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人魂

作者: 柴咲心桜
掲載日:2026/10/10

ここはどこだろう。

気が付くと無色透明な部屋にいた私。


「気が付いた?」


何者かが私の頭に直接話しかけてるような感じがする。


「うーうーうー」


思ったように言葉を伝えることが出来ない。


「あなたはまだ会話をすることが出来ない。肉体が形成されていないからね」


「うーうー」


「説明する。今のあなたは魂だけの存在。あとは、肉体が生成されるのを待つだけなの」


「うーうー」


「どうやって肉体が形成されるか知りたいの?」


「うー」


「それを教えることは出来ないかな。禁則事項に抵触するからね」


「・・・・」

禁則事項ってなんだろう。


「代わりと言ってはなんだけど今の君の姿を見せることなら出来るよ」


そう言うと声の主は私の前に何かを持ってくる。


「これはね。現世で発明された鏡というものだ」

言い放つと声の主が近付いてくる。


鏡か。


「君はね球体なんだよ」


「うーうー」


「球体っていうのはね。丸だ」


「神よ。その者の順番が来ました」


「そうか」


「うー?」


「どうやら時間が無いらしい。君の人生に幸多からんことを」


私はしばらく目覚めることはなかった。


☆☆☆


声の主の頭に聞こえなくなってからどれくらいの時間が経ったのか私には分からなかった。


落ち着いていてとても安心するような話し方だった。

あの声をまた聞きたい、そう思いながら私は新たな感覚に目覚める。


あれ、もしかして見えてる?

見えてはいるがここはどこだろう。真っ暗で何も見えない。


うっすらと見えてはいるがそれ以外は特に何も無い。


しばらくするとまた見てなくなる。


私はどうなるのだろうか。


もっと色んなのを見えるようになりたいな。

早く明るいとこに行きたいな。

暗い場所にいると不安と孤独に苛まれそうになる。


☆☆☆


神域にて。


「神様、あの魂に詳しく説明しなくても良かったのですか?」


「なんのことですか?」


「とぼけないでくださいよ!」


「あの魂はとても稀有なものでした。他者に教えられるよりも自分でしって言った方が後々の糧になると思い黙っていたんですよ」


「考えあっての行動だったのですね」


「流石の私も考え無しには行動に移しませんよ」


「どのようなものを与えたのですか?」


「さて、なんでしょう。忘れてしまいました」


「送り出してから一時間も経ってませんよ」


「過程はどうあれ、私たちに出来るのは見守ることだけですよ」

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