五十二話 断罪vs四人
そろそろ第二章が終わります
一斉に違う方向に散らばり、それぞれの攻撃にうつる
「アイスドラゴン!!」
「ふん、くだらん技を」
光を放ち、アイスドラゴンにぶつけるとアイスドラゴンは消えてなくなっていった。
「離れろ夜坂!!………火竜砕破!!」
「ラウルよ、こんな技きかんよ」
火竜砕破もアイスドラゴンと同様、同じように消滅した
「シグマ、浅村、やれ!!」
「任せとけ、出力最大!!」
「風刃!!」
ジーダの足場をへこませ、動きを封じ、秀が風刃を飛ばした………がしかし、ジーダはその場で消えていなくなった
「んな!?一体どこに?」
「ここだよ」
後ろで手を軽く振っていた。
「マジかよ……」
「俺達四人の攻撃を簡単にかわしやがった………」
「まだだ、今度は四人同時攻撃だ!!」
ラウルの言う通り四人はそれぞれの技を構える
「火竜……」
「神の……」
「ツイン……」
「風よ……」
「無駄だ、何をやっても俺には勝てんぞ!!」
「砕破!!」
「砲撃!!」
「ドラゴンズ!!」
「旋風刃!!」
四方向から繰り出される、炎、魔力のビーム、氷の竜、竜巻、全てが同時に入った。
「さすがのジーダもこれでは……」
「はぁ〜、最後にお前達四人の力がどんなものか確かめてやろうと思ったが、たいしたことないな」
四人の同時攻撃を受けても無傷のジーダ
「ば、化物かよ……」
「くっそ、何で効かねぇんだよ!!」
「お前達の力はもう十分分かった…………もう消えな……………審判の雷!!」
(何だ!?空に無数の魔法陣が……)
「まずい!!断罪の雷が降り注いで来るぞ!!」
ラウルの言った通り、空に展開された魔法陣からランダムに断罪の雷が降り注いで来る。
「おわわわわわ!!」
降り注ぐ断罪の雷が確実的にダメージを与えていく
時間が経つにつれ四人の動きが鈍っていった。
「ほー、審判の雷を発動しても一人も死なないとはな…………まあ気絶してる奴はいるみたいだけどな」
倒れているのはシグマと連で、それぞれそれ相応のダメージをおっていた。
「連!!」
「シグマ!!………ジーダてめぇ!!」
仲間がやられたことに逆上したラウルはジーダに突っ込んでいき、槍をジーダの足元に投げ込んだ
「やめろラウル!!」
「業火……」
「愚かなり」
ジーダの指から放たれたレーザーのようなものに貫かれ、技を出すことも、技名を言えないまま倒れた。
「ラウル!!!!」
「さて残りは君一人だ」
「くっ、韋駄…」
「遅い!!」
秀が動く前に、ラウル同様レーザーのようなもので足を貫かれてしまった。
「があぁぁぁ!!」
「これでちょこまかとは動けまい」
「くそ……」
屋上の端に移動するジーダ
「今からレーガルを崩壊へと導いてやる」
レーガル上空に魔法陣があらわれた
「終わりだ、断罪の雷!!」
「させるかぁぁぁ!!」
断罪の雷の発生を防ぐのは秀だった。
足をはじめ、身体中がボロボロになりながらも断罪の雷を止めた。
「何故だ、何故レーガルを攻撃するんだ!!」
「理由?そんなの簡単さ試したいのだよ」
「試したいだと?」
「君だって契約者だったら力を試しただろ、自分の力がどれだけのものか」
「てめぇはただ断罪の雷を試してるだけだというのか……」
自然に言葉に力がこもる
ジーダのやってることが許せないからであろう
「何を怒ってるんだ」
「てめぇのゲスイ行為にキレてんだよ」
「試す力が巨大であれば、試す的も巨大である必要があるだろ?」
その時、秀の中で何かが切れた
キレた原因は間違いなくジーダの言葉
「的だと………」
「………」
「人が生きてんだぞ!!多くの人々が、その人達には何の罪もないんだぞ!!何で命を道具みたいに扱えるんだ!!」
「君にもいつか分かる日が来るさ」
「来ねぇよ……俺は少なくとも力をそんな風に使わねぇ」
「それは残念だ………ふん!!」
手を軽く振るうと、雷のように光が秀を襲う
「ぐあぁ!!」
全身の力が抜けるように倒れる秀をジーダは首もとを掴み屋上の端まで行った。
「この高さから人を落としたらどうなると思う?」
「…………」
一言もしゃべらず、ピクリとも動かない秀
「じゃあな少年……」
ジーダはゆっくりと手を離し、秀は地面に向かって落下していった。
(…………あれ……俺は一体…………………………そうか……俺………負けたんだ………)
(俺は…………死ぬのか………………まあいい…………どうでもいいか…………)
《諦めちゃダメだよ…》
(誰………だ?)
