色々あっても日は登る
「ねえ、一千万ゴールド」
「なんだ?そりゃ俺のことか?」
一千万ゴールドはギャンガルドに掛けられた賞金金額だ。
「嫌ならギャンギャンって呼ぶけど?」
「・・・・どっちかっつったらそっちにしてくれ」
セインの隣にたたずんで、じっと棺を見ていたキャルが、急に声を上げた。
この呼び方は、今までのギャンガルドの仕打ちに対する嫌味らしかった。
「この人が亡くなったのはいつ?」
「ああ。もう一月経つな。この石のおかげで、生きてるみてえに見えるけどよ」
棺の花の周りに置かれた青い石は、彼女の一族にまつわるものだという。
「けど、もういいやな」
ふわふわ浮かぶ飛石を捕まえて、棺の横に据えられた台の上に置くと、青い石は一斉に浮き上がって、光の粉になって砕け散った。
きらきらと輝いて、すうっと、消えてなくなってしまう。
あたりはまた、闇に閉ざされる。
「誰に殺されたのか、分かっているの?」
「・・・名前まではわからねえ。が、見た奴の話じゃ、真っ黒いフードを目深にかぶった、左頬にでかい傷のある男らしい」
ことり、と、ギャンガルドが飛石を台座から外す。
「・・・見つけた」
再び灯った飛石のおぼろげな光だけが浮かぶ闇の中に、キャルのかすれた声が響いた。
「お嬢ちゃん?」
「あんたの奥さんを殺した奴は、あたしのパパとママも殺したの」
搾り出すような声音に、ギャンガルドは眉根を寄せた。
「キャル、もしかして・・・?」
「そうよ。あたしが賞金稼ぎをする理由。それがその男よ」
キャルはギャンガルドに飛びついた。
「奥さんが殺された場所はどこ!?」
その剣幕に、ギャンガルドは溜め息をついた。
「なあ、お嬢ちゃん。キャロット?なんでお前さんの両親を殺した奴が、こいつを殺した奴と同じだと分かるんだ?特徴が似ているだけかもしれねえだろ?」
「分かるわ!あんたの奥さん、服で隠してあるけど肩からばっさり切られてる。傷の方向からして後ろからよね。それで、このきれいな切り口。一緒なのよ!パパとママと!」
遺体を見て、きれいねと呟いたのは、肩口から覗いた傷跡を見てのことだったのかと、セインは驚愕した。
「そして左頬の傷!口元から目尻にかけてのもののはずよ。あたしが付けた傷だもの。間違えようがないわ!」
掴み掛かるキャルに首を振り、ギャンガルドは背を向けて歩き出す。
「とにかく、ここを出ようぜ。悪いが、そんな話をこいつの前でしたくねえ」
はっとしたキャルは、スカートの裾をぎゅっと掴んで俯いた。
「ごめんなさい」
小さく呟いた言葉に、ギャンガルドはかすかに振り向いて笑った。
外へ出ると、クイーン・フウェイル号一同が、勢ぞろいで待っていた。
日は昇って燦々と光を降り注ぎ、とうに朝が来ていたことを伝え、洞窟内とは打って変わって、さわやかな空気が肺を満たす。
肩にロープを担いでいたり、救急箱を抱えていたり、縄梯子を運んでいたりと、面々の、大そうな救助道具にギャンガルドは笑い、ラゾワは三人の顔を見て腰が抜けたようにしゃがみこみ、タカはキャルに泣きついた。
あの、洞窟内での別れ際の騒動に、ラゾワは心底心配したらしい。
船の乗組員全員かき集めて、援護ではなく、救助を求めたのだ。
「大げさだよまったく」
笑いがおさまらないギャンガルドに、ラゾワが喰って掛かった。
「だってキャプテン!あれじゃあ間違いなくキャプテンが悪者ですって!」
怪我人に鎖を巻いてそのまま連れ去り、本来の目的だった、探していたはずの部下は置き去りにし。
「キャプテンのことだから、絶対楽しんでるだけだって自信はあったっすけど、相手が相手だし!お嬢なんか、まだぜんぜん子供なんスヨ?!」
興奮しすぎて語尾が裏返っている。
「ああ、わかったわかった、俺が悪かったよ」
降参のポーズをとるギャンガルドに、ラゾワの次はタカが喰って掛かる。
