表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級美少女たちの攻防戦〜  作者: 沢田美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/36

SSS級なギャルとデート

 午後の授業も全て終わり、俺はそのままいつものように優里と一緒に帰ることになっていた。


 六限目の授業が終わり、教室は放課後特有の賑やかさに包まれている。部活に向かう生徒、友達と遊びに行く約束をする生徒、それぞれが思い思いに過ごしている。その中で、俺は机の上に散らばった教科書やノートを片付けていた。


 最近、柊とは喋れてないから少しだけ寂しいな……。そんな気持ちを抱きながらも、俺は優里と下校する準備をしていた。柊は、部活の見学に行くと言って、既に教室を出ていた。その背中を見送りながら、俺は少しだけ寂しさを感じる。


 でも、これも優里を守るためだ。偽の恋人として、できるだけ一緒にいる。それが、今の俺の役目だ。


「ねぇ、八杉っち。せっかく私たちカップルなんだからさ! カップルぽいことしよ!」


 優里はいつもの様子で俺に提案した。その声は、どこまでも明るくて、元気だ。カバンを肩にかけながら、キラキラとした瞳で俺を見つめている。


 コイツ、相変わらずブレないな。まぁでも優里の提案は良いと思った。ストーカーのことばっか考えてちゃ、いつか絶対悪影響が出てくるからだ。優里も、昨日の佐藤先輩との件で、少なからずストレスを感じているはずだ。だったら、少しでも楽しい時間を過ごした方がいい。


「ああ、そうだな。カップルらしいことな。まぁ俺は優里が笑ってさえいてくれれば、嬉しいんだけどな」


 俺は自然とそう口にしていた。別にその言葉に他意はない。ただ自然とその言葉を発していた。優里の笑顔を見ていると、こっちまで元気になる。それだけのことだ。


 そして、ふと、視線を優里に向けると彼女は顔を真っ赤にしていた。耳まで赤くなっている。その表情は、いつもの明るい優里とは違って、どこか初々しい。


「どうした? 体調でも悪いのか?」


 俺は、心配そうに尋ねる。優里の顔が、こんなに赤くなるなんて珍しい。もしかして、熱でもあるのか?


「い、いや! えと、その。八杉っち……その、いきなりはズルい……」


 どこか照れたような顔をしている優里を見て、俺は「うん?」と言葉を漏らす。ズルいって、何がズルいんだ? 俺は、何か変なことを言っただろうか?


「と、とりあえず! 今日はカフェに行こ!」


 そう言って、優里は真っ赤な顔を隠すように俺の手を引っ張って、教室を出た。その手は、少し汗ばんでいて、温かい。優里の体温が、俺の手を通して伝わってくる。


 俺は、優里に引っ張られるまま、教室を出る。周囲の生徒たちが、俺たちを見て小声で囁き合っている。


「あれ、川瀬さんと八杉って本当に付き合ってるんだ」


「羨ましい……」


「川瀬さん、めっちゃ嬉しそう」


 そんな声が、廊下に響く。俺は、少しだけ照れくさくなる。


 廊下を歩きながら、俺は優里の横顔を見る。優里は、まだ少し顔を赤らめていて、でもどこか嬉しそうだ。その表情は、どこまでも可愛らしくて、俺は思わず見とれてしまう。


 いや、見とれてない。ただ、優里の様子が気になっただけだ。


 俺はそう自分に言い聞かせながら、優里と一緒に学校を出た。


 校門を出ると、夕日が街をオレンジ色に染めている。七月の夕暮れは、まだ明るくて、心地よい風が吹いている。街は、放課後の学生たちで賑わっている。


「どこのカフェに行くんだ?」


 俺は、優里に尋ねる。


「えっとね、駅前に新しくできたカフェがあるの! インスタで見たんだけど、すごく可愛いの!」


 優里は、嬉しそうに言う。その瞳は、キラキラと輝いている。


「インスタか……俺、そういうの全然わからないんだけど」


「大丈夫! 八杉っちは私と一緒にいればいいだけだから!」


 優里は、満面の笑みで言う。その笑顔は、どこまでも明るくて、俺は思わず微笑んでしまう。


 俺たちは、駅前に向かって歩き始める。道中、優里は色々な話をしてくる。学校であったこと、友達のこと、最近ハマっているドラマのこと。その話は、どれも楽しそうで、優里の明るさが伝わってくる。


