というか、異世界来ちゃったから、就職できなくないかね、マジで。
ここまで来る途中で、森の中を自転車で走るのは危険だと学習した。オフロードじゃない一万円未満の安い自転車だ。我ながら考えなしだったと思う。自転車ってきちんと整備された道で使用する乗り物だったんだな。今更、現代文明の恩恵を痛感する。
え? 夜はどうしてたんだって? 野営とか恐いから、ひたすら走り続けていたよ。でも、問題なかった。異世界補正ってすごい。いや、よくわからんが、たぶんそういう事なんだろう。ご都合主義万歳。
眠くならないってわけでもないけど、我慢しようと思えば我慢できる。食事や水分摂取は我慢したくない。性欲、は野外で露出する趣味はないので、何も起こるはずがない。トイレ? 禁則事項だ。
「え? ええ、そうだけど。そ、それよりこっちの質問に答えなさい。あんた死にたいの?」
「まさか。自殺志願者になった記憶はないな」
ただの通りすがりの異世界人です。
「だいたいなんなの? それは」
「人力で動く乗り物と邪魔な荷物、だな」
召喚した品物を元に戻す方法はわからなかった。切実にマニュアルか攻略本が欲しい。さすがに異世界にインターネットはないだろう。でも、せめて魔法とかそれっぽい不思議能力とか、ステータス表示とかインベントリまたはアイテムボックス的な何かが、切実に欲しかった。
あの串刺し男、次に会ったら絶対殴る。か弱い文明人を説明なしに強制的に異世界へ放り出すとか、殺す気なのか。自分を助けてくれとかいうやつの態度じゃない。
そんなことよりだ。へそ出し短パンに、ノースリーブのちびTもどき、膝上ブーツ。思い切り良いショートヘアーのお姉さんだ。ソフトモヒカンに近いショートでも似合うなんて、相当美形だな。正直ロングのが好みだが、似合ってるならどうでも良い。
ラテン系な顔立ちと、赤毛。大きな瞳と長い睫毛。好みではないが、綺麗な女の子は目の保養だと思う。危害を加えられなければ。
ボンキュッボンな体型も素晴らしいが、必見なのは短パンとブーツの間に見える健康的な足。できれば下着が見えるギリギリくらいの短パンで太もも見せてくれたら、涙出るほど感動したのに。胸より尻より、太もも派だ。あの太ももで膝枕されたい。ささくれた心を癒やされたい。できれば無償で。
しかし良いものを見せて貰った。ありがたや、ありがたや。見るだけならタダだしな、うん。
「ところでここから一番近い人の住む場所って、どのくらいなんだ?」
「あんた、ちっとも人の話を聞かないわね」
少女が呆れた顔になった。
「俺の特技は自分に都合の良いことしか聞こえないことだ」
もしくは、どうでも良いこと、都合の悪いことはスルーできる太い神経および強心臓。嫌われたからってそれが何?としか思えない。ぼっちではない。あえて一人なのだ。
下手に他人と群れたり、親切に振る舞うと、面倒くさいことにしかならないしな。別に人間嫌いとか不信とかじゃない。
でも、なんか相手のためにと思ってやった事で、嫌な目に遭った気がする。どうせ、思い出したところでどうにもならない過去なのだから、思い出す必要はない。精神衛生上よろしくない。
あれ? 時折昔のことを覚えてる? でも相変わらず名前や家族構成なんかは思い出せない。断片的な記憶から、たぶん大学生だったんだと思うんだが。
◇◇◇◇◇
やっと人が住んでいる街にたどり着いた。というか、何故か隣を歩いてお姉さんの案内のおかげなわけだが。初対面なのに親切だ。異世界補正でモテてるなんて事はないだろう。
蔑まれた目または呆れた目で見られるのがご褒美だと思える趣味はないし、モテてたらそんな目で見られる事もないだろう。そして、どうやら俺はそういった目で見られる事に、耐性というかある程度の慣れがあるようだ。
鏡がないから、自分がどんな顔なのかわからないが、女の子にモテるタイプではないようだ。だとしてもそうか、としか思えないが。
しかし、移動途中でネージュとはだいぶ親しくなった、と思う。気のせいでなければ。ネージュというのは赤毛ラテン系なお姉さんの名だ。雪なのに白くないのがちょっと不思議だが、気にしてはいけないのだろう。異世界だから使用言語が違ってて、意味も違うかもしれないしな。
ネージュは積極的に話しかけて来て、俺の名前とか故郷とか身分?とかを知りたがった。だが、自分自身に関する記憶がごっそりない俺に、自己紹介とかできるはずがない。