「まったく、弁当食いそびれたってみんなから苦情が来るし、その分また飯作んなきゃいけなかったし!キャプテンもう少し自重してくれねえと!」
「うー、俺お前にまで怒られるの?」
情けなくも眉尻を下げるギャンガルドに、タカは額を押さえて唸った。
「うっわ自覚ないんだ!キャプテン今日の昼飯抜き!」
「げ!」
もみくちゃである。
「あの、みんな。もうそれくらいにしてやってくれないかな?」
おそるおそる、セインが口を挟んでみる。
確かにはちゃめちゃだったが、ギャンガルドにも、部下に知られたくない秘密があったわけで。
結局は、その手伝いをさせられただけだったのだから、今となっては、セインはそんなに怒ってはいなかった。
だからといって、ギャンガルドを信用したわけでもないが。
「旦那!あんな目に合っておいて!うう、申し訳ねえ!」
「肩の傷は大丈夫かよ?」
わらわらと囲まれた。
「ああ、もう大分傷は楽だから、気にしないで。それより、タカ、君のお弁当、僕らも食べたんだ。食いはぐれた人がいるって、ごめんね?」
「その謙虚さをキャプテンに分けられたらなあ!」
「違いねえ!分けれるモンなら分けてくれねえか?!」
「む、無理だよ」
思わぬ再会がうれしかったのだろう、我も我もと集まるものだから、背の高いセインが埋もれるほどだ。
「お嬢も大変だったなあ」
セインと並んでいたキャルも、必然と囲まれて、小さな彼女は早々に埋まってしまっていた。
「・・・どっちかっていうと、今のほうが大変だわ」
埋もれるだけ埋まって、キャルがぼそりと呟いた。
心なしか元気の無いキャルに、タカは景気付けだとばかりに朝食を差し出した。
「腹が減ってんじゃねえかと思ってな。ちゃんとしたのは船に着いたら食わしてやるから、まずこれ食べな!」
元気がないときは食うに限る、とはタカの持論なのだが、人間、腹が減っていては思考も偏る。
バスケットの蓋を開けたとたんに、キャルの目が輝いた。
その様子を見ていた一人が、
「なんだ、お嬢もゲンキンだな!」
と言ったものだから、どっと笑いがあふれた。
その様子に、セインはほっと安堵の息を漏らす。
「おめえも苦労してんなあ」
「いや、僕もキャルには助けられっぱなしだから」
目を細めてキャルを見つめるセインに、ギャンガルドが、今度は溜め息をつく。
「な、何?」
この二人は、自分達の気持ちに気がついているのかいないのか。
特にセインに至っては、キャルの言うとおり、歳を取りすぎてボケてしまっているのだろうか。
「それにしても、すんげえ歳の差だな?」
にやりとそんなことを言うギャンガルドに、セインは何のことだか分からなくて、首を傾げる。
「さっきから、いったい何のこと?」
「いんや?気にすんな。それより」
そんなセインの視線を一回かわし、もう一度、今度はずいっと顔を近づけた。
「俺のカミさんのことについては、黙っといてくれてありがとうよ」
にかっと笑う。
話を上手く逸らされたような気もするが、セインもにっこりと、微笑んで返した。
「いや、こちらこそキャルを気遣ってくれて、礼を言うよ。ありがとう」
「・・・」
「だから何?」
自分の顔をまじまじと見つめながら固まるギャンガルドに、セインは訝しげに眉をひそめた。
「いや、怖くない微笑もできるんだなあ、と」
「・・・・君さ、僕をなんだと思ってるの?」
「できれば今からでもかっ攫っちまいたいくらい欲しい大賢者」
即答で、けろりと返される。
「・・・・あ、そうですか」
冗談なのか本気なのかといえば、彼のことなので本気なだろう。無理だとわかっているから手を出さないだけで。
やっぱりギャンガルドは苦手だと、セインは思う。
人生を常に面白おかしく謳歌しようという心意気は認めるが、人を巻き込むのは是非止めていただきたいものだ。
しかし、苦手といっても聞いておかなければならないことがある。
ふう、と一呼吸して、セインは海賊王の目を見た。
「あの。君の奥さんなんだけど・・・」
