四十七話 契約者きたる
ストックしてたのを投稿しようと思ったら、いろいろと不幸が重なり投稿できませんでしたf(^^;
次の日の朝の天気は快晴で雲一つなかった。
「ああ、何だか今日はいいことがありそうだな」
窓から身を乗り出して空を見て笑顔になる秀。
「やっぱり天気は快晴にかぎる」
―レーガル城―
「さて、昨日の今日で悪いが、答えは決まったか」
ラウルの問いに首を縦に振る連
「答えは……YESです」
「そうか、まあお前ならやってくれると思ってたたぜ、付いてこい二人とも」
「…………」
連れてこられた場所は床、壁に不可思議な模様が描かれている場所だった。
「何なんだこの部屋は?」
「精霊契約用に作られた部屋だ」
ラウルの説明によれば正式に精霊契約をするときに使う部屋だと言う。
考えてみればシルフィーもそのようなことを言っていた気がする。
その部屋の中央に移動する連に牙を持たせた。
「さて、俺達は外に出るぞ」
「えっ、見守らなくてもいいの!?」
「そういうやり方なんだよ、俺とお前は違うけどな」
「いいか、俺達が部屋を出たあと、気を落ち着かせるんだ、そして牙に向かって出てこいと念じろ」
それだけ言うとラウルは自分の腕を引っ張って部屋を後にした。
「にしても初めてだったな、精霊契約を正式にする部屋を見たのは」
「まああの部屋を使うのは久しぶりなんだけどな」
「へ?今なんと…」
「しょうがないだろう、ああいうタイプは珍しいんだからよ」
(ああいうタイプ?)
「物体に入ってる精霊だよ、精霊本体が消えたくないと強く思うことで、自分の存在を物体に移動するんだ、そしてそういう場合はこういう部屋に持ってきて精霊契約するんだ」
「精霊が消えること何てあんの?」
「精霊契約してない状態で憑依し、その状態で戦いそして敗れると、精霊は存在事態が消えてしまうんだ」
「ちなみに過去ここを使用した人って何人いんの?」
「俺が知ってるかぎりでは5人だ、まあ作られたのは俺が産まれるもっと前のことだし詳しいことはわかんねぇよ」
初耳だった。
「えっ、じゃあラウル以外にも精霊契約してる人がいんの!?」
「あのな〜、よく考えてみろよ、精霊契約してんのが俺一人だったらレーガルはとっくの昔に侵略されてるっての」
「ってか、ほかの奴は何してんだよ」
「ほかの奴だってちゃんと仕事はしてるんだ、責めないでくれ、しかも今日にはその一人が帰ってくるしな」
「へぇー、そりゃぜひともお目にかかりたいね」
少し皮肉った口調で言った。
仕事はしてるとは聞いたが、前回ガリアが侵略してきた時に、誰一人として来なかったレーガルの精霊契約者、果たしてどんな奴なのだろうか。そんなことを考えているとラウルは時計を見ながら、秀に話しかける。
「悪いんだけど、あと任せていいか?」
「俺がYESと言うとでも思ってるなら考え直したほうがいい」
「頼む、アイツが来る前にラニアを…」
必死に頼むラウルには何も感じなかったが、ラニアと聞いた秀は考えを変えた。
「おお、サンキューな」
「はあ、前言撤回だ、いいことなんて何もねぇわ」
連Side
ラニアに言われたことを忠実にこなしていた。
(心を落ち着かせた後は、氷獣王を呼ぶか……よし!!)
(出てこい氷獣王!!)
ボン!!
「何だ?今何かが爆発音がしたぞ!?」
ラウルには入るなとは言われてもが、爆発音が聞こえて入らない方がおかしい。
「大丈夫か連!!」
「…………ほぉ、またもや獲物がいるな」
ドカ!!
