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五十三話 勝利の一時

「やった……のか」



「勝ったのか……俺達…」




自然と体中に震えがきた、だがこの震えは恐怖によるものではない、きっと喜びによるものによるによるものだろう






「…………よっしゃーーーやったな、連、ラウル、シグマ」



「だな…」



「断罪の雷に・・・」



「俺達、人が勝ったんだ」



四人が一言ずつ言ったとたん四人は何かがきれたように四人同時に意識が遠くなり倒れていった………










白い天井、ぶら下がる電灯、目が覚めた時には自分が居る場所がどこなのかは分かっていた




「なんか俺……何かが終わったらベット上ってパターンが多いな…………そうだ他の人は!?」



ベッドから身体を起こそうとした時、自分の足に重みを感じ、足に目をやると……






「………すぅー……すぅー………」




すやすやと寝息を立てているラニアがいた



「……………………」




思考中………



(なんだこの漫画みたいなシチュエーションは?神様が頑張った俺にくれたスイートタイムですか?)




軽く心臓をたたいて耐えろ俺と自分に言い聞かせた秀はラニアの肩を軽くゆさった



「ラニア起きろ、起きるんだラニア!!」



「…ん………ん?しゅ、秀さん?」



「おはよラニア」



軽い笑みでこたえる秀



「ううぅぅぅぅ」






(えええぇぇぇぇ、ヤ、ヤバいこんなところラウルに見られたら今度こそ殺される………)




泣き出すラニアをなだめようとした秀



「秀さん!!」



「うおっ!!」







ラニアが………抱きついてきた






「よかった、無事で………無事でよかった」




「ラニア……………」



「びっくりしたんですよ、四人が重傷で運ばれてきたときには」



「ごめん、ごめん、今回ばかりはちょっとヤバい敵だったから」



「心配………したんですよ、秀さんがいなくなってしまいそうで………」



腕に込める力が強まるラニア



「誓うよ」



「え?」



「もう君を泣かせたりはしないと」


「………秀さん///」



「だからそろそろはなしてくれないかな………傷口が痛い………」



「きゃああ、すいません、すいません」




ひたすら頭を下げ続けるラニア



「あ、そうだほかの皆の容体は?」



「安心して下さい、みなさん無事ですよ」



「そうか………よかった」



「安心しましたか?」



「ああ………いててて」



起こした身体を再びベッドに沈めた



「ゆっくりしてて下さいね、じゃあ私は帰りますね」




ラニアが部屋から出て行ったあと、あの時のことを思い出していた……レーガルから落ちていく中で凛に会った時のことを………





(あの時、俺は確かに凛に会ったんだよな…でも気づいた時には凛はいなくなっていた………どうしてだ、どうしてなんだ凛………)



<ねぇ秀、聞こえてる>



「ん?何だシルフィー」



<聞こえてなかったんだね>



「悪い、悪い、考えてごとしててな」



<考え事?さっきまでラニアと乳繰り合ってたくせに>



「んな?バカなこというんじゃねぇ!!」



<あははは、冗談だって、言いたいことはほかにあるんだ>



「それを早く言え」



<秀がレーガル城から落ちる時、秀に必死に声をかけたのにまるで聞こえてないようだけど何かあったの?>


「あれ、そうだったんだ、全然気づかなかったよ」



<おかしいな、私たち精霊は契約者の意識に直接語りかけてるんだから気づかないはずないんだけどな〜>



「まあいいじゃねぇか終わったことだし、今こうしてシルフィーと喋れてるじゃないかそれでいいだろ」



<そうだね……それでいいかもね…>




(シルフィー?)



<さあ、怪我人はさっさと寝て怪我を治すことを優先しようか>



「寝ようとしてる俺に話しかけてきたのはお前だからな」



<いちいちあげ足をとらないの、じゃあお休み♪>




身体中が痛いが、おもいのほか疲労がたまってるせいかすぐに眠りに就いた。










「……君………浅村君………」




(ん?誰だ、俺の名前を呼ぶのは?)



「浅村君、さあ目を開けるのです」




「んん?………お前は!!」


「お久しぶりですね浅村君、夢集めです」



「ほんと久しぶりだね夢集めさん」



「へー驚かないんですね」



「まあね、何かいろいろありすぎて、もう何がきても驚かないよ」



「ふ、そうですか………まあ前置きはこれくらいにして本題に入りましょうか」



「本題というと?」



「こういうことですよ」




夢集めが指パッチンをすると秀がつけている腕輪が光り始め、腕輪に赤く24という数字が浮かび上がった。



「何だこの数字?」



「カウントダウンですよ、元の世界に戻る………ね」



「えっ!?」



「あなた達は見事に世界を救ったんですよ、だからこの元の世界に戻るのですよ」



「……………」



「まあいきなり言われて驚いているでしょうから残された時間でこの世界を堪能してください…………では」




再び指パッチンをすると、辺りが一瞬で暗くなり、次に目が覚めると、レーガルのベッドの上だった。


腕時計を見るように右腕を上げて腕輪を見ると、23時間57分とアナログで表示されていた。


「この世界にいられるのもあと一日か……」




軽く息を吐き、ベッドから起き、部屋から出ていった。










―宿屋―



「ただいま」



「………」←宿屋一同



「ん?俺の顔に何か付いてる?」



「何やっとんじゃーーーーーーー!!」



「ぐほっ!!」




蒼士のドロップキックが見事に決まり、後ろにぶっ飛び、おまけに玄関の扉に後頭部を強打して、うずくまっていた。



「おい浅っち怪我人なのに何してんだよ!!」



「そんな怪我人に何でドロップキックかましてんだよ……」



「あ、ほんとだ、すまないつい」



「ついって何だよ、ついって!!」


「まあまあ、どうせ魔力で身体強化してんだろう、さて浅っち、突然で悪いけどこの腕輪の数字のことだけど」



「ああ、夢集めが現れて説明してくれたよ」



「うん、俺達も夢集めが説明に現れたよ」



「へーそうなんだ、じゃあもう分かってるよな」




首を縦に振って言った。



「この世界にいられるのも後一日しかないんだな」





ドサッ!!




「ん?」



宿屋の外で何かを落とす音がして、何気なく扉を開けると、そこには買い物袋を落としたラニアがいた










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