六話 仲直り
夕暮れの帰り道、秀と泉の二人の間には沈黙の二文字だった
「…………」
「…………」
(ううぅぅぅ、気まずい)
非常に気まずい空気を破ったのは泉だった。
「あの…………」
「ひゃ、ひゃい!?」
「あ、驚かせてすいません」
「ああ、大丈夫だよ、それで用件は何かな?」
「あの………今日はぶったりしてすいませんでした」
「あれは俺が悪かったんだ、俺の方こそごめんね」
「でも、私全力でぶっちゃったしごめんね」
秀の頬に手を当て確認した
「っ!?」
触れた瞬間、秀の頬が赤くなったが、夕日のおかげで泉に気づかれずにすんだ
「大丈夫だよ俺は頑丈な部類に入ってるから」
「あはははは、部類って何よ、おかしいな」
「おかしいかな?」
「うん、言い方がおかしいよ、はははは」
夕焼けの帰り道の二人の影は平行していた
校門で会ったときとは自然と会話が弾むようになっていたためか、泉は今回の本題に踏み込んだ。
「あのー、浅村君……」
「ん、何かな?」
「今日のこと……本当にありがとうね」
「っ!?きょ、今日のことって何?」
瞬時にしらをきるモードに切り替えた秀
「ありがとう、私が絶対に無理な量の仕事をやってくれて」
「いやー、何のことか俺にはさっぱりだよ」
「嘘……吐かないで、石月さんから聞いたんだから」
(また石月か…………)
「だから言わせてください…………ありがとうございました」
「あ、いや……どういたしまして」
「でも、本当にすごいんだね、あれだけの量をやってのけちゃうんだから」
「ああ、まあ……ね」
言えるわけがない、精霊と契約してるなど
見せれるわけがない、もうスピードで仕事をこなす姿など
そうこうしている内に二人は自然と公園のブランコに乗っていた。何故かは分からないが、自然と足を運んで、知らぬ間に乗っていた
「泉さんってさ、男子生徒のこと嫌いでしょ」
「うん、でもあちら側も嫌っるから」
「ああ、風の噂で聞いたよ」
「男子ってみんな同じような奴ばっかでしょ、頭の中はいやらしいことでいっぱいだし、さらに一部にいたっては女子生徒をいやらしい目でみたりする」
「でも、全員がそうじゃないと思うよ」
「そうだね……浅村君は違うよね」
「えっ!?」
意表をつかれ、ブランコのスピードが遅くなる
「浅村君っていつもぼっーとしてるし、クラスの男子がHな話してても空をずっと見てたりしてるし、クラスに関して無関心って感じだし………」
「泉さん、それ以上言っちゃうと俺泣いちゃうよ」
「あっ!?ご、ごめんなさい、で、でも本当に浅村君が他の男子とは違うのは本当だよ」
「うん、分かったよ、俺がクラスにとってどれだけいらない存在なのかがよく分かったよ」
ネガティブモードに切り替え泉をいじめる
「ううぅぅぅ、ご、ごめんなさい…」
「ははは冗談だって、でも俺がクラスに無関心だっていうのはあってるよ、実際クラスの名字を15人言えるかどうかだしね」
「それは酷い……」
「でも、そのせいで泉さんのことを知らなかった、知らなかったせいで泉さんに苦しい思いをさせてしまった」
「そんなの気にしてないよ、浅村君は最終的に私を救ってくれたんだし」
「救うなんて………そんなだいそれたことしてないさ」
自分がやったことはただ、プリントを集めて背表紙を貼っただけ
しかし、その秀の行動はまちがいなく泉を助けた
「なあ泉さん、これからの実行委員だけど……」
「えっ!?実行委員ですか?」
ブランコから飛び外の柵を飛び越えて着地し、後ろ向きのまま泉に言った
「よかったら……手伝ってもいいかな?」
「そ、そんな頼むのは私の方だよ」
秀につづいてブランコを降りる
「そうか、じゃあこれからよろしくお願いします」
右手を出して握手を求め、泉はそれにこたえた
「こちらこそよろしくお願いします」
「よーし、じゃあどっかで飯食いに行かない」
「えっ!?今からですか?」
「うん、何いろいろと決まったら腹減っちゃてさ、ちょうど駅前だしと思ってさ、あ、嫌なら別にいいからさ」
「あ、別に嫌とかじゃないよ、ただ男の人に誘ってもらったのが初めてだったから」
「じゃあ行こうか」
「はい♪」
夕暮れの道を二人並んで歩いて行った。