「ずっと西から来たんだ」
「あの乗り物で? 不老不死の魔王を封印した『封印の地』を越えて来たの!?」
「『封印の地』?」
なんだそりゃ。そういえば、あの串刺し男、魔王軍との戦闘やら魔族の襲撃がどうたら言ってたか。
「ええ、そう言い伝えられているわ。あの地より先に生き物はいないと思ってた。でも、あなたはあの地を越えた更に西の国からやって来たのよね。魔王を封じた『封印の地』は神槍の結界で覆われているらしいから、それを避けて来たのかしら?」
「少なくとも俺は、それらしき物は見なかったから、『封印の地』とやらの近くは通らなかったようだな」
「そう。運が良かったわね」
本当に運が良かったら、ここにはいないはずだ。苦笑いするしかない。っていうか神槍だの、封じられた不死の魔王って誰かさんそっくりだな。
「で、そんな危険をおかして、何をしにアレクラストへ来たの?」
アレクラストって地名だろうか、それとも国名? サッパリだな。
「見聞を広げたくて。というか実は買い物が目的だったんだが」
「あんた、ものすごく無茶したわね。誰かに止められなかった?」
「いや、どうやら途中で頭を打って記憶喪失になったようだ。実を言うと、自分の名前も、現在地が何処かも、地名も国名もわからないみたいだな」
頭を打ったかどうかは知らないが、記憶喪失なのは本当だ。
「え!? それ、大丈夫なの!?」
「幸い必要な物は持ってたからな。来たのが西からで向かった先が東なのは確実だ。けど所持金はないし、他にも不要品を売り払うつもりだが、金目の物がこれしかない」
金のメダリオンを見せた。
「ちょっと! こんなところで出さないで。危ないでしょ」
「ああ、すまない。それでこれを換金できる店を知りたいんだが」
「そうね。当座の生活費がいるもの。わかったわ。知り合いの信用できる店を紹介してあげる」
「ありがとう。助かる」
「たいしたことじゃないわ。それより気をつけて。そんなものを見せびらかしたら、強盗に襲われるわよ」
「わかった。気をつける」
確かに、ここは日本ではないのだ。初めて会ったのがネージュみたいな親切な女の子で本当に良かった。
「あと、この乗り物に乗せてある道具も売れるようなら売りたいんだが、何処で売れるかな?」
「そうね、雑貨屋かしら。しまってある方は、宝飾店で高額買い取りしてもらえると思うわ。念のため聞くけど、盗品じゃないわよね?」
「もちろん。先祖の持ち物らしいんだが、由来は不明だ」
飼い犬の迷子札、なんてことは言う必要ないだろう。かえって価値が半減しそうだ。金の良いところは、劣化しにくいこと、稀少で高価であること、加工・再加工しやすいことだ。
ネージュの案内で雑貨屋でスコップなどの不要品を売り、宝飾店へと向かった。俺達の格好を見て、店員らしき男が嫌そうな顔をしたが、メダリオンを見ると、表情が変わった。
「金貨二十枚か。これってすごいのか?」
「凄いに決まってるでしょ!! さっきの雑貨屋で売った物の合計が銀貨一枚と銅貨五十枚だったじゃないの。銅貨三枚でパンが買えるのよ?」
パンの大きさにもよるが、銅貨一枚で三十円から百円くらいの価値かね。だが、銀貨と金貨が銅貨何枚分かがわからないから、サッパリだ。
「銀貨3枚もあれば、一ヶ月の食費になるのよ。一年分の生活費で銀貨三十枚ちょっと。庶民が金貨を見ることは、生涯ないと思った方が良いわ」
ほうほう。でも、貨幣価値だけでなく、年月の単位もよくわからないから、参考にならない。
「変な格好してるからまさかとは思ってたけど、もしかしてあんた、貴族? それとも良家のおぼっちゃまだったりするの?」
「その辺は記憶がないから、サッパリだな。さて、次は着替えの服とか、日用品とか、身を守る武器や防具かな」
「それ、急ぐの?」
「無いと困るだろ。ずっと着たきりで、風呂にも入ってないんだ。いいかげん改善したい」
「風呂、ねぇ。……わかったわ。服は高いオーダーメイド? それともすぐに着られる古着?」
「そりゃすぐに着られる古着だろう」
「なら、おすすめの店を教えてあげるわ。ちょっと遠いけど、着いてきて」
俺は全く警戒しなかった。
◇◇◇◇◇
表通りから路地へと入り、どんどん細い道へと歩いて行く。何の知識も土地勘もない俺だが、これは裏通りというやつではなかろうか。周辺の建物もだんだんボロく、薄汚くなっていく。
