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黒日々サイド:刀を持って器を制する

背後に万里チャイナ先輩が現れた時…斬りかかったが、あっさりと避けられてしまった、どうやらレンガも蹴りを避けられたらしい。


さて……どうするか、ここはやはり私が万里チャイナ先輩と戦うしかないな……例えレンガに言われようが、これは譲れない。


そう思った時、レンガは背を向けながら言う。


「…仕方ねぇ、黒日々………俺があのくそ生意気なエセチャイナ倒すまで、そいつの相手させてやるよ」


レンガは不本意そうに、そう言った。


私は一瞬、呆気に取られたが……素直じゃない、ぶっきらぼうな言い方に私は内心笑った……いや、嬉しいから笑ったのかな?始めてレンガに頼られた気がするしね。


…うん、その辺りのことはまた後で考えるとしよう………ともかく、私はそんなレンガに皮肉を込めて言った。


「ああ、わかった………だが、早く倒さないと…倒されてるかも知れないぞ?」


「はっ、抜かせバカ」


そう言って、レンガは万里チュウカ先輩の方に向かって行った…恐らく、ニヤリと笑っていたんだろうな。なんせ、私もこんな強そうな相手と対峙してしまって………笑みがこぼれちゃいそうだから。


さてと、レンガにああ言ったからには、勝たなければ、笑い者になってしまうな…!


私は万里チャイナ先輩を、真っ直ぐ見据える。


「なんだ、アナタもなんか意外とやる気満々アルねー、もっと大人しい子かと思ったアルよー!」


「…正直、今も緊張でいっぱいなところはあるでござりますが………それ以上に、今戦えるのが楽しみで堪らない限りです」


「そうアルか……でも、今から悔しくなるかもアルよ?」


「何故ですか?」


「それは勿論………私に負けるからアルよ!!」


そう言いながら、万里チャイナ先輩は後方に飛びながら何かを投げて来る……これは、クナイか?


私はカラクリ刀を握りしめ、飛んできたクナイを切り払う。


「アイヤー、やるアルね! それじゃあ…どんどん行くアルよ!!」


万里チャイナ先輩は、顔を悪どくさせながら一瞬で両手の指の間にクナイを五本ずつ挟ませ、私に向かって投げてくる。綺麗な軌道だ、叩き落とすのが惜しくなりそうだけれど…!


私はそれを少し名残惜しく思いつつ、全てのクナイを切り払う。


「あららー、まさか今のを避けるじゃなくて切り払うなんて……ウェスタンで弾丸斬って遊んでたりしてたアルか?」


「まさか、そんなことはしてませんよ。ただ、少々、刀を使って戦うのが大好きなだけです」


「それは奇遇アルね、私も刀好きアルよー? 但し、私が好きなのは……青龍刀アルけどね!!」


またも一瞬で武器……青龍刀を出しながら、飛び込むように斬りかかってきた。私はそれを後方に下がって避ける


「あり? 下がっちゃうアルか? なら…………さっきは前に転げたから、次は後ろに転けるまで、下がって貰おうアルかなー…………?」


万里チャイナ先輩が笑みを浮かべた瞬間……突如、先輩の靴の辺りからクナイが首を狙って飛び出して来た……! 


私はそれを咄嗟に首をひねって避けるが、先輩は更に上体を低くさせながら下から青龍刀を振り切って来る、私はそれを再び後方に下がって避ける。


「ほらほら、足止めさせないアルよアルよアルよー!!!」


更に追い討ちをかけるように、クナイを数十本投げつけてくる…私は自分に向かって来たクナイを体勢が整わない状態ながら、切り払うが肩や足にクナイがかする。これは、まずい……!?


「おー、やるアルね? じゃあ敬意を表して、私の武器、沢山見せてあげるアルよ」


そう言うと、先輩は黒光りしたトゲトゲの武器、鉄球をいつの間にか出して、振り回していた。


「……万里チャイナ先輩、一体先程からどこから武器を出しているのですか…?」


「ふふふ、女は常に隠し事持っているアルのに……これぐらいで驚いてどうするアル?それを言うなら、その刀の柄から刃が出るのはあり得ないって言わせてもらうアルよ?」


「…そうでしたか、詮索は確かに野暮というものですね……ならその隠し武器…全て、耐えきるだけです」


私は両手で刀をしっかり握り、突きの構えを取る。全く、本当に…………この学校は私の常識を砕くような人間が多いみたいで………ワクワクが止まらない……!