聞きにくいことだが、確認を取らねばなるまい。
キャルのためにも。
セインは声を小さくしてギャンガルドに訪ねた。
「ああ。多分、お嬢の言う男に、殺されたと見て間違いないだろ」
何故殺されたかといえば、多分に海賊王の伴侶だったからだろう。
「どうしようもない怒りだな。この感情は」
いつもの飄々とした表情は消えうせ、彼の瞳に、暗い光が宿る。
「復讐しようとは・・・?」
「・・・・・思うが、だからといってあいつが帰ってくるわけでもねえ。行先で、もしその男に会うことがあったら、迷わずに切り捨てるだろうがな」
静かに語るギャンガルドの目には、先ほどまでとは違った、炎のような光が揺らめいていた。
「お嬢ちゃんの気持ちも分かる。経験者だからな。だからといってあんなちっせえ体に、んなくだらねえ重荷を背負わせることもないだろ」
今度はにやりと、例のあの笑顔で、白い歯を見せる海賊王に、セインはまた笑った。
「本当に、掴み所が無いよね。君は」
「かっこイイだろ?」
「さあ?それはどうかな」
笑いあう二人に、ラゾワがびしっと指を差す。
「ああ!何を二人で楽しそうにしてるんすか!」
「だからラゾワ。君、人を指で差すのは良くないって」
そんなやり取りをしているところに。
「うわあ、やな鳴き声聞いちゃった」
キャルが青ざめた声を出した。
「キャル、それってもしかして・・・?」
セインの顔も青ざめた。
「もしかしなくっても、そのもしかしてよ!」
わけの分からない二人の会話に、海賊達が首を傾げたときだった。
「クエエエエエエエエエ!」
「来たー!」
三つ足の巨大な怪鳥が、何故か朝日を背中にしょって現れた。
「何だありゃ?」
のんきなギャンガルドに、キャルが叫ぶ。
「ロックバードよ見て分かるでしょう!?」
「いや、普通は分からないと思うよ?」
冷静にツッコミながら、セインは走る。
「どわああああ!」
見たこともない伝説の巨大な鳥に、海賊達は色めき立った。
「ケエエエエエエ!」
また鳴き声がすさまじい。
「うへえ!なんだあ?ありゃ」
「うわうわうわ!」
急降下で襲ってくるのを、一斉に転げるように地に伏せてやり過ごす。
「ああ!俺の髪!」
「禿げた!」
「タカの仲間入りはごめんだ!」
「あんだとコラ!飯抜かすぞ!」
何人かが、頭を大きな爪に掠められて、髪の毛を剃られた。
「とにかく、撤退!」
穏やかだった空気は一転。
全員がクイーン・フウェイル号へと走り出した。
わあわあと急いで全員が乗り込んで、わあわあと点呼を取って、わあわあと船出する。
何人かは嘴で毟られて少々禿げた。
泣いた。
「あー、いろんなことがあってすっかり忘れてたわね」
とにかく何とか無事に島を離れてから、ぴたりとロックバードの襲撃は止み、やっとのことで、切れた息を整えた一行は、一気に脱力感に襲われた。
「そういや、ロックバードがいるって、旦那もお嬢も言ってたっけな」
ラゾワがぼそりとそんなことを言ったので、仲間達から、そういうことは早く言えだの、なんで忘れてるんだだの、ぼこぼこと頭を殴られている。
「日が昇ったから、出てきたんだねえ」
ずれた眼鏡を直して、太陽に手をかざすセインに、わけが解らないというように、水をジョッキ一杯飲み干してから、ギャンガルドが喰って掛かった。
「昨日はいなかったぞ!?」
「あ、それ多分、僕らを襲ってたからじゃないかなあ?」
もう疲れた、というように、船の縁にのしかかってだらしなく伸びるセインに、ギャンガルドは息をつきながらナルホドと納得した。
「あれ?何度かこの島を訪れているんじゃないの?君」
「今までだって来てるが、あんなのはいなかったぞ」
それは運が良いというべきか。
「あー、もしかして、一人で来てたでしょ?」
「!よく分かったな。こっそり小舟なんかで、こう、そそそっと」
奥さんのことを秘密にしていたなら、近くを通った時なんかに、一人で訪れていたに違いない。
