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第三節

 どうやら俺はエスパーちゃんだったようだ。

 と言うのは冗談で、能登さん(実名)の声を聞いたことがあると思ったのは、クラスメイトの能登美雪とそっくりだったからだ。まぁ姉妹ならそりゃ似てるわな。

 エレベーターホールでの能登美雪(以下美雪さん)とのエンカウントは、俺の素早いとんずらスキルによって事なきを得た。が、クラスメイトなので否が応でもこうして登校すれば会ってしまうわけで。

「お昼休みちょっと話があるから」

 朝一、下駄箱でそう死刑宣告をされた。それから昼休みまでの間、俺は美雪さんの姿を見るたびに脂汗をかいて体中を震わせていたら、後ろの席の山田が声をかけてきた。

「佐々木氏、さっきから何を怯えているで候?」

 山田は俺の唯一と言ってもいい、小学校からの親友だ。

「じつはかくかくしかじかでな……」

「それなんてエロゲ?」

「いや冗談ではなく俺はいったいどうしたらいいんだ……!」

「というか、その一件があったにせよ、何故佐々木氏は能登氏のことを恐れているのでござるか」

「あぁそれはな」

 以前、面白半分で学校裏サイトの人気女子スレを荒らしていたんだ。そしたら、たまたまあいつの名前も上がっていて、こいつ実は美雪さんのこと好きなんじゃね? みたいになって。まぁ匿名だし俺はそんなことお構いなしにどんどん炎上させていったら、なんと身バレした。

「ごめん、晒したの拙者」

「貴様ああああああ!」

「いやほんとごめん。まさか本人だとは思わなくて。確認する前にアップしてしまったで候」

「まぁ、それはいいんだ。自業自得だしな」

「寛大な処置有難き幸せ」

 それ以来俺は女子から批難の目に晒されて。イジメこそなかったが、俺のバラ色の高校生活はそこで幕を閉じたわけだ。もちろん、当の美幸さんとも一言も会話をしていない。

「あなる」

「なんだそれは」

「あーなるほどの略でござる」

「新しいな」

「まぁそれはそれとして、佐々木氏に一つ言葉を贈るで候」

 何か秘策でも……!?

「当たって砕けろ☆」

 人の話聞いてたのかこの豚野郎は。


     ◆

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