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十八話 ゆめゆめランド2

カップルキャンペーンを使えるせいか、どれだけこんでいるアトラクションも最高30分程度待つだけで入ることができた


西脇がチェックしておきたいアトラクションはほとんど乗ることができたが、いろんな店を回っていたせいか、空は夕暮れで、ちらほらと帰る人達が見えてきていた



「もうこんな時間か、西脇そろそろ帰らないか」



「そうですね、でも少しベンチでくつろいでからでいいですか」




待ち時間はさほどなかったものの、歩き回って疲れた体をベンチに預ける



「「ふぅー!!」」



「どうだ?今日は楽しめたか?」



「はい♪浅村君のおかげでとても楽しかったです」



「そうかそりゃよかった」



「浅村君の方こそどうでしたか?」



「俺も十分楽しめたさ」



「あ、いや……元気出たかなって思って」



「元気?…………はははは、そういうことか」




西脇の一言ですべてを悟った



「泉さんだろ?俺をここに連れていってくれって言ったの、しかも俺の住所なんかも聞いちゃいない、よく考えればヒロが知ってるはずだ」



「そうです、泉さんから電話があったのは本当のことなんですが、ここに連れていってあげてって言われたんです、きっと負けたせいで立ち直れないんじゃないかもしれないから元気だしてやってくださいって言われて」





「なるほど……………でもな西脇、大敗の傷と元気はまた違うものだぜ、確かに泉さんと西脇のおかげで元気は出たけど今でも負けた時の映像が頭の中ではリフレインで流れてるんだ、だから………」



「はいストップ!!」




最後まで言い終わることもなく、西脇の人差し指が俺の口へとあてられた






「浅村君らしくないですよ」



「俺らしくない?」



「私の知ってる浅村君は今がたとえどんなに風向き悪くても、結局は私達にとっての追い風に変えてくれる、そんな存在なんですよ、ていうか浅村君自身が一番分かっているはずですよ、体験したのは浅村君なんですから♪」


満面の笑みを浮かべながら俺のことを励ましてくれる西脇はまだ続ける



「今がどんなに風向きが悪いかは私には分からないけど、浅村君ならきっと大丈夫です♪」



「何か根拠でもあるのか?」




俺の問いに西脇は首を縦に動かして答えた






「浅村君は風の使い手ですからね♪」




その言葉からは理屈も根拠も感じられなかった


しかし、自分には何かを感じ取っていて気づいた時には俺は笑っていた





「はははははは………そうか、そうだよな、風向きがわるけりゃ変えりゃいいだけだな」



「これで本調子に戻りましたか?」



「ありがとう、西脇のおかげでもう一度秋山に挑むことができそうだ」


「じゃあ行きましょうか♪」



すたすたと歩いていく西脇の後ろ姿に対して、俺は小さく“ありがとな”と呟いた後、何かを決心したような顔つきになった









(やるっきゃねぇか)











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