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犬とウサギと猫

俺は今、ちょっと前の俺を殴りに行ってやりたい気持ちになっていた。


とりあえず、リンカの目的の犬とかウサギとか猫のぬいぐるみは全部買えた。それはいい、リンカに貸しを作ったと考えれば特に問題はない、だが


「え~っ!! レンガの学校のクラスメートさん!?」


「うおー、あのレンガのやろーにこんなかわいいクラスメートさんだとー、ありえねーぜー」


「え、えっと、ちょっと大袈裟すぎないかな…」


…悪夢のトリプルバカが揃ったことは、完全に予定外だった。


思えば、このぬいぐるみを買いに行く時点でこいつに会うことを想定しておくべきだったのだ。こいつのことを会話中に思い出してたってのに俺ってやつは……


…気分が重くなっている今現在、俺達はトクガワの中にあるファーストフード店に入っており、三バカは楽しそうにトークを繰り広げていた、黒日々はまだ馴染めてないのか若干控えめな感はあるが。


まぁいいさ、飯食ったら先にマンガ買って帰るだけだ、後はバカ同士楽しくお喋りしてればいい。とか思ってると、ヒカリが俺の肩に手を置いて泣き真似しながら言ってくる。


「良かった良かった、新しい学校行ったらゲンもエイタもいないから完全に一人ぼっちだと思ったけどこんなかわいい女の子と仲良くなっていたなんて……ヒカリお母さんは感激です」


誰がお母さんだとか思いつつ、俺は言い返す。


「仲良くなんかなってねぇよ、こいつの作る部活の為に仕方なく一緒にいるだけだ、目的を達成したらこいつとなんかとっととおさらばだよ」


俺はあからさまに不機嫌そうな声で言うと、ヒカリはニヤニヤしてくる。こいつさっきから腹立つな…!


そして黒日々に向かって、ヒカリは言う。


「黒日々さん、レンガの言うことはね、全部ツンデレ変換していいからね? べ…別にこいつとなんて一緒にいたくないんだからね! って感じで」


「おおー、あざとい、つんでれんがはあざとい!」


「お前らは一回全力で殴られねぇとわからないみたいだな」


そう言うと、リンカとヒカリは両手を前に出してストップストップ! と言う、ったくこいつらは。


そんなやり取りを見て、黒日々はクスクスと笑って言う。


「二人とも仲が良いんですね、レンガと」


それに対し、ヒカリは頷いて言う。


「うん、幼なじみだからね! リンカちゃんはレンガの妹だし!」


黒日々はそれを聞くと、驚いた顔をして俺とリンカを見比べて俺に言ってくる。


「…なぜ妹さんはこんなに可愛いのにレンガはこんなにも可愛くないんだ…?」


「当たり前だろこのバカ、俺は男だぞ」


その時、何かを閃いたようにヒカリも続けて言ってくる


「た…確かに! 今まで幼なじみしててなんで気付かなかったんだろう……レンガもリンカちゃんみたいに可愛くてもアリなのに!!」


…なるほど、これがバカ連鎖ってやつか、そしてリンカはというと、さっきから言われてる可愛い発言に照れている、何照れてんだアイツは。


そして続けてヒカリは徐々にテンションを上げながら言う。


「ツンデレ系男の娘なら、需要も増えてたのに!」


何の需要だ。


そして黒日々が続けて言う。


「確かに、学校のアイドルになれていた可能性もある!」


「ねぇよ」


黒日々の言葉を聞き、俺はそう即答したが、二人はその言葉が聞こえなかったのように何かを考え、そしてヒカリは悲しそうに俺に言う。


「まさに、天は二物を与えず………残念だったね、レンガ」


「お前らの頭の方が大残念だ」


ついていけねぇな。俺はそう思い、注文して置いてあったハンバーガーを一気に食ってから席を立つ。


「あれ? どこ行くのレンガ?」


「マンガ買いにだよ、お前らはゆっくり食ってろ」


ヒカリの言葉にそんな返答をし、俺は書籍コーナーへ向かうことにした。さてと、買ったらそのまま帰るとすっか、面倒だしな。

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