「だからだよ。小舟だから、ロックバードも餌を運んでくる町の人たちと同じに見てたんだ」
「って、それって、えっと?」
引きつった笑みを浮かべるギャンガルドを、呆れ顔で見つめ返す。
「ここの人たちが、あの島で鳥葬をしているのは知っているよね?」
「あー、やっぱりか」
聖域になっているこの島を訪れるのは、亡くなった人を運んでくる小舟くらいのものだろうから、ギャンガルドが小舟で訪れても、ロックバードは餌を運んできた、くらいにしか思わなかったのだろう。だから襲ってこなかったのだ。
「なんか、餌ってな・・・」
「ロックバードにとっては、人の亡骸も餌ってことだよ。町の人がどう崇めていようともね」
「まあ、それで食べてもらって、天国へ行けるのなら、文句もないだろうしな」
物騒な会話を、海に向かってしていれば、タカが二人の間に割って入った。
「何気持ちの悪い話してるんスか」
「やあ、タカ。君のお弁当箱、あの島に置いて来ちゃったよ」
再びの怪鳥の登場で、キャルのカバンを死守するので手一杯だった。何せあのカバンがなくなってしまったら、キャルもセインも商売上がったりで路頭に迷う事この上ない。おまけにキャルに殴られるに決まっているのだ。
旅の不便なところは、大事なものまで一緒に持ち歩かなければならないことだ。
例えば身分証明にもなるキャルのハンターパスとか、商売道具(いわゆる各種銃火器)やら通帳やら財布やら。
おまけにキャルの着替えからお気に入りの小物まで。ぎっしりと詰まっているので、小さな車輪が付いているとはいえ結構な重さなのだ。
「今は僕が持ち運んでるけど、前はキャル一人で持ち歩いていたんだよな」
キャルって凄いなあ、などと、今更ながら変なところで感心してしまうセインだった。
「そんなことより、お嬢も旦那も、もちろんフウェイルで陸まで行くんだろ?」
そうだった。島に上陸したときにもらったボートは、あの騒動で島に置いてきてしまったままだ。
「ごめん、ギャンガルド」
「うへ、素直にあやまんなよ。鳥肌立っちまう」
「そうですよ旦那。あんなくらいのボートだったら、俺たち自分で作っちまうから気にすることはねえ」
どうやらクイーン・フウェイルに備えてあるボートは、全て乗組員が暇つぶしに作ったものらしい。
「へえ!凄いんだね」
「そんなことねえよ」
驚くセインに、タカは照れて禿げ頭を掻く。
「まあ、そういうことだから、ボートのことは気にすんな」
「そうよセイン。乗せて行って貰わなきゃ、陸まで帰れないんだから」
セインの脇から、キャルが顔を出して、三人の男の間に遠慮なく、ぐいぐいと入る。
「でもキャル、ノートをなくしてしまったのは事実だし」
「タカが気にするなって言ってくれたわ。それに、誘拐されたり拉致されたり監禁されたり脅されたり弄ばされたりした代償としては安いくらいよ」
鼻息も荒く、金髪の少女はふんぞり返る。
「うわあ、思いっきり変質的な犯罪者みたいっすね、キャプテン」
罪名がいちいち怪しいのはどうしたものか。
「まぜっかえすんじゃねえ!抵抗できねえだろうが!」
「いひゃいっひゅ、ひゃふひぇん」
つねって伸ばされて、両頬がびろんと伸びたままタカがしゃべるので、変な単語になる。どうやら、痛いっす、キャプテン、とか言っているらしい。
ともあれ、セインとキャル、ギャンガルド一行は、再びクイーン・フウェイル号に乗って、短い間だが、航海を共にすることになった。
相変わらず、ギャンガルドは信用されていないようで、セインもキャルも、彼だけには警戒心むき出しだったが。
その間、セインたちの地図と、海図をラゾワが見比べて、島の灯台もどきは当時のあの国の人たちに逃げ道を指し示すものであったことも判明したりと、ちょっとした発見もあったりした。
