七話 早起きは・・・
この話で最後の6人目の登場となります
いつもより早く寝たおかげか、とても目覚めが良かった。
おそらく早く寝たからだろう。
リビングに入り母親しかいないことで、姉がいないことに気付いた。
「姉さんまだ寝てるのか」
いつも秀が起きる前からすでに起きている姉が起きていなかった。
「ちょっと秀、母さん今手が離せないから、咲恵起こしてきてくれる」
(しゃーねーなー)
リビングを出て姉の部屋をノックする
「姉さん、朝だぞ起きろ」
「・・・・」
「姉さん?」
「・・・・・」
「入るよ姉さん」
ガチャっとドアを開けるとベッドですやすや眠る姉がいた
(このままだったらスゲー可愛いのに・・・)
「姉さん朝だぞ起きろ!」
体を揺さぶって起こすとやっと目を開けてくれたのだが・・・
「レディの部屋に許可なしで入るんじゃねぇよ!」
ブチギレモードで起きて来た姉の手はすでに拳をしっかりと握っていた。
「ね、姉さんとりあえず落ち着こう」
両手を前に出し、姉を落ち着かせる。
「問答無用じゃーい!」
意味はなかったようだ。
午前7時8分43秒
浅村家の姉対弟の格闘勃発
「はあーったくひどい目にあったな」
朝から余計な体力を使ってしまった。
「ご苦労様、姉さん待たずに先にご飯食べときなさい」
姉対弟の第二次格闘対決だけは、何としても避けたいためにとてつもないスピードでご飯をかきこみ、そのまま家を出ることになった。
外は快晴で空気も澄んでいて、秀が一番テンションが高い状態だった
駅に入り改札口を通る為に財布から定期券を出そうとした時、財布には夢集めから貰った透明なカードが入っていた。
(あれ?こんなカードいつ作ったっけ?)
透明なカードのことが気がかりになる。
だがどれだけ、考えても思い出せない……まあいいだろう。
いつもより早いせいか、通学路にあまり人はおらず、おかげで時間短縮になってかなり早く学校に着いてしまった。
自分の学年の階に上がっているとき、上から焦りまくった声がした。
「あ~!あぶなーい」
その時、かすかに見えたのが、自分の方向に落ちてくる段ボールと、それを呆然と見てる女子だった。
もちろん段ボールは見事に自分の体に着地して、自分自身は大ダメージ受けた。
「ご、ごめんなさい」
「いや、大丈夫だよ」
段ボールを運んでいた女子は生徒会で書記をしている新藤 麻里で運んでいる途中、階段で手間取っているときに段ボールを前に落としてしまい今になる
「ったく、段ボール3つ重ねて運ぶからこんなことになるんだよ」
そう言って、3つの内の2つを持つ。
「運ぶの手伝うよ、何処に持っていくの?」
「いいよ、いいよ浅村君の上に落っことしたのに申し訳ないよ」
「じゃあ、落っことしたお詫びとして段ボールを運ばせてよ」
俺の言葉に新藤は一本取られたというような顔をしていた。
そして残りの段ボールを持って、ありがとうと一言言って、階段を降りていった。
~~資料室~~
「どうも、ありがとうおかげで、運ぶ回数が一度で済みました」
「いえいえ、どういたしまして」
資料室を出て鍵を閉める時に新藤が言う。
「私やっぱりお礼なしっていうのは嫌です、何か一つお礼をさせて下さい」
「・・・わかった、じゃあ最近部活を辞めそうな人知らないかな、この質問に答えるだけでいいよ」
「分かりました!今、調べますから少し待ってください」
そう言って、スカートのポケットから手帳をとりだしページを次々とめくっていった。
(・・・噂通り)
新藤 麻里の別名、北合のデータバンク
ほとんどの北合情報が彼女が持つ手帳につまっていて、自分に必要な時にしか使わないかなり貴重な物
そして待つこと5分
「うーん、残念ながらいませんね」
新藤の答えに、ショックを受けるが、平常心を装う。
「そうか、わかったよ、ありがとう、それじゃあ俺はこれで」
「はい、ありがとうございました」
新藤が手帳を閉じた時、手帳から何かが落ちていき
秀の足下にその物が滑ってきて、それを拾おうとした秀はその物を見て驚いた。
「透明の・・・カード」
やっと、6人全て登場しました。