「悪ふざけすんな!!」
「いてて、やっぱバレちまったか」
「当たり前だ、髪が黒のまんまだし、殺気がまったく伝わってこない、まあとりあえずお疲れ様かな」
「ああ何とか無事終わることができたぜ」
「とりあえず、今憑依してんなら早く解除しといたらどうだ」
「そうだな、んじゃ解除しときますか」
連がそう言うと、連から氷獣王とは思えないサイズ精霊が出てきていた。
「んーと……何それ?」
あまりにもあたふためいているため、こうなった経緯を話した。
「なるほど、俺との戦いで魔力を使いすぎたと、そして戦いに敗れた時に全魔力と引き換えにそんな可愛らしい姿になったってことか」
「まあ、そんなところだよなレオ」
「レオ?」
「ん?氷獣王の名前だよ、氷獣王ってのは個人的に嫌いだし、氷獣王も気に入ってくれたんだ」
「まあとりあえずは無事終了だな」
「これからどうする?やっぱ宿屋に戻るか」
「そうだな、精霊契約は無事終わったことだし、ラウルが言ったことが気になるし」
「ん?ラウルが言ったこと」
「ああ、気にしなくていい、宿屋に戻れば分かることだし」
―宿屋―
宿屋に着いた時、宿屋の前には異常な人だかりができていた。
「何なんだ、この人だかりは?」
とりあえず人混みを掻き分けて宿屋に入るとそこにはラウルと金髪のかなり美形な顔立ちをした男
なにやらもめているようで、そこに来た新藤に二人が来るまでのことを聞いた。
―20分前―
「仕事中すまないが、ラニアは今どこにいる?」
「えっ、今は部屋にいると思いますけど何か?」
「そうかありがとう、すまないが上がらせてもらう」
ラニアの居場所を知ったラウルは足早に部屋に向かった。
―ラニアの部屋―
「ラニアいるか?」
「どうしたんですかお父さん?」
「まずいぞ、今日シグマが帰ってくるらしい」
「えええぇぇぇぇ!!」
悲鳴のような声が宿屋中に響き渡った時、一人の来客が訪れた。
「はっ!!もう来やがったのか、ラニア俺が時間を稼ぐからお前はそれまでに上手い言い訳を考えておけ」
部屋を出たラウルはすぐさま入り口向かった。
「やあラウル久しぶりだね」
「お前と会うのはいつぶりだろうか」
「おそらく1ヶ月近くは会ってなかっただろうな」
「ちゃんと任務は成功したんだろうな」
「成功したさ、なんせ私がいったのだからな」
「まあそうだわな、さてつもる話しもあるだろうし、食堂にでも行こうぜ」
「そうしたいのは山々なんだがなラウル、私が何故城に行かずここに来た意味はわかるだろう?」
シグマの言葉に急に黙るラウル
「ああ、そのラニアなんだがな……」
「部屋にいるのだろ?さきほど受付の子に聞いたよ」
視線を新藤に向けるラウル新藤はぺこぺこと頭を下げていた。
「さてラウル、君とは後でじっくりと話すとして、私はラニアさんに会いに行くよ」
「ああそうだ、確か今日急に仕事のシフトが変わってな、今ラニアはここにいないんだよな」
語尾をわざとらしく強めて、新藤を睨むラウル
そのラウルに冷や汗を出しながら頷き続ける新藤
「おいおい、明らかに頷き方が不自然だぞ、もしかしてラニアさんはここにいるのか?」
「いや、いないって」
「お前を疑うわけではないが確かめさせてもらう」
「おいおい女性の部屋にズカズカと入るのはどうかと思うぜ」
「聞き捨てならんな、ちゃんとノックはするさ」
「いや、そういう問題じゃなくてだな…」
それからシグマを引き止めている時に、二人が来たということだった。
「なるほど、簡単に言えばシグマはラニアに惚れてるってわけね」
「いい加減にしてほしいなラウル、確かに自分の娘を大切にしたいという気持ちはわかるが、少し会うぐらいいいじゃないか」
「だから今ラニアはいないんだよ」
「だから、それを確かめさせてもらうと言ってるんだ……せやぁ!!」
素早くラウルの足を払い、ラニアの部屋に向かうシグマを見たラウルは秀に動作で指示を出した。
“ラニアを連れ出せ”と
「シルフィー!!」
〈はーい♪〉
宿屋を出た秀は急いでラニアの部屋の窓に行き、二階に飛び、窓をノックする。
「秀さん!!どうしたんですか」
ラニアの問いに答えずに秀はラニアをお姫様抱っこをして、シグマが来る前に部屋を出た。
「えっ、ちょっと秀さん」
「とりあえず、宿屋から離れよう、それでいいかな?」
「はい///」
「よし、じゃあしっかりつかまってて、少しとばすから」
秀が宿屋を離れる寸前にシグマはノックし終わっていた。
シグマとラニアを会うことは防ぐことができた。
「ふぅ〜、ここまで来れば大丈夫だろ」
「ありがとうございます、わざわざ運んでくれて」
「いやいやどういたしまして、でも恥ずかしくなかったか、ずっとお姫様抱っこしてたし」
「いえ///あの…その…お姫様抱っこもそんなに悪くないなって思いましたし、まあ人によりますけど…」
どうも最期の部分が聞き取りづらかっかため、とりあえず肯定すると、ラニアのかなり赤くなっていた。
「さてと、どうする?じかんは時間はあるけど」
「あっ、じゃあどこかに行きませんか?」
「おっいいね、時間があることだしどこ行く?」
「あ、それならマナマ草原に行きませんか?
