目覚めてからの物語
なんとなく思いついて書きました。
結構ありがちな話ですよねσ(^_^;)アセアセ...
俺は目覚める。
一瞬遅れてアラームがなる。
俺は枕元に置いてあるアラームがなっているスマートフォンを手にとり画面を見ずに手馴れた様子で鳴り止ませる。
むっくりと上体を起こした。
今日は日差しが入ってきて気持ちが良いな。
背中から暖かさを感じ、そう思いながら立ち上がる。
それにしてもアラームより早く起きるとは珍しいな。今日はなにか良いことありそうだ。
そんなことを考えながら寝ていた布団を押入れへと片付ける。
バタンと布団を折ったので埃が舞って咳き込んだ。
俺は寝ぼけ眼をこすりながら部屋を出て一階へと向かう。
ふわふわとした意識のため足取りが不安定だ。
手すりに掴まり、素足で階段を一歩一歩踏みしめながら降りていく。
ややひんやりとした感触が足裏に感じる。
冷たさで働きを取り戻しつつある脳がいつもとの違いを感じた。
いつもは味噌汁の匂いがここで匂ってくるはずなんだけどな。
我が家は毎日味噌汁ご飯におかずと完全に和だ。
母はいつも味噌汁を最初に作るので俺が起きて階段の真ん中くらいまでくるといつも匂って来る。
が、今日はなにも匂わなかった。
母さんたまには違う料理でもしようと思ってるのかな?
特に気にせず俺はそんなことを考えながら階段を降りた。
一階に降り立つとまた一つ疑問が生じた。
物音一つしないのだ。
すでにご飯が出来ていたとしてもなにか一つくらい音は出るはずだ。
「はは~ん、さては母さん寝坊か」
俺は顎に手を当て、キラリと目を光らせた。
しっかり者の母さんはいろんなところが抜けている俺によく注意していた。
起きるのも母さんが早いし、目が覚めても布団の中でぐ~たらしている俺とは大違いだ。
でも今日は母さんが珍しく寝坊している。
俺はこれをネタに母さんを弄ってやろうと考えた。
俺は漫画の泥棒みたいに足をソロ~リソロ~リと動かしていく。ノリノリである。
物音一つ立てずにリビングの扉に手をかける。緊張で手が汗ばむ。
気分はもう泥棒だな。
カチャ、と控えめな音を立てて、スーッと扉を開けていく。
二階には人がいなかった。正確には寝息が聞こえなかったんだけど。
ということは母さんは仕事から帰ってきて疲れたのか風呂に入るなど最低限のことをしてリビングのソファに倒れこんだ。
そう推測して俺はリビングに入ったのだ。
生活感の漂うリビングに入ると埃っぽい匂いが鼻に来る。
ハウスダストがダメな俺はすぐに鼻が詰まる。
自然と目も細めていた。
部屋は薄暗くなっていた。
緑色のカーテンを閉めており、ウッドデッキがある庭への窓はカーテンで遮られており見えなかった。
その部屋のこちらに背を向けているソファへと俺は近づいた。
足音を立てないようにそ~っと、そ~っと。
音がない音、とでもいうのか、無音の時に聞こえるキーンと言う音が耳に響く。
少ししか暗くなかったこともあり、すぐに視界はクリアになっていき細部まで見えるようになっていた。
俺は時間をかけてソファまで近づいた。
途中で、あれ? 時間やばくね? と思ったがご飯を食べないで飛び出せば十分間に合うと思い気にしなかった。
ソファの後ろまで来た俺は心臓がバクバクと早鐘のように動いていた。
ノリノリで行っていたこの行動で俺のテンションはかなり上がっていた。
俺は意を決してソファを覗きこんだ。
「……あれ?」
ソファには誰もいなかった。
思わず素っ頓狂な声を出し、首をかしげる俺。
それじゃあ、和室かな。
そう思った俺は覗きこんでいた体勢から先ほどまでの猫背で手を幽霊のように前に出すポーズをとり、和室へと向かう。
と、不意にカーテンの隙間から漏れる光に気づいた。
遊びに夢中で時間に気づかなかった頭はすでに覚醒していた。
そしてその漏れている光の意味にも気づいた。
窓の方角は西。太陽は東から昇って西に落ちる。
俺は急に心が冷めていき棒立ちになる。
そのまま無言で二階の自分の部屋へと戻るともう一度布団を敷き、夢の中へと逃げた。
やっぱりありがちでしたかね?σ(^_^;)アセアセ...
読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m