チャイニーズシスターズアルヨー
バトルライフ高校、生徒総勢…………知らん、パンフレットにあったが忘れた…とりあえず半数ぐらいはバトルバッチ持ちだった気がする。
ともかく、この学校は3つの階に一年、二年、三年と分かれており。分かりやすく、一年は一階、二年は二階、三年は三階という構成だ。
4月に入ったとき、面倒だから三年を一階にしろやとか言ってた上級生がいたが、急所蹴られてKOされてたのは鮮明に覚えている、あの時は笑ったな………他の奴らに怪訝な目で見られたが。
そんなアホな話はいいとして、俺は今二階……つまり二年の教室に向かっている。
実は………俺はまず三年の連中と戦う前に、二年の連中に戦いをよく挑んでいた。
しかし、二年の連中にすら負け……いや、何故か負けることが多々だったため、5月中旬辺りから徐々に気力がなくなっていってたのだ。
まぁつまり…俺が負け…………いや、俺が主に4月に戦った連中は二年に多くいるのだ。
そんな二階への階段を歩いていた、その時。
「アイヤー! 待つアルよ、そこの男子高校生!」
「ここ、通りたければ我々の質問に答えるヨー!」
駒みたいに回転しながら、二階に上がる入り口前にまるで門番のようにチャイナ服とセーラー服が混ざったような服をつけた女が二人現れた………変なポーズを決めて。
「…誰だテメェら」
「ワタシは二年、万里チャイナアルよ!」
「私は二年、万里チュウカ、あるヨー!」
「「二人揃って、中国風万里姉妹アルヨー!!」」
…ひっじょうに面倒くさそうな奴らが現れたぞ…!とか思ってると、遅れて黒日々がやってくる。
「ん? 何を立ち止まってるんだレンガ…ってあれは…!?」
「知ってんのか? もしかしてバカ友か?」
「なんだバカ友とは、いるなら私は知りたいぞ…………だが、そんなことよりもセンスいい制服だな…あの人達」
…こいつのどうでもいい感想は置いといて、ともかく質問とやらを聞いてみるか。
「質問ってなんだよ、今こっちは二階に用があんだよ、さっさと言いやがれ。つうかさっさとどけ」
「君の誰にでもタメ口を使う精神にはある意味感服するよ私は」
黒日々がそんなことを言ってくる。んなもん感服されても嬉しくねぇとか思いつつ、エセチャイナ姉妹の様子を見ていると、一人がもう一人に耳打ちして言う。
「アイツアホだヨー、絶対」
「口悪いアルねー、ろくな大人にならないアル」
「聞こえてんぞエセチャイナ姉妹。いいからさっさと質問を言いやがれ! カンフーアクションしてぇんだったら、別でやってこい!」
俺がそう言うと、エセチャイナ姉妹は腕を偉そうに組んでこちらを見る、いちいちかっこつける必要あんのか。
「我々の問いは一つアルよ!」
「ずばり………君ら何年生あるヨー!」
「三年生」
俺はあっさりとそう答えた、すると、エセチャイナ姉妹は焦ったように道をあける。
「も…申し訳ないアルよ! まさか先輩とは思わなかったアルよー!」
「だからそんな偉そうだったあるネー! 申し訳ございませんヨー!」
「ったく、次から気をつけろよ」
「…レンガ、私たちはいち…ふもがぁ?」
余計なことを喋りそうな黒日々の口をふさぎつつ、二階への入り口に入ろうとした、その時
。
「あ!」
入り口前に見たことのあるさわやか野郎、足原シュウト……別名、足野郎が現れた。まずい…!
「君たちは昨日の………二年か三年に何か用なのかい?」
「ま…まぁな、いいからその口閉じろ、今すぐにだ」
「全く…君は相変わらず先輩への態度が良くないなぁ、少しは敬語、使った方がいいよ?」
「ば…バカ!」
足野郎がそう言った時…エセチャイナ姉妹がピクリと動く……面倒になる前にさっさと行くしか…!
と思った直後………俺はエセチャイナ姉妹に前後から首に青龍刀を向けられる。どっから出したこいつら…!
「アイヤー……どういうことアルかこれは?」
「まさか騙そうしたあるヨー?」
「…いや…まぁ、そいつは………その………」
まずい……このクソ足野郎のせいで面倒な状況に………とか思っていると、エセチャイナ姉妹は青龍刀を下ろす…なんだ? 許されたのか?
「まぁ私たちは優しいから、そんなのは許してやるアルよ」
「じゃあ一年生に対して言うセリフを代わりに言ってやろうあるネー」
そう言うと、俺と黒日々は二年の廊下まで押される。なんだよ、嘘つく必要なかったんじゃねぇか………無駄に考えた自分をアホらしく思うぜ……まぁとりあえず謝っといてやるか
「…嘘ついて悪かったな、ああ言わないと面倒になりそうだと思ってよ」
「気にしないでいいアル、概ね正解アルから」
はっ? と俺が思ったその時、エセチャイナ姉妹は廊下の左右に飛んで、ニヤリと笑って言ってきた。
「「ここを通りたくば、私たちを倒してから行くアルヨー!!」」
……意気揚々と、実に面倒くせぇことを、さっきまで予想していたことと同じことをエセチャイナ姉妹は言って来た。