《諦めちゃダメ、生きれる人が生を投げ出しちゃダメだよ秀……》
閉じていた目をゆっくりと開け、話しかけていた相手を見た。
《久しぶり………秀》
「……………凛!!な、何で……」
自然と目に涙がたまる
《感動するのは奴を倒してからだよ》
「でも凛………アイツには……勝てねぇよ」
《大丈夫、秀は一人で戦ってるじゃないでしょ》
「ああ…そうだったな」
《秀はもう少し肩の力抜いて》
「一緒に戦おうか…凛」
落ちていく秀に凛が重なっていった………
地を強く蹴り、風の力を使い一気にレーガル城の屋上まで上った
「な、お前………落ちたはずじゃ……」
「……………」
「黙りかよ………じゃあ消えな」
秀の上空に魔法陣を発生させる
「消えろ!!」
落ちた所から煙が出ていて、そこには秀はいなかった
落ちた場所ではなく、ジーダの真後ろにいた
「旋風刃………」
「ぐあっ!!」
吹っ飛ばされながらも、ディアのように空中で回転して見事に着地してすぐさま攻撃に転じる。
「くっ、審判の雷!!」
「…………韋駄天」
あまたもの断罪の雷が落ちるなかで秀はその攻撃をかわしていた
消えてまた現れるような速度で……
「ば、バカな……人間の動ける速度じゃないのに………」
「遅いよ………」
「しまっ………」
一瞬で距離を詰めていた
「絶空剣・嵐……」
目にもとまらぬ速さで繰り出す斬撃でジーダを切りつけた。
「がはっ!!」
「…………」
「……審判の雷!!」
「無駄だ………俺にはあたらない…………」
「君にはあたらないが、他の人にはあたるよな」
ジーダの言葉を聞いた秀は自分の方に魔法陣が出現していないのに気がついた
そして魔法陣が仲間の方の上空に出現していた
「下衆………」
仲間のところに落ちてくる断罪の雷を全員を無理矢理担ぎ上げかわし続ける
だが三人を担ぎ上げることでプラスされる重量はスピードに支障をきたす
「そんなスピードじゃ、ダメだな……それ♪」
指先から放たれるレーザー型の断罪の雷で腹部を貫かれる。
「ぐっ………」
「こんなものじゃすませない」
腕、肩、足など一箇所ずつ貫いていった
まるでゲームを楽しむように……
「ふぅ〜、一時はどうなるかと思ったがなんとかなったな」
「……………」
「まあもう答えることもできないだろうがな」
「…………うぅぅ」
「さて、これで邪魔者はいなくなった」
手を上空にかざし、レーガル全体をおおう魔法陣を出現させた。
「………や…やめ…ろ」
「そうだ、最後に一つ教えてやる」
「……………」
「俺とお前の勝負を分けたのは、やはり人を道具として扱えるかどうかだな」
「な……何だと……?」
「実際そうだろ?あそこで仲間を見捨てていれば私を倒せたかもしれないのにな」
「ふざ……けんな」
両拳で拳立てをするようにゆっくりと立ち上がろうとしていた。
「な、何故、立ち上がる………」
「んなもん……決まってんだろうが……」
ゆっくりと、そして確実に足をつっぱり、体全身を起こした。
「てめぇの計画は絶対に止める……………なあラウル、シグマ、連!!」
「ああ、お前の計画は………」
「私たちが………」
「絶対に………」
「止めてやる………」
「ば、バカな、私の計画を止めるというだけで立ち上がったというのか……」
自然に足が後退ってしまうジーダ、その体は微かに震えていた。
「くっ、断……」
「撃たせるな!!寄れ!!」
レーガルを覆っていた魔法陣を解除し、秀達に断罪の雷をあびせようとするが、魔法陣を出現させる前に秀が詰めより、三人に指示をだす。
「アイスニードル!!」
「風刃!!」
「ぐっ……」
四人同様、ジーダも手負いのため、十分に二人の魔法を消滅させきれないでいた
「ラウル、シグマ!!」
「地よ沈め!!」
今度は沈んだ床に足をとられたジーダを確認したラウル
全魔力を腕に込めるラウル、この一撃に全てをかけた……
「これで………終わりだー紅蓮覇王拳!!」
「ぐあぁぁぁぁ!!」
フォンと同じようにその場に崩れ落ちていった…