「ねぇ、八杉っち。最近、何かハマってることある?」


 優里が、俺に尋ねる。


「ハマってること? まぁ、最近見てるアニメが面白いかな」


「へー、どんなアニメ?」


「ファンタジー系のアニメなんだけど、世界観がしっかりしてて、キャラクターも魅力的なんだ」


 俺は、少し熱を込めて説明する。アニメの話をすると、ついつい熱くなってしまう。


「八杉っちって、アニメの話するとき、すごく楽しそうだよね」


 優里は、クスッと笑う。その笑顔は、どこまでも優しい。


「そ、そうか?」


「うん。目がキラキラしてる」


 優里の言葉に、俺は少しだけ照れくさくなる。


 そして、俺たちは駅前に到着した。駅前は、多くの人で賑わっている。学生、サラリーマン、主婦、様々な人々が行き交っている。


「あ、あそこ!」


 優里が、指差す方向を見ると、そこには可愛らしい外観のカフェがあった。白を基調とした外観に、ピンクの看板。窓には、可愛らしいイラストが描かれている。


「わー、本当に可愛いな」


 俺は、素直に感想を言う。


「でしょ! じゃあ、入ろ!」


 優里は、嬉しそうに俺の手を引いて、カフェに入る。


 店内は、外観と同じように可愛らしい内装だった。白とピンクを基調とした壁紙、木製のテーブルと椅子、壁には観葉植物が飾られている。店内には、若い女性客が多く、インスタ映えを狙って写真を撮っている人もいる。


