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三十話 果たし状

今日の朝から石月とランニングをする二人、だいぶ距離とペース配分に慣れてきたのか二人の足取りは軽く感じられた



「だいぶ慣れてきたなこのコース」



「そうですね、明日から少し距離を増やしてみますか?」



「そうだな、ちょっとばかしふやしてみるのもいいかもな」



「じゃあ明日から距離を増やしますか」




そのまま5㎞走りきり、いつも通り草むらに寝転がる



「ふぅー」



「お疲れ様でした」



「石月もお疲れ」




お互いを労いつつ、秀は携帯を開く



「ん、ヒロから不在着信が入ってる」




すぐさま折り返し電話をする






「もしもし、ヒロか」



「浅村君か、今家か」



「いや外にいるけど、どうかしたのか?」



「そうか、なら昼頃に家に来てくれないか」



「わかった、じゃあ昼頃に向かうよ」




電話を切って、ポケットにしまう



「何かトラブルですか?」




心配そうにこちらを見る石月



「分からない、ヒロが昼頃に家に来てくれだってさ」



「何かあったんでしょうかね?」



「焦ってた様子もなさそうだし大丈夫だと思うよ」




電話の内容を石月に言った後、二人は自分の家へと戻って行った










そして時は過ぎ昼過ぎ




―泉家―




泉家に入ると、すでに連と真也も来ていた



「おお浅村君、これで全員そろったな」




適当なところに席かける秀



「さてとでは始めるとするか」




ポケットから一枚の紙を取り出し、前の机に出した



“今日の12時に校庭で待っている”と書かれていた






「「マジで!!」」



「いやいや、早すぎだろ!?」




連と真也が驚く中、秀はいたって落ち着いていた



「いいじゃねぇか、重要なのは秋山と戦うってことだろ」



「………そうだな、今度は勝たなきゃな」




打倒秋山に燃える三人、そんな中、秀はひょんなことに気付いた



「ヒロ、そういや妹さんは?」



「ん、ああ、まあちょっとな……」



口ごもるヒロ、調子でも悪いのか


咳払いをして、話題を妹からそらし、ヒロはしめた



「総力戦になるだろう、だから今はゆっくりしてくれ」



「んじゃあ、俺は帰るわ」




秀に続くように連と真也も立ち上がり、泉家をあとにした




泉家から出て連と真也と別れ、秀は自分の家に戻り、玄関のドアを開けた時、家の中はごたついていた



「あ、秀!?良かった早く部屋に行って!!」




訳が分からず部屋に戻り、扉を開けると、そこには姉の咲恵とベッドに横たわる泉がいた



「泉さん!!」




すぐさま泉の元に駆け寄る



「今やっと寝たんだから静かにしなさい」



姉にどつかれ静かにする秀



「何で泉さんが………」



「それは私が説明するわ、とりあえず下に降りましょ」




眠る泉を見つつ部屋から出た三人は、リビングのソファに座っていた



「母さん、何で泉がいるんだよ」



「今日秀が外出した後インターホンがなったのよ、それで誰と思って電話ごしに話している途中に急に倒れたのよ」



「だったら何で救急車を呼ばないんだよ!!」



「私も呼ぼうとしたわよ………でも、彼女がはっきりとこう言ったのよ」






“やめてください、呼んだら殺られちゃう”



「確かに泉がそう言ったのか母さん」



「ええ、かなり弱ってたから部屋に入れたの、それで今寝たってことよ」



「そうか………ありがとう母さん、姉さん」



「どういたしまして、さて秀はあの子の所にでも行ってやりなさい」




母の言葉に首を縦に降り、リビングを出て階段を駆け上がり自分の部屋に入る


部屋にはまだ寝ている泉がいた。



「一体誰がこんなことを………そうだヒロに連絡しておくか」




一旦部屋から出て、ヒロに電話をいれるが、まったくつながらない



「寝てるのかな?」




後でまた連絡することにした秀は部屋に戻り今日のことを考える


自分が能力を手に入れて以来、初めて何もできなかった相手


一撃すらいれることもできず苦汁を飲んだ


正直秋山と戦うのは恐い


でも、もうこれ以上被害者を増やすわけにはいかない

だからこそ今日で







すべてを終わらせる!!










そして時は過ぎ、時刻は8時になっていた


早めに用意されていた晩飯にありつき、しっかりとエネルギーを補給する



「母さん、飯食った後連の家に行ってくるよ、もしかしたら今日は帰れないかもしれない」



「あらそう、夜坂君の家に迷惑かけないようにね」



「わかってる、母さんと姉さん、泉さんをよろしく」




晩飯を食べ終わった秀は、自分の部屋に戻り、泉が寝てること確認する



「俺達が今日全て終わらせてやるからな」




泉にそう呟くと秀は家を出て連の家に向かった










―夜坂家―



「そろそろだな」



「だな」




時刻は11時過ぎで、今までは作戦会議をひらいていたが、結局まともな案が何一つ浮かばず時刻が11時をまわっていた



「んじゃ、行きますか」





立ち上がった二人は、家を出て足早に学校へと向かった











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