三十五話 平常と異常
最近タイトルに困り果てています(;´Д⊂)
今日の目覚めは最悪で目覚めた時に昨日の物質憑依の疲れだろうと感じていた。
「おお、朝からダレてんな秀」
「悪いけど、本当に疲れてるから話しかけないでくれ少しでもエネルギー消費を抑えたい」
「浅っちそれはさすがに疲れすぎでしょ」
疲れていたこともあってか朝の食事の準備の時に誰とも会話をしなかった。
今の自分には残念なことに今日の当番は西脇と買い出しに当たっていた。
「あと何を買えばいいんだっけ?」
「えーと、野菜と果物類ですね」
「マジかよ、今日の買い出しの種類多くない」
「そうかな浅村君が疲れすぎてるだけだと思うけど」
「しょうがないだろ、昨日の憑依の疲れが取れてないんだから」
「精霊契約ってそんなに疲れるんですね」
心配そうな顔している西脇を見て、申し訳なく思った秀は自分はまだ大丈夫だと思わせるために
「そうだ西脇精霊契約の力を見してやるよ」
「いいですよ、浅村君疲れてますし」
顔を横にふって
持っていた荷物を置いてシルフィーと憑依した。
「買ってくる物のリストを貸してくれ、5分で全部買ってくる」
「えー、5分じゃ絶対に無理だよ」
秀の言ってることが初めは信じていなかった。
―5分後―
「な、言った通り全部買ってきたろ」
「はー、ほんとすごいんですね精霊契約って」
宣言通りの5分で帰ってきたことで西脇は精霊契約のすごさを改めて知った。
宿屋に前に帰ると宿屋の裏からシリルの声がしたため、西脇と一緒に裏回るとシリルが連に特訓をつけていた。
連はマナマ草原の時のように籠手を装着して、シリルと戦っていた。
「へー、なかなか上達してるな」
「本当ですね、シリルさんの攻撃をちゃんと防いでますよ」
シリルの畳み掛けてくる攻撃も一つ一つ落ち着き、しっかりと籠手でガードしている。
それを見ていた秀は軽く微笑んで、横にいた西脇の肩を軽く叩いた。
「ちゃんとアイツのこと見てやれよ」
それだけ言ってその場を後にした。
宿屋に戻ると珍しく受付にラニアが居らず、部屋に戻る途中、テラスにラニアが居た。
話そうと近づくがラニアはまったく秀に気付かず、ラニアはゆっくりと柵の方に歩いていった。
「おいラニア、そっちに行ったら危ないよ」
秀の忠告も聞かず、ラニアはゆっくりと柵に行き着いたが、ラニアは歩みを止めなかった。
柵に手を掛けて、身を乗り出そうとしたラニアを急いで止める。
「ラニア、危ない!!」
ラニアの腰に手を回して、柵から引き離す。
「何やってんだラニア危ないだろ!」
両肩に手を置いて怒鳴ったが、ラニアの目は焦点が合ってなく、ぶつぶつと呟いていた。
「行かなくちゃ・・・呼ばれてるから行かなくちゃ・・・」
「ラニア!!」
外にいる人達が全員秀の方向を向くほどの声を出していた。
「・・・っ、あれ?秀さん、あれどうして私はこのテラスに」
「こっちが聞きたいよテラスに居ると思って近づいたら柵を乗り越えようとするし、ぶつぶつ呟いてるわ」
「そんな・・・私そんなことをしてたんですか」
「最近働き過ぎだからじゃないか、最近受付でよくアクビしてるしな」
「そうですね・・・少し休んでみますね・・・」
自分が意味の分からない行動したため、ラニア自身がショックを受けていたようで、おぼつかない足取りで宿屋に戻っていった。