「なぁ、ネージュ。本当にこんなところに古着屋があるのか?」
「あんたが心配になるのはわかるけど、土地が安いから、その分商品も安くなってる穴場の店よ。商品に問題はないわ。比較的新品で、質も良いの」
「へぇ」
さて、どんなところへ連れて行かれるのやら。そう思っていたら、周囲を薄汚い武装した男共に取り囲まれた。……途中から、こんな事じゃないかとは思ったんだが。
あれだよな、美人局とかの常套手段だよな。まだ何もしてないけど。
「念のため聞くけど、これ、わざとか?」
俺が尋ねると、ネージュが無言で冷笑した。さっきまでとは別人みたいな変貌振りだ。冷酷な女盗賊ってやつだろうか。なんか悪役顔になってるよ。
「どうして、こんな事を?」
まともな返事などあるわけないに決まってるけど、一応聞いてみようか。
「どうして? わからないのかしら」
いや、わかる。要は金目当てに俺を殺して奪い取ろうというわけだ。ネージュはカモを物色し、誘き寄せて仲間と共に襲って金や所持品を奪う盗賊だったというわけだ。良い人、親切な女の子、なんてのはただの幻想で思い込みだ。
裏切られたとわかっても、哀しみはなかった。ただ残念だと思う。この国の法がどうなっているのかはわからないが、おそらくこういったことは然程珍しくもないのだろう。俺が迂闊だっただけだ。
駆け寄って来た男に、剣で斬りつけられた。が、無傷だった。
「何!?」
ネージュも周りの男達も驚愕している。俺は思わず溜息をついた。
なんとなくそんな気はしていた。おそらく先に召喚された勇者、もとい魔王と呼ばれている有原隆と俺は、全く同じ能力を持っているのだろう。
髪どころか髭も伸びず、転んでも怪我どころか痛みもないことから、そうではないかと思っていた。
たぶん俺は魔獣に襲われても傷付かない。召喚された時の状態のまま、変化しないのだ、たぶん。だって、召喚された日からある親指の切り傷──皮一枚切れているだけで出血はない──がいつまでも治らないのだから。
幸い痛みはないが、目に入る場所なだけに気になってしまう。数日で消えるだろうと思っていたが、消えなかった。
俺も、この体質がバレたら魔王と、化け物だと呼ばれるのだろうか。残念だ。とても残念だ。試しに斬り掛かってきた男を殴ってみたら、殴った箇所が、スイカ割りのスイカみたいに弾けた。
脆い。なんて脆いんだ。
「ばっ、化け物!!」
まぁ、どうでも良いか。ネージュ以外に親しい知人がいるわけでもない。欲しいものや必要な買い物をすれば、この街にもう用はない。
逃げていく盗賊達を見送り、俺は街を出ることにした。買い物は他の町でする事にしよう。追いかけて来る者はいなかった。街の門を出たところで、自転車にまたがり、こぎ出した。
そういえば、俺はずっとこんな風だった気がする。むろん故郷では、人を傷付けたり殺したりした事は無い。だが、いつも一人で行動していた。
友達は全くいないわけではなかったが、多いというわけでもない。大学でサークルに入ったら同じ趣味の友達ができるかもしれないと思っていたような気がする。ぼんやりと。
『あなたは彼を殺したのよ』
思い出した。思い出してしまった。
『彼は生きていたのに、あなたが助けようとすれば助かったかもしれないのに、あなたは彼を見捨てたのよ』
雪山でコースをわざと外れたあいつが滑落したのは、俺のせいじゃない。あの時、日が暮れている上にふぶいていた。この視界の悪い状況下では、自分たちで救助しようとして二次被害を出すより、プロに任せるべきだと判断した。
騒ぐ彼女を宥め落ち着かせ、一刻も早く降りて救助要請するべきだと説得した。あの時の自分の判断が間違っていたとは思わない。彼女の説得にかかった時間が無駄だったとも思わない。
恋人が目の前で滑落して傷付き苦しんでいたら、パニックになり視野狭窄に陥ってもおかしくない。ただ、俺達がロッジにたどり着いて救助を頼んだ後、ますます天候が悪化したために救助が遅れ、彼が凍死したのは、俺達の判断のせいではなく、運が悪かったからだ。
しかし、だからといって割りきれないのが人情だ。だから、彼女が、彼の家族が俺を責めたのは仕方ない。理不尽だが、人間というのはそういう生き物だ。そうやって責める相手がいた方が救われる場合もある。
