八話 活動開始
ストックがめちゃくちゃたまってるので、一日に数話更新していきたいと思います
翌朝の学校で携帯とにらめっこをする石月
「何朝からにらめっこしてんだ」
「見てくれたら分かると思いますよ」
深いため息を吐き、秀に携帯を見せた
「受信メール画面がどうかしたのか?」
「見てほしいのはこのメールからの日付と時間です」
カーソルをあわせたメールは昨日の8時頃と表記されていた
「この時間帯は走り込みが終わった時間だよな」
「問題はここからですよ」
そこから方向キーの上を押した時におもわず絶句してしまった
「何だよ……これ」
1分間位の等間隔に送られたメールの数は30を越えていて
送信者もほぼバラバラと言ってもいいだろう
「メールで説得するつもりだろうけど、ここまできたら嫌がらせレベルだな」
「確かにこの量は以上だけど、陸上部の人も悪気があったわけじゃないと思うんだけど」
「返信したのか」
「できるわけないよ、この量はだよ」
確かにこのメールの量を返すのはしんどいではすまない話だ
「部長あたりにガツンと言ったらいいんじゃないかな」
「そんなこと……」
「言わなきゃ続くと思うよ、このメール」
「………考えとくよ」
少しうつむきかげんの石月を見て、この話を打ちきった
「そういや石月、泉さんに言っただろ」
「ご、ご、ご、ごめんなさい、泉さんがしつこく聞いてくるからつい」
「まあそのおかげで、実行委員会を手伝えることになったからいいんだけど」
「ケガの巧妙だね♪」
「調子にのるな」
頭に手を乗せて石月の頭を前後に揺さぶった
「うああ〜ぐらぐらする」
石月の言葉にドS魂に火がついた秀はさらに力を強めようとしたのが
「浅村君!!女の子にそんなことしたらダメだよ」
「い、泉さん……」
「うわ〜ん泉さん、浅村君が私を襲いかかって…」
「話を膨らませるな!!」
「浅村君も浅村君だけど、石月さんもふざけないで」
「は〜い♪」
秀と石月のおふざけも終わったところで泉はかばんから一枚の紙を取り出した
「今後の実行委員会の日程をまとめたやつだよ、浅村君日程知らないと思ったから」
「ありがとう、助かったよ、お互い頑張ろうね」
「い、いえ、私は当然のことをしたまでだから」
「お〜、お二人さんお熱いねー」
「だから調子にのるな!!」
「あ〜、泉さん助けてー」
「からかう人は助けてあげない」
結局石月は頭がぐらぐらしながら朝のSTをむかえることになった。
そして時は経ち昼休み、KK部に今後の話し合いについてのため四人が集まっていた
「つーことで、放課後は時間をさけそうにないな」
「秀が実行委員会に入るなんてどういう風のふきまわしだ?」
「細かいこと気にするな、だから部員と顧問集めは任せていいかな」
「はい、浅村君は実行委員会に集中してください」
「ありがとうみんな」
−放課後−
二人がいたのは教室で、校外学習で使う備品のチェックだった
「備品のチェックっつてもこんなにあるのかね」
「ほらほら、口を動かさずに手を動かす」
「はいよ、でも今日のあいつの顔は面白かったな」
秀が言ってるのは点呼の時、二組に秀がいたときの顔が傑作という話だ
「泉さん、あの顔忘れたりするんじゃないぜ」
「悪い気がしますが……そうします♪」
「よーし、じゃあ、ちゃっちゃと終わらせますか」
―1時間後―
すべての備品チェックが終わり、備品を段ボールに戻した
「泉さん全部終わっ…」
「……すぅ……すぅ…」
机に突っ伏してすやすやと眠っていた
おそらく連日の疲れがたまっていたのだろう
それとも
二人でいることの安心感を感じたからか
「備品を返しておくか…」
―会議室―
会議室には例の男がいて、なるべく目を合わせないようにして、持ってきた備品を長机に置いて戻ろうとした時だった
「浅村君だったかな?」
呼ばれても、言葉を発っさずキッと相手を睨む
「何故君は泉 沙耶香がいるのに実行委員入ったんだ」
場の空気が凍りつく
「質問の意味が分からねぇな」
「では平たく言おうか……男子全員が嫌ってるあんな女がいるのに実行委員に入ったんだと聞いてるんだ」
男がそう言った時には俺は男の胸ぐらを掴んで壁に叩き付けていた
「な、何をする!!」
「男子全員だと……んなわけねぇだろ!!少なくとも俺は泉 沙耶香を嫌ってなんかいねぇよ」
「は、離せ…」
男の言葉に従うはずもなく、締め上げるように力を強める
「かっ………」
首元を必死に掻く男を見てから地面に叩きつけてから会議室を出ようとする
「あ、一つ言い忘れた、そんな苦しみな、泉に比べたら楽な方だぜ、これでも泉に理不尽な仕事を割り当てるってなら、もっとキツい苦しみを教えてやるよ………んじゃ、失礼しました♪」
「くっ、浅村 秀…」
教室に戻ると、まだ泉はすやすやと眠っていて、とても気持ちよさそうだったが、下校のことを考えて泉を起こした
「あれ、もしかして私………」
「気にするな泉さん、備品のチェックなんて簡単なことだしさ」
「でも私、浅村君に全部仕事を任せてしまって……」
どんどん罪悪感に苛まれていく泉を見た秀は、自分のかばんを持った
「帰ろうぜ泉さん、帰りにSドおごってくれるよな」
「は、はい♪」