部活メンバーを探せ、の巻
「という訳で、部活名は練習部に決まったぞ」
翌日、黒日々はあっさりと部活名を言ってきた。
「ほう、まぁ大分マシな名前になったじゃねぇか」
練習部ねぇ、まぁ確かに戦闘力を上げる訓練……いわゆる練習とも言えるし、悪くはねぇか。
「で、それを作るに当たって弊害があった」
「ん? なんだよその弊害って」
黒日々は、深刻そうに顔をうつむかせながら言った。
「…部員は、五名も必要らしいのだ」
「……それだけか?」
「そ…それだけだと!私と君を入れても二人、それから更に三人も入れなきゃいけないなど………これほどの苦行はないだろう!」
「その辺の暇そうなヤツに声かけて、とりあえず入っとけって言えばいいだろ、別にバッチ持ちじゃなくてもいいしよ」
「それは駄目だ、切磋琢磨する人数は多い方がいいからな……あとみんなでゆったり出来るメンバーもいなきゃ困る」
「ぼっちのくせに要求多いなお前」
「ぼっちというな! 大体、もう私はぼっちじゃない。レンガ、君がいるじゃないか!」
「いやだから俺はお前というバカと馴れ合う気もなきゃ友達でもねぇし」
「君のその発言を聞いて何人の者が説得力ねーよと思うことか」
「何がいいてえんだよお前は」
「最早君が否定しようが私と君は友人という事実が皆にしれわたってるということを言いたいのだ!」
はぁ…こいつは本当頭ん中太陽だな、俺とこいつが友達?猿が木から落ちるぐらいあり得ねぇな……仕方ねぇ、分かりやすくこいつの立場を教えてやるか
「全くやっぱりお前はバカだな……いいか? いきなり孤立してるヤツに、それもケンカ売って来たヤツに話しかけてる頭が残念なトンチンカン女と思われてんに決まってるだろ、現実見ろぼっち」
まぁ自分で孤立してるって言うのもなんだと思うが。そして黒日々は手をアゴに当てながら言った。
「むぅ……ぼっちぼっちと……君はそんなに私に『もうかりまっか?』とでも言わせたいのか?」
また会話のキャッチボールをやめて全力投球して来やがったなこいつは…! せっかく俺が分かりやすく言ってやったってのに…!
そして、こともあろうかため息を吐いて来やがった……何でこいつは俺がそれを要求したから仕方なくやってやろうみたいなため息吐いてんだ…!
「わかったわかった、仕方ない、じゃあ言ってあげよう。ぼちぼちでんなぁ」
「テメェが言ってんじゃねぇか……つうか言いたいとか言ってねぇ!!」
「全く……君はよくわからないな、会話のキャッチボールする気あるのか?」
「それはこっちのセリフだバカ女、それよかさっさと部員探しに行くぞ、善は急げだ」
「アテはあるのか?」
「はっ、任せろ、この2ヶ月の間に俺はあらゆる奴らにケンカ売って来たからな、アテなんて大量だ、テメェの要求に応じれるようなヤツを仕方ねぇから探してやるよ」
「それはありがたい……しかし、いくらそういう高校とはいえ、2ヶ月で大量と言えるほど戦ったのはすごいな……で、勝敗はどうしたんだ?」
「さぁ行くぞ」
「いや、勝敗は」
「うるせぇ行くぞクソッタレチクショウ」
俺は黒日々の質問を無視し、二年生の教室が存在する二階へ向かった。