「マナマ草原?まあ別に構わないけど、何かあったっけな」
「それは行ってからのお楽しみですよ」
ラニアの笑みが気になったが、行けば分かるとのことなら気にすることはないか
―マナマ草原―
「さてと着いたはいいけど、ここで何をするんだ?」
「すいません、正確にはここから歩いたところにある泉に行きたいんですけど」
「ああ、それってもしかして森の中にあるやつかな?」
「えっ、知ってるんですか秀さん!?」
「知ってるもなにも、俺とシルフィーが出会った場所なんだ」
「そうだったんですか」
「んじゃ、行きますか」
二人は並んで歩いた、秀とシルフィーが初めて出会った場所へと…
一方その頃宿屋では
「遅い…遅すぎるぞラニア!!一体どこに行ったんだあいつと」
「かなりイライラしてるねラウルさん」
「そりゃ、ラニアを連れ出すとこまではよかったけど、帰ってこないとなるとな」
「しかも男女で二人っきりときたもんだ、浅っちもとうとうか……」
「な、何言ってるの不埒な発言はやめてよね」
「あまいな新藤さん、男はみんな獣だぜ、それにもうじき日が暮れる」
いろいろな発言で盛り上がっている宿屋勢
ラニア&秀Side
泉に到着した二人はただ泉を眺めていた。
「いいですよねこの泉は見ているだけで落ち着きますね」
「うん、俺もそう思うよ」
「秀さんもそう思いますか」
「ところでラニア、この泉を眺めるために来たのかな?」
「それなんですけど…あまりに早く着いてしまいまして、できれば夜まで待ちたいんですけど…」
「夜まで?別に俺は構わないけど…」
「ありがとうございます、では夜まで待ちましょうかと言いたいんですか、少し時間がありますね」
ラニアの言う通りまだ日が暮れたばかりで、夜というにはまだ早かった。
「ふあぁ〜」
「何だか眠そうですね」
「最近いろんなことがありすぎてちょっと疲れてんだ」
それを聞いたラニアは頬を赤らめながら
「じゃあ予定の時間まで寝ませんか?あの…さっきのお返しで…ひ、ひ、膝枕でもどうかなと思うんですけど」
それを聞いた瞬間、秀の頭では変換作業が行われていた。
①眠い→寝る→枕が欲しい
②横に女の子がいる→枕をしてあげると言っている→その女の子がラニアである
①+②=男を瞬殺する兵器
「……………」
「どうしました秀さん?もしかして私の発言が気に入らなかったんですか」
「いやいや、そういうことじゃないさ、むしろラニアが膝枕してくれるなんてこの上ないことだよ」
(やべ、今俺スゲー変態発言しちまった…)
「じゃあ、どうして黙ってたんですか?」
「そりゃまあ、俺の壁が果たしてもつかどうかと思ってさ」
「壁?」
「気にしなくていい、てか聞き逃してくれたほうが嬉しい」
「あの最終的にどうしますか?するか、しないかで言うと」
さきほど黙ったのがよくなかったのか、ラニアはどことなく寂しそうな顔をしていた。
「まあやってくれるのなら、是非ともやってほいしいかな」
「ほ、本当ですか///」
さきほどの寂しそうな顔が一転して明るい笑顔に変わった。
(あーあ、ラニアのああいう顔には本当に弱いな)
「秀さん…どうぞ///」
「えーと…失礼します」
スタンバっているラニアの膝にできるだけ衝撃を与えないようにゆっくりとラニアの膝に頭を乗せた。
正面には顔を赤らめているラニア
(こんな状態で寝れるか!!)
