四十二話 過去の取り戻しに…
更新がめちゃくちゃ遅れましたf(^_^;
次の四十三話を書いていると随分長くなりました。
だから次の四十三話は普段より長いです。
「はぁーいつまで経っても、この朝の早さには馴れないな」
「ほんとそれだわ、朝早いのは秀と俺にとってはテストの次に苦手だわ」
朝早くから文句を呟く赤点コンビ
「こらこらテストの次にってどんだけ何だよ、てか赤点回避だったら少し頑張れば大丈夫だろ」
「あのな、お前達四人は俺達がどれだけ高校を抜け殻のように過ごしてきたか分からないだろ」
「少なくとも、抜け殻のように過ごす方法は知らないな」
六人で駄弁りながらの今日、連と文句をぶつぶつと言い合う今日、蒼士に注意される今日、そんな何気ない今日があんな1日になるなんて知らなかった。
「秀さん、昨日言いましたよね、二人だけの方が好ましいって」
「うーん、何か付いていくって聞かなくってさ」
そう言う秀の横にいるのは西脇と連であった。
「まあ別に私はいいですけど」
「ていうかラニア、一体どこに行くつもり何だ」
そう質問すると、少し口ごもりながらラニアは答えた。
「・・・・・・過去を取り戻しに行くんです」
レーガルから歩くこと一時間、着いた場所はただの山の頂上
「ここで過去を取り戻すっていうのか」
こんな普通の山の頂上で過去取り戻すだのなんだのと言われても何が何だか意味が分からなかった。
「ここは私が小さい頃に、よく母と遊びに来た場所なんです」
「・・・・・・」
「母が恋しくなったときいつもここに来るんですが、ここに来る度に意識が飛んじゃうんです」
「それは分かったけど、なんでそれが過去取り戻すのとどう繋がるんだ、それに俺達が来た意味も分からないし」
「・・・・・・それは」
今のラニアの口ごもり方は宿屋を出る前とは違った口ごもり方だった、触れて欲しくないという気持ちが一心に出た感じだった。
「話したくなかったら話さなくていいさ、話せるようになったら話せばいいからさ」
「過去を取り戻す意味はまだ教えられないんですが、秀さん達に付いて来てもらった意味は分かると思いますよ」
分かると言われた秀はただでさえ少ない脳みそをフル回転させて、やっと思い付いたことがあった。
「なるほど、暴走状態に入ったラニアを止めればいいんだな」
「その通りです、どうかよろしくお願いします」
どことなく不安げなラニアを見てると、秀はラニアの前まで近づいて行った。
そして、ラニアを優しく抱きしめた。
「っ///」
「大丈夫、君のどこに行こうと、俺が絶対呼び戻すから」
「〇※∞□?◇×Ф(西脇)」
「うおーやりおったなー」
「・・・・・・あ、悪ぃごめん」
すぐにラニアを離し、ラニアから離れた。
秀が離れた頃に、連が咳払いをして秀とラニアは少し顔を赤らめお互い距離をとった。
「さてと、じゃあラニア頼むぜ」
「はい、分かりました」
そう言ってラニアはゆっくりと目を閉じて黙りに入った。
「さてと、これが吉と出るか凶と出るか・・・」
それから待ってみること10分、ラニアにはなんの変化も見られない。
「うーん、何も起こらないな・・・ちょっと散歩に行ってくるわ、茜ちゃんもどう?」
「・・・そうですね、私も付いていきます」
二人は森の中に入って、秀の視界から消えていった。
その場で、じっとラニアを見て待つ秀
「頑張れよラニア、過去ってのはえげついもんだぜ」
次の四十三話の更新は明日の六時半頃にする予定です(^-^)/