たら、れば、もしも。後から考えて後悔するのはおかしなことじゃない。
スキーやスノボするのにスマホを持たないのは普通のことだ。仮に持っていたとしても、あの天候で山の中だ。通じなくても不思議じゃない。
彼がコースを外れたりしないよう、もっと強く引き留めていれば? 彼の性格では、どれだけ止めてもかえって面白がるだけだっただろう。
あの日、あのスキー場へ行かなければ? それはあるかもしれないが、あんなことを繰り返していれば、その内また単独あるいは誰かと共に事故を起こしていたかもしれない。
あの時、俺達が自身で彼の救助に向かっていれば? 論外だ。もし、仮に上手く救助できたとして、どうやって彼を下山させることができた? 後の天候不順を考えれば、俺達も遭難していたに違いない。そして俺達がそうしたより更に救助が遅れていたかもしれない。
あいつに召喚される直前、俺は無気力になっていた。自殺なんてする気はない。だが、毎日のように責められ続けて、さすがにちょっとうんざりしていた。
彼女や彼の家族の他、彼や彼女の友人達にまで批難・罵倒されていた。せっかく入った大学を辞める気はない。だが、このままでは支障が出る。いっそ留学して、ほとぼりを冷ますのも有りかもしれないと、ぼんやり考えていた。
別に元の世界へ戻らなくても良いんじゃないか。少し前までなら決して思わないことだが、そう思ってしまった。
人は非合理的な情に左右される生き物だ。それは時に理不尽と感じられることもあるが、必ずしも悪いことではない。合理的なだけでは、人は生きていけない。
仮に、人が情に左右されないとしたら、家族をあるいは友人や恋人を救うために、悪人を殺した場合、情状酌量の余地など考慮に値しないことになる。
俺は、たとえ時に理不尽な目に遭うとしても、情のない世界よりも、情のある世界を望む。生きていても、情を、心を感じることのない生など、味気ないものじゃないか? それは、塩以外の調味料を使わない料理のような人生だ。合理主義も理屈も嫌いじゃない。だが、それだけではつまらないと思う。
人は生きていられればそれだけで済む生き物じゃない。なんのために生きるのか、何を望むのかは自由だ。それぞれ本人だけがわかっていれば良い。
何の目的や目標もなく生きられるほど、人は強くない。ただ生きているだけで、楽しみも喜びもない生き方は苦痛だ。
俺のように情の薄い人間でさえ、何かあれば心が、感情が動かされる。
正直なところ、あの串刺し男が、魔王だろうと勇者だろうと、どうだって良い。俺は人間で、情に左右される生き物だ。この世界に来たばかりの頃の俺なら、言われるままにあの大槍を抜いて、元の世界に戻っていただろう。
あいつが俺の記憶を封印して、自分の都合の良い知識だけを刷り込んだのは、あの時点では最善だった。元の世界の記憶があれば、あちらに戻りたいとは考えなかったかもしれない。そうなればあいつに言われたことなど最初から無視していただろう。
全てが無駄だったとまでは思わない。俺は身勝手な人間だが、一方の話だけを聞いて判断を下すことが如何に残酷かを知っている。
神槍と呼ばれる大槍に貫かれて封印される前の過去のあいつが、人々の幸福だけを願う善良な英雄だったとしても、現在のあいつはどうだろうか。
仮に、怨恨と憎悪と激しい怒りと復讐心を抱いた、不老不死の最強だったりしたら、それは災厄でしかない。
憐れで気の毒だとは思う。だが、今の時点であいつを救いに行く気はまるでない。善悪だとか、そういった理由で判断するつもりはない。あいつの望みが、全て忘れて元の世界へ戻り、平穏に暮らしたいと言うなら、たぶん俺は無条件であいつの望みを叶えるだろう。
しばらくは、ここがどういう世界で、何故こうなっているのか、それを探しに、知るために旅をしよう。しばらく使える現金は手に入れた。
さあ、旅に出ようか。
うっかり続きを書いてしまったので更新。
一発ネタに近いので、更に続きを書く予定はないです。すみません。
普段書いてるやつより、こっちのがファンタジーっぽいのかな、と思いつつ。
ファンタジー好きの友人に見せたら「ファンタジー? 相変わらずお前の書くのは夢がないな」って言われそうです。
以下修正
×攻略wikiやブログはないだろう
○さすがに異世界にインターネットはないだろう