「秀さん、顔が赤いですよ」
「それはラニアだってそうだろ」
「しゅ、秀さんの方が赤いですよ」
「いーや、ラニアの方が赤いね……………ははははは」
「あはは、たまにはこういうのもいいですよね」
「そうだな、最近ずっと忙しかったから」
ここ最近ラウルの特訓やらラニア&連との戦いなどでオフという日があまりなかった。
だからこそ、この一瞬、この一時がとても貴重な時間に感じられた。
「秀さん、一つお願いしていいですか?」
「膝枕をしてもらってるんだ、どんと来いって」
「秀さんがいた世界の話をしてほしいんです」
「そんなことでいいいの?」
「はい、秀さんのことあまり知らないなって思ったんです、だから知りたいんです」
「ラニア……わかった、あまり面白くない話だと思うけど我慢してね」
その日俺はラニアに自分の生い立ちを話した。
全てってわけではないけど、十七年間のことを大雑把にできるだけ分かりやすく話した。
自分のことを知りたいというラニアの気持ちにこたえれるように……
「とまぁ、こんなとこかな、ごめんな説明ばかりで」
「いえ、今の話で秀さんのことがわかった気がします」
「そりゃよかったよかった」
「あ、そろそろ時間ですよ秀さん、上を見ていてくださいね」
上を見上げれば、見えるのは木々だけで葉がかすかに重なっていないところから微かに空が見える光景だった。
「今の光景を覚えましたか?覚えたら目を閉じてください」
言われた通りに目を閉じた。
―10分後―
「目を開けてください秀さん」
「……………」
その時俺は黙っていた、いや、言葉が出なかった…
今まで見たことがない光景だった。
「青い星………」
「星が青いんじゃなくて空が青いんですよ」
「えっ、空が青いのか……そうか、葉と葉の小さな隙間から青い星に見えるのか」
青い宝石がちりばめたような幻想的な夜空、今まで生きてきた中で一番綺麗な夜空だった。
「残念なことに後5分ほどしかこの夜空が続きません、ちなみに空が青い理由はまだ解明されていないんですよ」
後5分……こんなに綺麗な夜空がたった5分しか続かないなんて…
「じゃあ、その5分間でしっかり目に焼き付けときますか」
「ふふふ、そうですね」
その後俺とラニアは5分と限られた時間をずっと夜空を見上げいた。
そして5分後、その幻想的な夜空は終わった。
「今日はありがとうラニア、あんなに綺麗な夜空を見せてくれて」
「い、いえ別にそんなたいしたことじゃないですよ、ただ一緒に来ただけですし」
「とにかく今日はありがとうラニア、さてそろそろ帰りますか」
起き上がろうと膝から頭を起こそうとした時、秀の頭をラニアが押さえた。
「ラニア?」
「お願いします秀さん……もう少しだけ…もう少しだけ…このままでいさせて下さい……」
「別に構わないよ、ラニアが満足するまで俺はこのままでいるよ」
「秀さん………」
―一時間後―
「ふぅー、ずいぶん遅くなっちまったな」
「す、すいません」
「何でラニアが謝るんだよ、まだこの時間じゃ皆も起きてる時間だし、気にすることにないさ」
「あ、ありがとうございます、宿屋に戻りましょうか」
宿屋の前に着き、ドアの前でドアを開けようとした時だった。
「ただい…ぐほぉ!!」
「秀さん!!」
秀がドアを開けた瞬間にぶっ飛んだ理由はドアの前に立っているラウルを見ればわかるだろう。
「大丈夫かラニア、何か変なことされなかったか?」
「あ、いやそのお父さん……」
「そうかそうか、待ってろラニア、今すぐアイツを消してやるからな」
「お父さん!!私まだ何も言ってないですし、何もされなかったですよ……って聞いてない!!」
「ちょ、ちょっと待てラウル、まず落ち着いて俺の話を聞いてくれ」
「ほかに言い残すことはないな……俺の炎の塵になれ!!」
「ら、ラウル……何で炎神爆炎槍があるんだ?」
「死ね!!」
「だあぁー、シルフィー物質憑依だ!!」
物質憑依をした秀はすぐさまラウルから全力で逃げる。
「くっ、待ちやがれ!!」
結局秀が命の危険を感じなくなるには、次の日朝までかかった。