俺の若かりし頃の、”贈り物“とマンションの隣人になり、 そこから固い絆で繋がった!
俺の若かりし頃の、”贈り物“とマンションの隣人になり、
そこから固い絆で繋がった!
俺は天野卓52歳、つい3カ月前に離婚したばかりだ!
別れた嫁とは、結婚して18年で別れる事になった。
元妻との間には子供がデキず、子供の代わりに犬や猫を飼っては
いたのだが元嫁が俺に別れたいと言われ、俺は何も言わず元嫁の
言う通り”離婚した。“
ただ長く一緒に居ると? 子供も居ないしもう何年も妻とまとも
に話をする事もなくなった。
会話のない食卓、会話のない長い時間にお互い耐えられなくなった
のかもしれない。
俺は元嫁に、”ローンを終えた家と飼っていた犬と猫を妻に渡した。“
せめてもの妻への感謝の気持ちだと想い渡したのだ!
俺は一人元妻と暮らした家を出て、ワンルームマンションに引っ越す
事になる。
・・・そんな時、俺は一人の若い女性と出会った。
まさか? この子が俺の若かりし頃の贈り物だと後に気づくとは?
『”天野さん?“』
『えぇ!?』
『ああ、最近隣に引っ越してきた玉ノ井と言います。』
『ああ~隣の505号室に引っ越してきたの?』
『はい、これからよろしくお願いします。』
『別に挨拶に来なくていいのに、ワンルームマンションの場合は?
どんな奴が居るか分からないから、挨拶なんかしない方がいいよ。』
『・・・そ、そうなんですか?』
『ファミリー層に引っ越してきたんだったら、まあ~和菓子を
持って挨拶する人はいるだろうけど、ワンルームマンションの場合は、
みんなに挨拶なんか行かない方がイイって!』
『ああ、分かりました! ありがとうございます。』
『でも? なんかあったら俺に何でも言って、力になれるところは
力になるから!』
『はい。』
『じゃあ、これからもよろしく!』
『よろしくお願いします。』
・・・俺が引っ越してきてからかれこれ1年になるが?
隣の505号室はずっと空き部屋だった。
まあ~このマンション自体、人があまり入っておらず、
気は楽だったんだけど。
それか、なんかあるのかとも思ってしまう。
ただココに引っ越してきて何にも起きていないから俺は気にも
してないけどね。
まあ、不便と言えば? ”近くにコンビニがない、最寄りの駅が30分
以上かかる、周りにお店が少なく夜は電灯がついておらず暗い印象。“
だからあんな若い女の子が夜遅く仕事から帰ってくるなら大変だろうと
想っていたが、どうも彼女は車を持っているらしくマンション下のガレージ
に車を置いて帰ってくるから問題はないようだ。
ただ何故なのか?
彼女は仕事が終わり晩ごはんを作ると頻繁に俺の部屋のチャイムを鳴らし、
晩ご飯を一緒に食べないかと誘ってくるようになった。
俺はてっきりこの子が、”俺の事を好きなんだと思い込んでいたが、“
ある時、一緒に俺の部屋で晩ごはんを食べているとこんな事を彼女が
言い出したのだ!
『”天野さんって実は、私のお父さんなんです。“』
『えぇ!?』
『”玉ノ井って名前に聞き覚えがないですか?“』
『・・・玉ノ井?』
『じゃあ、言い方を変えますね! 若い時に一度だけ女性とそういう
関係になった事はありませんか?』
『・・・・・・』
『思い出しました?』
『・・・あぁ、あるけど? 本当に昔の話だよ、俺はまだ20代前半で
飲み屋で知り合った女性と一度だけそういう関係になった事がある。』
『”その女性が私の母親だと知ったらどうします?“』
『ど、どうしますって、俺にどうしてほしいの? 君がその時の俺の子
だと言いたいの?』
『そうです! でも信じませんよね?』
『”信じるよ、君はあの時の彼女によく似ているから。“』
『お、憶えてるんですか?』
『ごめん、今思い出した! 本当に目元が君にそっくりだ!』
『お母さん、もう亡くなって。』
『えぇ!? 病気か何かか?』
『事故で亡くなったんです。』
『事故?』
『10年前でした。私は義理の父親に育てられて、義理の父から
本当の父親は他に居るとその時聞かされました。』
『それで俺に会いに?』
『母が日記を昔から付けていて、そこにあなたの名前が書かれて
いました。あなたが父親だとも書かれていたんです。』
『・・・まさか? この年になってこんな事が起きるなんて!?』
『”娘が突然現れて嬉しいですか? それとも会いたくなかったですか?“』
『勿論嬉しいよ、俺は元妻との間に子供が居なかったし、このまま一人で
死んでいくモノだと想っていた! こんなに嬉しいことはない!』
『良かった、会いたくなかったって言われたらどうしようかと......。』
『そんな事言うはずがないじゃないか! 俺に子供が居たなんて、こんな
夢のようなことはないよ!』
『そんな風に言ってもらえて嬉しい! 私の本当のお父さんがどんな人
なのかどうしても会って見たかったから。』
『ありがとう、こんな親父に会いに来てくれて、凄く嬉しいよ。』
『”いい父親で良かった。“』
『俺もこんな大きな子供に会えるとは思ってもみなかったよ。』
・・・ここから俺は彼女と部屋を行き来して”親子の絆を深めていく。“
俺に子供が居たなんて、今は物凄く幸せだ!
もう子供には恵まれないとずっと想っていた。
元妻とは子供がデキなくて、何度も喧嘩になった事もあったし。
子供がデキない原因は俺にあると思い込んでいたから。
ああ~幸せな時間って急に来るんだな。
本当に有難いことだよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