「いらっしゃいませ! 二名様ですか?」


 店員さんが、笑顔で迎えてくれる。


「はい、二名です」


 優里が、答える。


「こちらへどうぞ」


 店員さんは、俺たちを窓際の席に案内してくれた。窓からは、駅前の風景が見える。


 俺たちは、席に座る。優里は、嬉しそうにメニューを見ている。


「わー、どれも美味しそう! 八杉っち、何にする?」


「まぁ、コーヒーでいいかな」


「えー、せっかくなんだから、もっと可愛いの頼もうよ! ほら、このパフェとか!」


 優里は、メニューの写真を指差す。そこには、色とりどりのフルーツとアイスクリームが盛られた、巨大なパフェの写真がある。


「いや、俺そんな甘いの食えないぞ……」


「じゃあ、私が頼むから、一緒に食べよ!」


「は?」


「カップルなんだから、一緒に食べるの当たり前でしょ!」


 優里は、ニヤリと笑う。その笑顔は、どこか悪戯っぽい。


「わ、わかったよ……」


 俺は、諦めて頷く。


 優里は、嬉しそうに店員さんを呼んで、注文する。


「いちごミルクパフェと、アイスコーヒー二つお願いします!」


「かしこまりました」


 店員さんは、メモを取って去っていく。


 俺たちは、料理が来るまで、他愛もない話をする。学校のこと、友達のこと、最近あったこと。その時間は、どこまでも心地よくて、俺は少しずつリラックスしていく。


 優里といると、不思議と緊張しない。いつもの明るさと、優しさが、俺を包み込んでくれる。


 しばらくして、料理が運ばれてくる。


「お待たせしました。いちごミルクパフェと、アイスコーヒー二つです」


 店員さんが、テーブルに料理を置いていく。パフェは、写真で見たよりもさらに大きくて、色とりどりのフルーツが美しく盛り付けられている。


「わー、すごい! 可愛い!」


 優里は、目を輝かせながら、スマホでパフェの写真を撮る。その姿は、どこまでも楽しそうだ。


「じゃあ、食べよ! 八杉っち、あーん」


 優里は、スプーンにパフェをすくって、俺の口元に持ってくる。


「え、ちょ、待て……」


「いいから! あーん!」


 優里は、強引に俺の口にパフェを運ぶ。その感触は、冷たくて、甘い。いちごの酸味と、ミルクの甘さが、口の中に広がる。


「……美味い」


 俺は、素直に感想を言う。


「でしょ! じゃあ、次は八杉っちが私に食べさせて!」


「は?」


「カップルなんだから、お互いに食べさせ合うの当たり前でしょ!」


 優里は、口を開けて、俺を見つめる。その瞳は、期待でいっぱいだ。


「……わかったよ」


 俺は、諦めてスプーンにパフェをすくって、優里の口元に持っていく。


「あーん」


 優里は、嬉しそうに口を開けて、パフェを食べる。その表情は、どこまでも幸せそうだ。


「美味しい! ありがとう、八杉っち!」


 優里は、満面の笑みを浮かべる。その笑顔を見て、俺は少しだけ胸が温かくなる。


 いや、温かくなってない。ただ、優里が喜んでくれて、嬉しいだけだ。


 俺たちは、パフェを食べながら、他愛もない話をする。その時間は、どこまでも楽しくて、心地よい。


 ふと、優里が真剣な表情で俺を見つめる。


「ねぇ、八杉っち」


「ん?」


「本当に、ありがとね。私のために、偽の恋人になってくれて」


 優里の声は、どこまでも感謝でいっぱいだ。その瞳には、涙が浮かんでいる。


「気にするな。困ってる奴を放っておけないだけだ」


 俺は、素っ気なく答える。


「でも……八杉っちのおかげで、私、すごく安心してるの。一人じゃないって思えるから」


 優里の声は、震えている。その表情は、どこまでも真剣だ。


「……優里」


 俺は、優里の名前を呼ぶ。


「私ね、八杉っちと一緒にいると、すごく楽しいの。本当は、こんな状況じゃなくて、普通に……」


 優里が、何かを言いかけた時、俺のスマホが鳴る。


 俺は、スマホを取り出して、画面を見る。銀咲からのメッセージだ。


「佐藤先輩が、学校の近くをうろついてるらしい。気をつけて」


 そのメッセージを見て、俺は少しだけ緊張する。


「どうしたの?」


 優里が、心配そうに尋ねる。


「いや、銀咲から。佐藤先輩が、学校の近くをうろついてるらしい」


 俺の言葉に、優里の表情が曇る。


「そっか……」


 優里の声は、小さくなる。その表情は、少しだけ不安そうだ。


「大丈夫だ。俺がいるから」


 俺は、優里に言う。


 優里は、少しだけ安心したような表情を浮かべる。


「うん。ありがとう、八杉っち」


 優里は、小さく微笑む。


 俺たちは、パフェを食べ終えて、会計を済ませる。


 店を出ると、外はすでに夕暮れ時だった。空は、オレンジ色から徐々に紫色に変わっていく。


「じゃあ、送ってくよ。優里の家まで」


 俺は、優里に言う。


「ありがとう。でも、八杉っちの家、反対方向じゃない?」


「気にするな。優里を一人にするわけにはいかないだろ」


 俺の言葉に、優里は少しだけ嬉しそうな表情を浮かべる。


「八杉っちって、本当に優しいね」


「優しくなんかない」


 俺は、素っ気なく答える。


 俺たちは、優里の家に向かって歩き始める。


 道中、優里は俺の腕に寄りかかってくる。その体温が、俺の腕を通して伝わってくる。


「ねぇ、八杉っち」


「ん?」


「今日、すごく楽しかった。ありがとう」


「……どういたしまして」


 俺は、小さく答える。


 そして、俺たちは優里の家に到着した。


「じゃあ、また明日ね」


「ああ、気をつけて」


 俺は、優里に言う。


 優里は、少しの間俺を見つめた後、小さく微笑む。


「八杉っち、本当にありがとう。おやすみ」


「ああ、おやすみ」


 優里は、家の中に入っていく。その背中を見送りながら、俺は小さく息を吐いた。


 今日は、楽しかった。


 優里の笑顔を見ていると、こっちまで楽しくなる。


 でも、これは友達としての感情だ。恋愛感情じゃない。


 俺はそう自分に言い聞かせながら、家に向かって歩き始めた。


 でも、心の奥底では、少しだけ揺らいでいる自分がいた。


 その事実に、俺はまだ気づかないふりをしていた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

このお話が少しでも面白いと感じていただけたら、ぜひ「♡いいね」や「ブックマーク」をしていただけると嬉しいです。

応援が次回更新の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