また、船の上ではあだ名で呼び合うものだと誰かが言い始め、セインの呼び名は大賢者にあやかって、グランローヴァから、グラン(本人はお爺さんみたいだからやめてくれと最後まで抵抗した)となり、キャルは二つ名からとって、ローズ(なんだかサスペンス小説ですぐに死んじゃう水商売の女みたいだからやっぱりやめてと本人は抵抗気味)と、勝手に呼び名を決められた。
しかし、ラゾワの本名がラルクント・ラゾッドだったのはまだいいが、タカの本名がキースウェル・ハートだったことには納得がいかないキャルだった。
これであんたらもクイーン・フウェイルの乗組員だと言われたのは素直にうれしかったが。
でも結局、呼びなれてしまったのは”旦那”と”お嬢”だったので、そう呼ばれることの方が多くて、安心した二人だった。
ギャンガルドを除く海賊達と、そんな妙な親睦まで深めて、二人は次の港町で船を下りた。
最後に、ギャンガルドがもう一度セインとキャルを誘ったが、それはやっぱり無下に断られて終わったりした。
大勢と過ごした時間は短かったが楽しく、キャルが両親を殺した男のことを口にしなくなっていたことに、セインは内心ほっとしていた。
賑やかな海の生活と、珍しい魚やタカのつくる美味しい料理などで、気をそらせてくれたならそれで良い。ひと時でも、キャルに楽しい時間を提供してくれたクイーン・フウェイルの皆に、セインは心から感謝した。
このまま忘れていてくれればと思うが、彼女が賞金稼ぎを続ける限り、それはありえないのだろう。
次に訪れた宿屋は、海の見える高台にあった。
窓から、港に浮かぶ帆船が見える。
目を細めて懐かしそうに海を眺めていたセインが、ふ、と、視線を室内に戻した。
「ああ、そうだ。キャル」
「何?」
別れ際。
ギャンガルドがセインに言った言葉を、今思い出したのだ。
それをキャルに耳打ちする。
二人でくすくす笑いあった。
「まったく、本当に油断も隙もないんだから」
「まさか、しっかりバレているとは思わなかったよねえ?」
船を降りるセインを呼び止めて、にやりと笑ってギャンガルドが言った言葉。
『早くお嬢と一緒に、気兼ねなく平和に暮らせる楽園なんかが見つかると良いな?』
キャルと一緒に、というところに、それはキャル次第だなぁ、などと海賊王の思惑に気づくこともなくセインは思いつつ、何でもお見通しの海賊王が、ああ見えて実はお節介焼きなことに、二人で笑いあった。
「さて、次はどこへ行きましょうか?」
「そうだねえ?」
今度は、二人一緒に買って来た地図を広げ、頭をつき合わせてお茶をすすった。
セインの淹れたお茶はやっぱりおいしい。
キャルが、窓から差し込むオレンジ色の光に、目を眇めて外を見やる。
今日の夕焼けはきれいだから、明日はきっと良い天気になるだろう。
「あ、そうそう。あのエルグランド島の獣達ね。ギャンガルドが開放したらしいよ?奥さんの墓を守らせるんだって」
「げ。じゃあ、あの島、今天然サファリパークなわけ?」
「街の人たちどうするんだろうねえ?」
「・・・・・まあ、いいけど?」
ちょっとしたオマケもついたが、海賊のおかげで、なんだかエルドラドに近づいたような気がした。
今回にてようやくHEAVEN!ヘヴン!HEAVEN!1、終了となります。
もう随分前に書いた小説ですので、今の流行ではないし誰も読んでいないだろうし、消してしまおうと思って見に来たら、チラホラ読みに来て下さっていることが判明。
ありがたい事です。
嬉しい驚きでしたが、以前事情があって1を消してしまっていまして、これがないと始まらないだろうと再度掲載を決めました。
この1がキャルとセインの物語として書いた本当に1作目になります。
小説家になろうのサイトそのものがまだ黎明期と言っても良い頃の作品ですが、最初の掲載当時は海外の方にも読んで頂き、結構上位に食い込んでいたのも懐かしく。
5が書きかけです。しばらくしたらそちらの続きも掲載し、細々とですがこのシリーズも最後まで書きたいと思います。
楽しみにしていただけたら幸いです。