「…いい顔アルね、格好良すぎてほれちゃいそーアルよ………でもそういう子ほど………可愛い姿見たくなるのはご愛敬ってやつアルよねぇ!!」


先輩は叫ぶようにそれを言った瞬間、鉄球をこちらに向けて思いっきり投げてくる。流石に受けられそうにはないな。


だが………いつまでも、後手に回る気はない!!


私はそれを避けた後、左足に力を入れ……跳躍し、一気に間合いを詰める。


「わっ!?」


それを見て先輩は驚く、私はそのまま刀で腹部を狙って攻撃するが、またも先輩の手に一瞬で現れた青龍刀が、その攻撃を防いだ。


「ギリギリセーフ…アルね!!」


そしてもう一方の手に、手裏剣らしき物をいくつか指に挟んで、投げつけてくる。


私はそれを左足で地面を蹴って横に避けるが、その隙にチャイナ先輩は再び私と距離を取る。参ったな、レンガの時と違い、相手は遠距離を得意にしている、やりづらい。


「…参ったアル、まさか一気に接近出来るほどの技術…いや、身体能力持ちアルか………恐ろしいアルねぇ」


「褒めてくれて、ありがとうございます」


「褒めてねーアルよ、厄介な一年女子アル」


チャイナ先輩はムスッとした顔をして言った。さて…この距離…どうするか…………持久戦になれば、チャイナ先輩の武器を全てを無くし切れば、勝てる可能性もある……しかし、同時に不安も残る。


体力が持つかどうか……チャイナ先輩の武器を一発でもまともに食らえば、その隙を突かれて全身に刃物による攻撃を食らう可能性がある。


…うん、ゴタゴタ考えるのは止めよう。


シンプルに、やろうじゃないか。


「…ニヒヒヒ、その顔、やることわかったアルよ? 私の武器全部避けきって、私までたどり着いて一発決める、アルな?」


「無論、それしかありませんから」


「フフフー、案外君もバカアルかな?でも嫌いじゃないアルよ? さぁて………万里チャイナの武器倉庫、ご開帳アルー!!!」


私はその言葉を聞き終えたと同時に、疾走する。


チャイナ先輩は鎖鎌、ナイフ、手裏剣、包丁など多彩な武器を放って来る


まさしくそれは暴雨の如くで、正直言ってこの武器全てを即座に、そして全て投合していると考えると恐ろしい投合スピードだとも思うほどだった。


私はその中から私に向かって来る武器を切り払いながら避け、直進する。


「アッハッハッハ!!! いいアルいいアル!!! 楽しいアルよー!!!」


前方から、チャイナ先輩のそんな歓喜の声が聞こえてきた。


そんな声に、私も心の中で同意する。



ええ、私もです。っと。


刀で刃物を弾きながら進むが、身体中に刃物によるかすり傷がつき…いくつかのクナイが身体に刺さる。だが、致命傷には至らない………行ける!!


正面から放たれてくるクナイを避けた直後に、私は再び左足を軸とした跳躍を利用し、先ほどと同じ超近距離まで一気に詰めた。


(あの武器連射でも一気に詰めて来るアルか……!!)


チャイナ先輩は先ほどの驚愕とはまた別の表情を浮かべている。ここで決めなければ私は負ける、だから、絶対に決めさせてもらう!!


私はチャイナ先輩のアゴを目掛けて、刀を振るう。


しかし、やはりというべきか、それは再び現れた青龍刀によって防がれた。が、ここからだ。


私は鞘のスイッチを押し、刃を引っ込める。


と同時、私は左足回し蹴りをチャイナ先輩の右脇腹目掛けて食らわせる。


「っ…!」


チャイナ先輩は苦悶の表情を見せる。だが…まだだ…!


と思った時、腹部に激しい痛みを感じた。


見ると、チャイナ先輩が蹴りを放っており、それを私はまともに食らってしまっていた。くっ…!!


それに怯んだ直後、先輩は天井に付きそうなほどに跳ね、ニヤリと笑って言う。


「いいとこまで行ったアルが………これで終完アル!!」


その体勢からチャイナ先輩は鉄球をグルグルと目まぐるしく回転させて、放とうとしてくる。この距離で今のままじゃ、絶対に当たる


けれど


まだ………負けてられる、ものか!


私は柄のスイッチを押し、刃を出す。


同時に、回転によって勢いよく放たれる鉄球が私に向かって襲ってくる。


「残念、私の勝ちアルね!!」


私は刀を強く握り………



縦回転させるように、思いっきり投げつけた。



「なっ!?」


チャイナ先輩の声が聞こえたと同時に、無防備な私に鉄球の一撃をダイレクトに食らった


「っーー!!」


私はその一発を食らって、吹っ飛んでしまい…………そこで、私の意識は途絶えた。

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